「センスのいいイラストやデザインをたくさん見てインスピレーションを得たいけど、pixivやTwitterに投稿されているようなイラストやデザインは見飽きたなあ……」
「かと言ってSNSは交流が面倒だからもう増やしたくない」
という人向け【インスピレーションを得たいときのデザイン・イラストサイト、自分用ブックマーク的メモ】の記事。
自分はいわゆるノンデザイナー(デザインを専門に学んできていないデザイナー)で、講座を受けたり書籍を読んだりして少しでもセンスを磨きたいと四苦八苦している。
自分が読んできた中では『なるほどデザイン』が特に効き目があった。今までなにげなく見ていた日常の中のデザインに対しても見方が変わり、デザインの絶対音感みたいなものが少しだけ身についた気がしている。
そうなると新しい刺激やインスピレーションを得るためにもっとたくさんのデザインを見たくなって、探して登録して使ってみているサイトについて。
Tumblr(タンブラー)
だいぶ前からあるわりにそれほどみんな使っていない気がするTumblr(タンブラー)。
ユーザー同士で交流するのではなく、ただただそっと自分のダッシュボード(Twitterで言うタイムラインみたいなもの)に好きなものを集めて楽しむ&他の人の集めた好きなものを眺めて楽しむという古のインターネットの距離感が気に入っている。
もちろん写真や文章を投稿して日記的に使っている人もいるのだけど、「リブログ」(Twitterで言うリツイートのようなもの)がTumblrの売りというかメイン機能だと思う。
じゃあTwitterと何が違うのかと言うと、時の流れかたが違う。気がする。
何年も前のネタ画像や、何年も前にTwitterでバズってTumblrで共有されたツイートが、今さらリブログされて回ってきたりする。それをただ黙って眺めていると、今に生きていない感じがしてとても落ち着く。80年代や90年代の広告写真や手描き看板、イラストレーション、流行った漫画、アニメなどなど、色使いやフォントに懐かしさを感じる一方で新しさがあったりする。
アカウントを作ったらまず好きなものを検索してフォローしまくる
使い方に少しクセというかコツがあって、Tumblrは好きなものをフォローしまくらないと何も面白くない。今のTwitterみたいに「フォローの際は一言挨拶してください」「FF外からのいいねはお断り」みたいな人もいないので好きなようにフォローしたりフォローをやめたりすればいいと思う。
- アカウントを作る
- 検索窓から見たいものを検索(英語で検索すれば日本以外のコンテンツもたくさん見られる)
- いいなと思ったらとりあえずフォロー
- 好きなものがたくさん流れてくる自分のダッシュボードを見てニヤニヤする
- いいねしたりリブログしても楽しい
たとえばこんな検索ワード
▽センスを磨きたいから海外のイラストやデザインをたくさん見たい
「illustration」、「design」、「photography」など
▽手帳に描かれたアナログイラストを見たい
「moleskine」「sketch」「sketchbook」
▽おしゃれなガーデナーの写真を見たい
「garden」「cottagecore」
▽刺繍や編み物などを見たい
「needlework」「knitting」「crochet」
▽昔好きだったアニメや漫画の二次創作、マイナーすぎてpixivやTwitterには無いんだよなあ……
「作品名(英語)」で検索すると海外ニキネキたちの二次創作がいろいろある
※日本では自分の推しがあんま人気なくて二次創作もほぼ無かったのに、海外だと大人気みたいなこともあった。あとTumblr見てて個人的に感じたことだけど海外ニキネキには息の長いオタクが多い気がする。
▽疲れちゃってるから何も考えずただただ美味しそうな写真を見たい
「bento」「curry」「lunch」
Tumblrって「何か自分のスキルにプラスになるものをフォローしてインスピレーションを得なければ!」とかよりも本能のまま見たいものを見る用として使ったほうが楽しいし結果的に得るものも大きい気がしている。
Pinterest(ピンタレスト)
Pinterest(ピンタレスト)も知っている人が多いと思う。
アートはもちろんだけど、100均のDIY例とか、子ども用おもちゃの作り方とか、ガーデニングのコツ、手帳術、編み物をはじめとしたハンドクラフト、もちろん二次創作もある。(自分も二次創作をしている身なので「外部サイトに勝手にまとめられるなんてたまったもんじゃないよ……」という感じですけど)
Pinterestで見たアイデアを丸パクリというトラブルをけっこう見かける。どのサイトでも盗用はダメだけど、Pinterestのようにこれだけ怒涛のアイデアが流れてくると無意識にパクってしまうこともあるのかもしれない。自分も仕事としてデザインをやる身としてそれは絶対に気をつけなければならない。むしろ自分はパクられるよりパクってしまうほうがよっぽどこわい。
ので、自分はイラストやデザインではなく海外のインテリアや庭、DIY、あとは収納アイデアとか編み図などを眺める場所として使っている。これらは自分の仕事に直接関係なくて万が一にもパクる心配がないから。
Behance(ビハンス)
Adobeのやってる創作系SNS、Behance(ビハンス)。
意識高い雰囲気でちょっと近寄りがたかったのだけど使ってみるとそんなこともない。
写真系、イラスト系、建築系、ゲームデザイン系など【分野別】のギャラリー
さすがAdobeというか、ジャンルがとにかく多岐にわたる。絵やデザインだけにとどまらない。ー
プロダクトデザイン(あらゆる製品のデザイン。ボールペンとかカップとか車とか)、工芸(彫刻、陶芸など)、広告(ポスター、CMなど)、音声(ゲームのサウンドトラック、効果音など)もある。
また、ジャンルの異なるユーザー同士で求人もできるというのも特徴的。
たとえばオリジナルゲームを作りたいデザイナーがここでゲーム音楽を作れる人を探したり、音楽を作っているクリエイターがMV用に絵を描ける人を探したりできる。
Photoshop、Illustratorなど【Adobeソフト別】のギャラリー
Adobeソフト別のギャラリーもあるので、たとえば「Illustratorってどんな絵が描けるんだろう」「Photoshopの効果的な使い方を知りたい」というときに覗いてみることもできるし、便利なtips(使い方の小技)もたくさん共有されている。
また世界中のクリエイターと交流でき、製作中のデザインにアドバイスをもらったり仕事を請けたりすることもできる。
自分の作品を世界中に発信するポートフォリオとして使える
ここで他ジャンルのクリエイターを探したり探されたりもできるので、自分のポートフォリオにもなる。
今のところ、たまに覗いては「世界は広いぞ〜」と自分の戒めに使う程度なのですけど……。
Dribbble(ドリブル)
英語のサイトだけど、招待制のSNSでDribbble(ドリブル)というのもある。
クリエイターたちのSNSで閲覧だけなら誰でも無料登録で使える。ただし交流するには招待が必要。(招待されて入会すれば仕事を探したりもできるらしい。)
そもそも交流目的ではない自分にとっては閲覧だけで十分。
Designspiration(デザインスピレーション)
Designspiration(デザインスピレーション)は、PinterestやTumblrをイラストやデザインに限定した感じな印象。100均DIYとかTwitterでバズったネタ画像なんかが流れてこないので、雑味が少ない。
これもとにかく「まずは検索して好みのコンテンツを探す」という使い方なのだけど、最大の特徴としては、ワードだけでなく色でも検索できる。
JAYPEG(ジェイペグ)
日本語なので使いやすいかもしれないJAYPEG(ジェイペグ)。
FacebookやTwitterのアカウントでログインできるので手軽に始められ、自分からも発信するSNSとして使える。
どのサイトも「自分で探すコツ」が必要になる
挙げてみて感じたけど、どのサイトも登録してボーッと見ていてもアイデアとの出会いはなくて、まずは自分の見たいコンテンツや必要な情報を探して見つけて楽しまないと意味がなさそう。
「なんかこれ好き、ついつい見ちゃう」「えっ何これも好きもっともっと見たい知りたい」というのが蓄積して自分でもやってみたくなる、それがインスピレーションというやつなのかな……。
自分の好みを的確に表す検索ワードを見つけ、絞っていく楽しさ
デザインの例でなくて申し訳ないけど、自分がいちばん好きなワードは「カレー」だ。
Tumblrで「curry」とか「カレー」と検索してカレーの画像をたくさん見てきた。各ご家庭のカレー、有名店のスープカレー、カレーうどん、カレー鍋、チェーン店のカレーライストッピングなどなど……。
その中で最も興味を惹かれたのは大皿にいろいろ盛り合わせになった、どこかの国の定食ふうのカレーだった。これはネパールの料理で「ダルバート」と呼ばれるということを知り、「カレー」と併せて「ダルバート」という言葉でも検索して見るようになった。カレーに対して満足度も上がったし、好き度も増したし、美味しいお店を調べたりもできるようになった。実際に食べに行ったりもした。
好みが絞り込まれることで、「なんとなくカレーが好き」から「ネパール料理のダルバートを食べたい」ということがはっきりして、さらにダルバートの組み合わせも考えられるようになった。ダルバートに似たワンプレート形式で南インド料理のミールスというのがあることも知って、興味も知識も深まって広がった。
好きで見まくって調べまくって食べまくってみたことで、「自分のカレーに関する知識やセンスは少しだけ上がったんじゃないか?」ということになる。
これをデザインのほうでできればもっといいのだろうけど、私はカレーのほうが好きだし幸せなのでしかたない。
所感ログを残してアイデアをきちんと整理する
ただ、アイデアの盗用をしないようにというのはかなり気をつけている。
「ネットでいい感じのデザイン見つけて真似しよう」なんてもってのほかだけど、こういったサービスはアイデアの洪水みたいなもので、漫然と眺めているだけだと自分のアイデアと他人のアイデアがごっちゃになりがち。なんとなく無意識で真似をしてしまってた、うっかりパクってた、みたいなことも普通に起こる。
自分がしている対策としては、
- 自分の仕事と直接関係あるジャンルは見ない
- コメントを残せるようなSNSの場合は作品にコメントを残し、そうでない場合はできるだけ所感をメモしておく
- 自分がこのアイデアを使うならどう使うか
- この作品のどこにピンと来たか、どこが好きなのか
- どういうヒントを得たのか(色使いや線、使っているツールなど)
いいねの機能やブックマーク機能は、アイデアのログを残すことを意識して使うようにしている。