「友人の誕生日に似顔絵を送ろうと考えているんだけど、似顔絵って喜んでもらえるのかな? 中にはもらっても困るっていう人もいるみたいだし……迷うなあ」
という人のために【こんな人は似顔絵をもらったら困るかも】というのをまとめてみた。
自分がデザインの仕事をしていたとき、なんだかんだ依頼を受けて似顔絵を描いていたことがある。
手放しで喜んでくれた人もいれば、「本当はあんまり描かれたくなかったんだろうな」というような人もいた。
そう、似顔絵をもらって困る人って、けっこういる。
その頃の経験を元に、こういう人には似顔絵をプレゼントしない方がいいのでは? というケースについてまとめている。
似顔絵をプレゼントしても困らせてしまう相手とは
こんなタイプは、似顔絵を贈っても困らせてしまう可能性がある。
- オーバーリアクションが苦手な人
- モノを捨てられない人
- 自分の顔が嫌いな人
オーバーリアクションが苦手な人
似顔絵って、贈られるとある程度大きめのリアクションをしなきゃいけないみたいなとこがあるでしょう。
オーバーリアクションが苦手な人は、似顔絵自体というより、似顔絵を贈られる空気がしんどいことがある。
面と向かってではなく、LINEやTwitterで、デジタルの似顔絵を贈るときも同じだ。
贈る方も、「え!? これ私!? すごーい! 似てる! ありがとうー!」くらいのリアクションをしてもらうことを想定してない?
微妙な顔なんてしようもんなら、「自分の似顔絵を贈られて嬉しくないなんて冷たい人……」「あれ、微妙? もっといい顔に描いたほうがよかった?」みたいな空気になってしまう。
空気を壊さないために無理してリアクションしてしまい、心理的な負担でドッと疲れてしまった……なんてことに。
モノを捨てられない人
似顔絵というのはどんなに上手かろうが飾るのはダサいし、かと言って捨てるのも申し訳ない気がするし、かと言って自分の顔を捨てるのにも抵抗がある。
住宅事情もあってただでさえ狭い収納に、わりとデカめの、場所を取る、他人からもらった紙を、しまいこんでおかねばならない。
身も蓋もない言い方をすると、最終的に「すごく捨てにくいゴミ」になる。
あ、これがミニマリストなら、ある程度の期間を置いてサクッと捨ててくれるので却って問題ない。
子どもの図工の作品でも「保管期間は何年、それ以降は写真を撮って捨てる」という人がいるくらいなので。
自分の顔が嫌いな人
いちばん難しいのが、自分の顔が嫌いな人だと思う。
自分が仕事で似顔絵を描いたときは、このケースがいちばん重かったように感じる。
最近ブームなのか"社員全員に自分の似顔絵入りの名刺を持たせる"なんて会社もあって、そういう場合嫌でも似顔絵を描かれてしまう。
「自分の顔が嫌い」にもいろいろある。
- 自分の顔を見るのが恥ずかしい、苦痛だ、という"全拒否"タイプ。
- 写真や似顔絵が自己イメージと違うとパニックになってしまう"描かれるのが怖い"タイプ。
- 自撮りはするけど、何百回と撮り直して自分の納得のいく写真しかSNSに載せない"自分の顔にこだわりがある"タイプ。
「資料用になるべくいろいろな角度、表情の写真を」と何度お願いしても、同じ角度・表情の自撮りしか送ってくれない人や、出来上がったものをあんまりちゃんと見たがらない人、「似顔絵を描かれて不愉快です」という態度を隠さない人もいた。
自分もそういうタイプだから、「分かる、分かるよ……描いてごめんよ……」という気持ちだった。
この場合はお互いに仕事だったから割り切っていたけど(割り切れていな人もいたけど)、これがプライベートだったらかなりしんどいだろう。
ほとんどの人は似顔絵をもらうと困る可能性がある
上の三点から、"リアクションが得意で自分の顔大好きなミニマリスト"なら似顔絵を贈っても困らず受け取ってくれるんじゃないかな、ということになる。
でもなかなか難しいんじゃないだろうか。
誰でも無理してリアクションするのは苦手だし、モノをばんばん捨てられるわけじゃないし、自分の顔が大好き! という人の方が少ない。
"え、待って、似顔絵をもらって困る人の方が多いんじゃない?"ということになる。
ただし「例外」がある
ただ、強力な「例外」がある。
それは、我が子とか、ごく親しい友人とか、"大切な人に描いてもらった似顔絵"だろう。
似顔絵の価値は上手い下手より、描いてくれた人との関係性にある。
似顔絵を贈るときは、"自分がその人の大切な存在なのかどうか"を考えてみてほしい。
"下手でも自分で描くこと"も重要なポイントだ。
だって似顔絵サービスの絵描きさんは赤の他人だから。
「絵を描くのが得意だから似顔絵を描いてプレゼントしよう」とか「見栄えもいいし、似顔絵サービスで描いてもらおう」という考え方だと、たいていの場合、相手を困らせてしまうことになるんじゃないかと思う。
"母の日、父の日、敬老の日なんかで子どもの頃似顔絵を描いて、家族が手放しで喜んでくれた"。
そんな経験を持つ人は多いだろう。
しかしそれが
「似顔絵は心のこもったプレゼントだから必ず喜ばれる!」
みたいな、"似顔絵最強プレゼント信仰"につながってしまっている気がする。
しかしあくまでも、幼い我が子がたどたどしいながらも一生懸命自分を想って描いてくれた似顔絵が尊いのであって。
それ以外をプレゼントするときは、相手のことをよくよく考えたい。