美人の似顔絵が難しい理由と描くコツ〜石原さとみさんを作例に

「美人の似顔絵を描くのは難しい」と言われている。

自分も美人や美人寄りの女性が苦手で、仕事で似顔絵を描くにもいつも四苦八苦してきた。

そのうちに、

「なぜ美人の似顔絵を描くのが難しいか」

「じゃあ美人を描くにはどういうコツがあるのか」

ということが見えてきたので、まとめてみた。

女性の似顔絵が難しいのはなぜか

メイクで個性を消してしまうから

女性を描きにくいのは、メイクでいくらでも顔が変わってしまうというのが理由の一つ。

メイクによって本来の顔立ちを隠してしまうので、その人の本当の骨格や造形が見えにくい。

特に最近のメイクは、個性を消して、「普通」に近づけようとするものが多い。

メイクで自分の特徴を消して没個性の顔になりたがるというか、没個性の顔イコール美人、みたいな風潮で、顔の個性を欠点だと思っているフシがある。

「私は離れ目だから変。目がくっついて見えるようなメイクを工夫したい」とか「ぽってり唇が嫌いだからメイクでカバーしてるの」とか。

みんなしてそんなふうに個性を消されたら、その人独自の特徴を掴んで似せるのは困難になる。

女子大生がみんな同じメイク、同じ髪型、同じくすみピンクのワンピースを着てる「量産型女子」なんてのがSNSで話題になったけど、みんな同じ顔では似顔絵なんか描けない。

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量産型女子とは、似たような髪型やメイク、服装、趣味を好む、“量産=よく見かける”ような女性たちのこと。男性は彼女たちのことをどう思っているのでしょうか? 男性約300人の意見から、量産型女子の特徴を定義します。

ヘアスタイルで輪郭や眉を隠してしまうから

また、女性は男性より髪が長いことが多く、輪郭やおでこ、眉なんかを隠してしまう。

前髪を長めに下ろして面長をカモフラージュしたり、エラの張りを横の髪で隠したりできてしまう。

眉も印象を左右する大事なパーツで、目以上に性格や表情が出てしまう。

眉の個性がメイクでカバーしきれないためか、髪で眉を隠してしまう女性も多い。

これも「よけいな個性を出したくない」「みんなと同じ顔でこそ美人」という風潮の産物なのかも。

あまり表情に素を出さないから

これは男性も同じかもしれないけど、写真に写るとき同じ決め顔をする人は多い。

「似顔絵の資料に写真を複数枚送ってください」というと、見事に同じ顔の写真が何枚も送られてくることがある。

いろんな表情の写真を見て骨格や造形を確認したいので、同じ顔の写真だけではそれがつかめず困ってしまう。

「私の顔を変に描かないでよね」という圧

さて、ここまで自分の個性を消して「美人」に近づこうとしている女性は、「私の顔を変に描かないでよね」「私が抱く自己イメージ通りに描いてよね」という圧も強い。

「え……あたしってこんなブスかな……笑」とか「変に描かれて傷ついた」とか言い出す人もいる。

三割増しで良く描かないと納得してくれない。当然、似ないよね。

「没個性」を突き詰めたものがいわゆる「美人」になる

こういう女性たちの最たるものが、いわゆる「美人」。

つまり「なるべく個性がないこと」がいわゆる美人の条件なのだ。

それは現代に限ったことではなく、平安時代は「引目鉤鼻、下ぶくれ」が美人の条件だったし、みんなこぞって同じ顔に見えるような化粧をしていた。

どの時代も美人というのは、「その時代の美の基準に外れない顔」

人間の顔の魅力、その人のチャームポイントは、「目と目の間が広い」「鼻が普通より大きい」などのアンバランスな部分なのに、いわゆる美人にはそれが無いわけである。

つまりチャームポイントである「似せポイント」が巧妙に隠されてしまっているのだ。

これでは似顔絵を描くのが難しくても当然だろう。

メイクや髪型で個性を消された「素顔」を見破れ

まずは特徴を観察しながら描いてみる

最近の映像を参考に描いてみる。

試行錯誤例をご覧ください……

全くつかめない。

こういう場合、まだあまりメイクをしていなかった10代の頃の写真がヒントになることがある。

石原さとみさんだと「ウォーターボーイズ2」あたりの映像。

まだ素顔に近いメイクで高校生役を演じられているので、骨格や本来の顔をつかみやすい。

ホリプロの女優さんはみんな最初は素朴な雰囲気で世に出るが、どんどん美しく垢抜けていくのが特徴的。

石原さとみさんもその一人だし、深田恭子さんもそうだと思う。

印象が変わりすぎると決まって「整形疑惑」なんてものが持ち上がるけど、顔の印象を変えるのは意外と簡単。ノー整形でできる。

似せるポイントはメイクを分析すること

石原さんって垂れ目なイメージがあるのではないだろうか。

アライグマっぽいというか、キツネかタヌキかで言えばタヌキ顔。

実は素顔は言うほど垂れていなくて、むしろキリッとしているのをメイクで垂れさせている感じ。

眉毛も実はキリッとキツめなのを、メイクでは柔らかい色でふわっとさせているし、かつ絶妙な前髪の厚さと長さで眉毛を隠している。

そして石原さんといえばぽってりした唇だけど、こちらもメイクでほどよくスッキリ見せている。

ご本人も、テレビ番組で「自分の唇が嫌いだったけどリップを覚えて(メイクでカバーしている)」ということを言っている。

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かなりメイクによって印象を変えているのだ。

つまり美人を描くコツは、「素顔の骨格・造形を観察しつつ、その地顔をどんなメイクでどう変えているかを分析してみる」ことだと思う。

似なかった似顔絵にメイクをして似せていく

骨格や素の造形をとらえた線画の段階では、全く似る気配を見せなかった石原さとみさんの似顔絵。(下図左。『ウォーターボーイズ』の頃の映像を参考にして描いた。)

それに着色でメイクをすることで、今の石原さとみさんに似せていこうと思う。

目を垂れ目がちに優しく、唇をマットにひきしめ、眉頭を柔らかく平行眉に……とメイクをする感じで色を塗る。

詳しくは「石原さとみ風メイク」の説明をしている動画やブログを見ると参考になると思う。

完成がこちら。

みんなメイクで美人になれる可能性を秘めている

石原さとみさんの素顔って特別目がぱっちりとか鼻が高いとかではなく、むしろ地味な顔立ちの部類だと思う。

高校生役を演じていた10代の頃の映像を観ると、とても素朴な印象だ。

かと言ってメイクも改造メイクみたいに特別盛るわけでもなく、基本的にはきれいな色を乗せ、涙袋やほお、額をつやつやさせているだけなのに、「美人」になってしまう。

それってつまり、誰だってある程度いわゆる「美人」になれる可能性を秘めている、ってことじゃないだろうか。

「誰々風メイク」というのがこれほど流行っているのは、きっと世の女の子たちはとっくにそれに気づいているんだろう。

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