だいぶ前だったと思うけど、「吉田鋼太郎さんとリリーフランキーさんが似てる」とネットで盛り上がっていた記憶がある。
その後大河ドラマ『麒麟がくる』では「吉田鋼太郎さんと大塚明夫さんそっくりすぎない?」と話題になった。つまり吉田さんとリリーさんと大塚さんは似ているということ……? 確かに「自分に似てる人は三人いる」とも言われている。
ぱっと見では似ている人を見分けるには「頭の形」がポイントなのではないか、と思い立ったので、それぞれの頭の形をナッツに例えて描き分けてみた。
頭の骨格が最大の見分けポイントなのではないか
似ているとされるお三方も、顔のパーツはそれぞれじっくり見ると違う。当たり前だけれど。
でも写真によってはパーツも似ているようにも見えたりするし、なんならご本人が顔真似してお互いに若干寄せようとするし、じゃっかんのメイクなどをされてしまうと分からなくなってしまう。
しかし唯一、頭の骨格だけは寄せようと思って寄せられるものではない。
そこで、少々極端だけどはっきりと違いを感じるために3つのナッツに当てはめてみる。
吉田鋼太郎さんはおでこが前へ張り出していて、欧米人ふうに顎の先端がキュッと出ている。たとえるならカシューナッツ。
大塚明夫さんは頭のハチが張っていて、おでこは横へ広い。アーモンドを逆にした形。
リリーフランキーさんはラーメンマン型。ピーナッツのような頭の骨格をしている。
頭の骨格だけ見ると「意外と全然違うんだな」という印象に見えてくる。
それぞれのナッツに共通パーツを載せていく
前述の通り、三人のパーツは写真によっては似て見えたりする。
そこで共通パーツを作って、それぞれのナッツに仮置きしてみる。
まったく同じパーツを乗せているのに、頭の骨格が違うだけでそれぞれまったく別の印象になる。
これを下敷きに似顔絵を完成させてみた
この骨格の違いを意識しながら、似顔絵を完成させてみた。
(パーツもちょっとずついじった。)
骨格を意識して描いたことで、似ているはずの三人もけっこう違う印象に見えるのではないかと思う。
「自分にそっくりな人が三人いる」と言われる理由
街で知り合いに似てる人を見かけて「あれ、誰々さん? 一瞬似てる気がしたけどやっぱり違うかな」と声をかけるかどうか迷った……みたいなことってある。
人は他人を見分けるときに、「目が二重」とか「唇が薄い」とか「眉毛が太くて下がってる」とかそういう「ぱっと見」の手がかりに頼りがちのようだ。
しかしそういう「ぱっと見」の手がかりというのは意外と当てにならない。「目が二重」とか「唇が薄い」とか「眉毛が太くて下がってる」みたいな人は山ほどいるからだ。
この世にはそっくりな人が三人いるなんてよく聞くけど、本当はそれ以上いると言われている。
なぜ似た顔の人がそんなにいるのかというと、人間の顔を作る遺伝子の数は無限ではないから。
同じ民族なら似た遺伝子を持つ可能性がもっと上がるので、たとえば日本人同士だともっと自分のそっくりさんに出会う可能性が高まるということになる。
見分けるには骨格を観察する
自分も似顔絵を描くのだけど、どうしてもいちばんの特徴としてまずは目や口のパーツに目が行き、パーツだけをよく見てそっくり似せて描こうとして、がんばったわりに似ない……みたいなことが起こりがちだった。
今思うと、その人の骨格まできちんと見ていなかったせいだなと感じる。
たとえば街で知り合いに似ている人を見かけたときにも、(短髪の人なら)横顔や後ろ姿の頭の骨格で見分けることができそう。
髪の長い人の場合でも、正面から見たときは似ていたのに横から見ると全然違った! みたいなこともよくある。鼻の高さや顎の突出ぐあい、額や頬骨の張り出しなどはメイクでは変えられないからだ。額やエラはある程度髪で隠せたりしてしまうけど、それでも見えている部分の方が広い。
あと耳の形も骨格の一部であって変えられないので、耳が見えるような髪型の場合は耳を観察すると見分けられる、とも言われている。
私自身も大人になってから全然関係ない街で小学校時代の友人に歩き方が似た人を見かけ、顔がまったく違っていたので耳の形を見て判断した経験がある。ばっちりメイクもしてまったく印象は違っていたけど、歩き方と耳は昔のままだった。
おまけ:以前描いた吉田さんとリリーさん比較
前にも吉田さんとリリーさんを描き比べてみたことがある。
このときは「重心」で描き分けていたみたい。
ココリコ田中さんとTOKIO松岡さんも「重心」で描き分けようとしていたみたい。
今見ると我ながらあんまり意味がわからないけれど試行錯誤の一部として残しておきます。