趣味として絵を描くことで、数多のストレスを解消してきた人生でした

ストレス解消になる趣味って何かないかな? 嫌なことがあったりしても、それを忘れるくらい没頭できる趣味がほしい……

という人向け【自分は子どもの頃から、趣味として絵を描くことでいつもストレスを解消してきた気がします。(ただしストレス解消をするためにはちょっとしたコツがいるかも……?)】という記事。

ストレス解消のための趣味、というとなんだかハードルが上がってしまう。

そんな大それた話ではなく、「気を紛らわせるために日ごろ簡単にできること」程度の話です。

絵を描くことでストレスは解消されるか

ただ単に絵を描くだけでは、ストレスが解消されない場合もあると思う。

現に、「私は趣味で絵を描いてるけどストレス解消できてないよ、むしろよけいイライラすることが増えた」という人もいるだろうし。

そもそも、どうして絵を描くとストレスが解消されるのか。

上手くなることで自己評価が高まるからでもなく、大作を完成させて達成感を得られるからでもなく、承認欲求が満たされてテンションが上がるからでもない。

クリエイティブな活動(絵を描くとか陶芸をするとか)をすることで、無理なく"今"に集中することができるからだ、と自分は考えている。

つまり上手い下手や経験の有無は関係なく、上達しようがしまいがそれも関係ない。

実際、クリエイティブな活動を45分続けるとコルチゾール(ストレスに反応して出る物質)が減る、という結果が出ている。

絵を描くとストレスが減る。下手でもOKみたい(研究結果)
アートの経験がない人にもいいニュースです。

では、"今"に集中するってどういうことか。別にうさんくさい話ではない。

ストレスの原因は全て"過去"か"未来"にある

よく言われていることだけど、人がなぜストレスを感じるかというと、

  • 未来への不安
  • 過去に対する後悔や怒り

つまり、"今"ではない未来や過去のことを考えることが、ストレスを生み出している。

「今日会社で自分のせいじゃない業務の尻拭いさせられてムカついた(近い過去への怒り)」

「明日シフトで苦手な人と組まなきゃいけないのユウウツだな……(近い未来への不安)」

こんな感じで、ストレスは過去か未来に対してしか起こらない。

"今"に集中することでストレスは解消される

つまり、意識して"今"に集中することでストレスを感じにくくなるということ。

座禅も瞑想も、"今"の自分の呼吸に集中することで心を平らかにするために行われる。

絵を描くのだって、「今この線を描くことに集中する」の繰り返し。

だからこういうのは逆効果になりそう

なので、ストレス解消を目的とするならばこんな感じだと逆効果になる、ということが言えそう。

  • 「上手く描きたい」というのを目的にしてしまう
  • 「下手で恥ずかしい」とか人目を気にしてしまう
  • 「褒められたり評価されたい(いいねが欲しい)」というのを目的にしてしまう

「上手く描きたい、どれくらい練習したら上手くなるんだろう、いつ上手くなれるの?」「下手で恥ずかしい、こんなの投稿して笑われたり晒されたらどうしよう」「どれくらいいいねがつくかな?」というのは、"今"ではなく未来のことを考えてしまっている。これだとよけいなストレスが増えるだけで解消されない。

"今"に集中するお絵描きってどんな感じなのか

長いこと趣味で絵を描いていても、それがストレスになっている人もたくさんいるように思う。

では、"今"に集中できるお絵描きってどんな感じなのか。

好きで、どうしても描きたいものを描く

まず、「どうしても描きたいものを描く」というのが集中しやすいと思う。

推しとか、飼っている動物とか。絵を描くということはそれだけ、好きなものを見続ける時間が増えるわけなので。

自分は似顔絵を描く仕事をしていたことがあるけど、やっぱり好きな人間の顔を描くほうがじっくり観察したり何度も納得いくまで手直しをしたりなど、楽しく集中できた。

風景やメカなど、心のないもののほうが集中して描けることもある

人形やポスターなど、目があるものを部屋に置いておくと気疲れするなんていうけど、人物を描くときにも同じようなことが言える。

たとえば推しを描く場合でも「あーチケット取れるかな、不安だな」とか「同担拒否のファンに嫌がらせされたんだよな……あのときは嫌だった。また会ったらどうしよう」とか「ファンイベ行きたいけど認知してもらえてるのかな?」とか「好きすぎてつらい」とか。推しに付随する感情が100%ハッピーとは限らない。ネガティブな未来や過去に意識がとんでしまったりすることもある。

二次元、三次元、面識のあるなしに関わらず、対人となるとさまざまな感情が湧いてきやすい。だったらそういった感情が湧いてこない、思い入れのない風景やメカなどを描くほうが集中できたりする。

自分の場合は趣味でマンガを描くのだけど、人物のコマより背景のコマのほうが時間を忘れて没頭できたりする。

無理して上手く描こうとするより、塗り絵やトレースでもいい

初心者の場合は特に「上手く描けない」というのがストレスになりがち。

そういう場合は塗り絵やトレースなどでもじゅうぶんに没頭できる。別に一から全部自分で描かなきゃストレス解消できないわけではない。

要するに、作業に楽しく没頭できればいいわけなので。

※トレースしたものを自分で描いたことにしてSNSに投稿したりするとトレパクになるので、誰にも見せず自分だけの練習として。

SNSに投稿することを前提にしないほうがいいかも

せっかく描いたんだから世界中の人に見せたい! と思ってしまうかもしれない。

でも、もし「趣味として、ストレス解消のために絵を描きたい」というなら、SNSに投稿して人の反応を得ることを前提にしないほうがいいような気がする。

「いいねがつくかな?」というのは言うまでもなく未来に意識が及んでしまっており、"今"に集中していない。

いいねにとらわれすぎれば新たなストレスのもとを増やすことになりかねない。

実際このブログの検索ワードでも「いいね 少ない」「いいね 増える時間帯」など、SNSでの反応に思い悩んでいるものが多い。

いいねの数をゲーム感覚にとらえられるならいいだろうけど、人ってやっぱりどうしても承認欲求があるので、「SNSには投稿するけど、反応はいっさい気にしない」というのはなかなか難しいように思う。

絵を描いているときは全てを忘れられた

自分は中学の頃いじめにあっていて、毎日がいやだった。明日のことが不安だったし、今日投げかけられた暴言がつらかった。

ただ、家に帰って絵を描いている時間はそれを忘れられた。

絵を描くことで、気を紛らわせることができた。

もし自分があの頃趣味で絵を描いていなかったら、一日中、「こんなことを言われた」「こんなことをされた」「明日が来るのが怖い」という不安や恐怖と向かい合って、とっくに押しつぶされていたと思う。心ももっとズタズタになっていただろう。

ゲームとかでもいいし好きな動画を見るとかでもいいんだけど、受け身のことって集中しづらくて、いつのまにかぼーっと嫌なことを思い出したりしてしまうことが多かった。

絵を描くのは自分の手を動かすので、よけいなことを考えづらく、集中しやすかったんだと思う。

あの頃感じたのは「この世には根本的に解決できることなんてなくて、気を紛らわせて何とかやっていくしかないんだな、人生においていちばん大切なのは気を紛らわせる技術だな」ということ。

大人になって絵を仕事にすることもできたし、人生万事塞翁が馬。

気を紛らわせるって言うと軽い暇つぶしみたいな印象があるけど、それって実は"今"に集中することであって、心を守ることでもあるような気がしている。

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