二次創作は著作権を侵害しているはずなのに、なぜ黙認されているの?

「二次創作って著作権を侵害しているのに、なぜ黙認されているの?」

「Twitterでけっこうおおっぴらに二次創作している人たちが増えているけど、訴えられないのはどうして?」

と疑問に思っている人向け、【二次創作が黙認されている理由】について。

※まず「黙認してない著作権者もいるからね!」ということは最初に書いておく。きちんと「二次創作は禁止」と明示している著作権者・著作者もたくさんいるので、自分のジャンルについて確認しておきましょう。

許諾のない二次創作は著作権を侵害している、という記事を書いた。

「じゃあどうして黙認されているの?」と疑問に思う人も多いんじゃないだろうか。

そもそも芸術全般というのが模倣やパロディであるし、法律で芸術を括るのが難しいのは日本の同人文化に限った話ではない。

日本の同人文化は歴史も長く、著作権者と二次創作者の間には込み入った事情があったりして、その中でなんとなく今の形に落ち着いている(これから変わっていくことも大いにあり得る)という感じなのかなと思う。

この記事では【二次創作が黙認されているそのへんの込み入った事情】について、自分の知る範囲・推測できる範囲で書いている。

※著作権法は複雑で、かつ筆者は法律の専門家ではないので認識まちがいがあるかもしれません。引っかかる部分があれば鵜呑みにせず、自分でも調べてみることをおすすめします。

二次創作は著作権を侵害しているはずなのに、なぜ黙認されているの?

著作権とはちょっと違うけど、ゴールデンボンバーさんが肖像権について二次創作についてのガイドラインを出したのが話題になった。

SNSへの写真・動画掲載について、ゴールデンボンバーからのお願い
鬼龍院翔の「プッツンてれび」でお伝えした内容について、音声の聴きとりが難しい方もいらっしゃるため、画像にまとめて掲載をいたします。

こういったものをきちんと確認することで、「なぜ二次創作を容認するのか・しないのか」という公式のスタンスを推し量ることができる。

ゴールデンボンバーさんはガイドラインの中で、

アーティスト(事務所)の仕事を邪魔する(収入が減る)かどうか

アーティスト(事務所)が不快になるか、傷付かないかどうか

を考えてSNS投稿を利用してください

と結論付けている。

知らない人にまで興味を持たせる宣伝効果がある

「ミリ知ら(1ミリも知らない)な作品の二次創作をTwitterで見かけて、好みのキャラを見つけてしまい今はすっかり重課金勢」みたいな経験、オタクだったら一度くらいはあるんじゃないだろうか。

「最初は原作にそこまでハマらなかったのに、Twitterに流れてきた二次創作で特定のCPの扉が開いてしまいどっぷりいった」とか。

「別ジャンルのフォロワーさんが楽しそうに新しくハマったゲームのイラストを描いてて、毎日見ているうちに自分もうっかり始めてしまった」とか。

SNS全盛の今において"二次創作をきっかけにその作品を知る"というこの宣伝効果はバカにできない。

また、好みが似ていて仲のいいフォロワーさんが次にハマる作品って、自分もハマりやすい。

「これにハマった人はこれにもハマっています」みたいな強烈なリコメンド機能になり得る。

「おっ、このアニメのこのキャラ、こう見えて礼儀正しく育ちがいい設定な感じ? え、この子も火事に遭ってるの!? 私の推しと同じ匂いがする……」みたいな連鎖反応で沼に落ちたりしない?

データも取れないし推測でしかないけど、二次創作をきっかけにその作品に興味を持つことってけっこう多いんじゃないかと思う。

グッズや円盤を買ったりとジャンルが盛り上がる

ファンの裾野が広がることで、当然ながら経済効果が上がる。

円盤、各種グッズ、コラボカフェ、設定資料集。

こうなると当然、著作権者の懐が潤う。

そしたら二期や劇場版の製作につながるし、それがまた経済効果を生んでジャンルが盛り上がる。

二次創作から優れたクリエイターが出てくることも

また、"二次創作をしていて出版社から声をかけられ、商業誌に書くことになった"とか"ウェブ漫画を連載することになった"みたいな人もまわりに何人かいるんじゃないだろうか。

自分のまわりにも何人かいるけど、みんな「二次創作してなきゃ絵なんか描いてなかった」という人ばかり。

二次創作に情熱を注いでいるうちにどんどん絵と漫画が上手くなってしまい、商業デビューをしてしまうのだ。

こういった新しいクリエイターは、出版社の財産。

もし二次創作というものがなかったら、こういった新たなクリエイターは生まれてこなかったことになる。

自分も二次創作をやっていたため、理解がある作家もいる

あとは"自分もアマチュア時代に二次創作をたくさんしてきたから、自分の作品が二次創作されることに理解がある"というような作家もいるだろう。

二次創作をすることで自分の絵柄が確立したり、無心で絵を描き続ける原動力になったりすることを知っている作家も多いはず。

"販売"ではなく"頒布"で、利益を目的としていない

同人活動自体が小規模で、原作者の利益に影響がないというのも黙認されている理由の一つ。

そもそも同人誌は"販売"ではなく"頒布"であり、"同好の士がお互いの本に製作費を渡し合って交換し、楽しむ"という概念だ。

もちろん利益目的で同人誌を作る人もいるかもしれないけど、原作者の利益を脅かすレベルに売れるものでもない。

訴えるにも労力がかかる

あとは、いちいち訴えるのに労力がかかるということ。

もしかしたら「二次創作されて不快! 自分の作品のキャラがBLにされるの我慢ならない! 同一性保持権の侵害だ! 訴えてやりたい!」と思う原作者もいるかもしれない。というかいるだろう。

でもいちいち訴えていたのでは時間も労力もお金もかかるので、黙認するしかないということもある。

私たち二次創作をするオタクが特に考えなければならないのは、こういった部分なのかなと思っている。

公式のスタンスを理解し、ガイドラインをきちんと守ろう

最近ではSNSで二次創作がおおっぴらになってきたのもあって、多くの著作者・著作権者がガイドラインを出している。

「この作品の同人誌作りたいんですけどいいですか?」とか「Twitterでこういう二次創作見かけたけど、これって著作権侵害じゃないんですか?」とか公式に問い合わせる人も多いんだろうと思う。

いちいち対応してらんないよね、業務の邪魔だよね。それもあってガイドラインを出すのかもしれない。

ガイドラインで二次創作を許諾してくれている場合、たいてい「健全なファン活動であれば制限しません」という感じで、ぼんやりうっすらした表現のことが多い。(だから「健全なファン活動ってどの範囲?」と迷うこともある。これに関してもまた記事にしようと思う。)

自分のジャンルの公式が詳しいガイドラインを作っている場合はきちんと読むこと、それを守ること。

公式とオタクがお互いにwin-winになるような二次創作を心がけていきたい。切に。

タイトルとURLをコピーしました