
「絵描きがTwitterで日常呟きするのってうざいのかな。現に日常呟きばかりしていたらフォロワーが減ったし。絵描きは絵だけ描いているべきなのでは…?」
と悩んでしまっている人向け、【それって間違った思い込みで思い詰めてしまっていませんか?】という記事。
こういったお悩みや議論は、数年前くらいによくTwitterで見かけていた印象がある。
そのたびに「気になる人は絵だけ描くようにすればいいし、日常呟きもしたい人はどんどんすればいい、Twitterの使い方なんて自由なんだから」みたいな決着をしていたように思う。
結論:自分の好きにすればよいんだよ!
なんだけど、「それは分かってるけど気になってしまうんだ!」という人もいるんだと思う。
この記事では、
- そう思ってしまう"心理のクセ"を分析してみる
- 日常呟きと絵を分けるなら、具体的にどんな手段があるか
について書いている。
「絵描きはTwitterで絵だけ描いてるべきなの?」というお悩み
まず自分に確認しておきたいのは「あなたの日常呟きが邪魔です。私は絵を見たくてフォローしたので、無駄な呟きやめてください」って本当に誰かに面と向かって言われたの? ということです。
もし本当に面と向かって言ってくる奴がいたんなら、そいつをブロックして終了でOKです。そいつが100%悪いので。
でも、「そうハッキリ言われたわけじゃないけどさあ……」というなら、少しだけ冷静になって考えてみるといいかもしれない。
それは「自分がそう思っているだけ」ではないのか
それは自分で勝手に導き出してしまった論ではないのか。
例えばこんな感じ。
「自分の絵は同レベル程度の人に比べていいねが少ない」
↓
「フォロワーから嫌われているに違いない」
↓
「きっと愚痴が多いから嫌われているんだ」
↓
「絵描きはよけいな呟きをやめて絵だけ描いているべきなんだ」
または、
「最近フォロワーが減っている」
↓
「このところ日常呟きばっかりだったから、うるさくてリムーブされたのかもしれない」
↓
「きっと『絵描きは絵だけ供給しろ』とうんざりされているに違いない」
↓
「このままだとどんどんフォロワーが減って、見放されてしまう」
みたいな感じの思考をしてしまっていないだろうか。
こうして文章にしてみると気づくと思うけど、全部が自分の思い込みでできあがった論だ。
いいねが少ないのはアップしたタイミングにもよるし、いつもRTしてくれてた人がたまたまTLを見ていなくて拡散が少なかったのかもしれないし、Twitterで画像が表示されにくいバグだったかもしれないし、フォロワーの通信制限の頃合いだったのかもしれない。別ジャンルでイベントがあってみんなそっちに夢中だったのかもしれない。フォロワー凍結祭りがあったのかもしれないし、ジャンル離れが進んでいるのかもしれない。「同レベルの人と比べて〜」と自分では思っても、自分の絵がそこまで上手くないだけかもしれない。
考えられる可能性は無限にあるのに、「きっと自分の日常呟きがうざかったせいだ」となぜそこに絞り込んでしまうのか。
そこには「また愚痴言っちゃった、自分は最悪な人間だ。こんな自分がうざい……こんな最悪な自分のことはみんなうざいと思っているに違いない」という【決めつけ】や【論理の飛躍】がある。
愚痴を言う→最悪な人間
というのも【論理の飛躍】だし(愚痴を言う人間が最悪とは限らない)、
こんな自分がうざい→みんなうざいと思っているはず
というのもただの【決めつけ】(他人の考えていることは自分には分かりようがないのに決め付けている)だ。
【認知の歪み】というのがたびたびTwitterでも話題になって知っている人も多いだろうけど、こうしてまさに歪んだ認知で間違った思い込みをしていないだろうか。
「なんだ、だいぶ自分の思い込みで話を進めちゃったんだな」と気づけば、少し冷静になれると思う。
誰かが言われているのを見て「自分もそう思われているに違いない」
あと、誰か他の人が言われているのを見て自分に言われているような気持ちになってしまった、ということもあるだろう。
例えば何万もフォロワーがいるような有名クリエイターや神絵師が、Twitterでどぎつい政治批判や危険な思想をぶち上げているとする。
そうするとまわりが「あーあー、いらんこと言って……このクリエイターのそういうのがイヤなんだよな」とか「そういう呟きやめて絵だけ描いててくれないかなあ」とか「絵は好きだけどフォロー外したわ」とか言っているのが目に入ってくる。
「もしかしたら自分もそう思われているのでは? 『絵だけ描いてろ』と思われているのでは? いらん呟きしたら『うざい』と言われてフォロー外されてしまうのでは?」
と、自分の身に引き比べて不安になってしまうんじゃないかしら。
そりゃ何万もフォロワーがいるような世界中を自分の作品で心酔させているクリエイターなら、そんなふうに言われることもあるでしょう。
でも我々はそんなだいそれたクリエイターではないわけなので。
もともとたいして期待なんかされていないと思うのだけどどうでしょう。そう考えると肩の力が抜けないだろうか。
自分が他人に「日常呟きうざい、絵だけ描いてろよ」と思っているのかも
人間って、自分の辞書に載っていないことは思いつけないようになっている。
なのでもしかしたら、自分が他人に対して「日常呟きうざい、絵だけ描いててくれればいいのに」と思ったことがあるのかもしれない。
「なんだ、自分のものさしで勝手に他人を判断してしまっていたんだ」ということになれば、ちょっと楽になるんじゃないだろうか。
日常呟きと絵を分ける、という解決法
とは言え、頭では分かっていても心の不安やソワソワはなかなか消えないかもしれない。
それならいっそ、日常呟きと絵をすっぱり分けてしまうことで自分の気持ちが楽になる。
日常アカウントを別に作る
Twitterで活躍するクリエイターの中には、日常のことを呟くサブアカウントを作っている人も多い。作品や告知はメインでアップして、サブでは猫の写真やごはんの写真を載せたり、ちょっとした愚痴を言ったりする。
"作品や告知のことは知りたいけど、クリエイターのプライベートにはさほど興味がない"という人はメインアカウントだけフォローすれば足りるし、"クリエイターのファンだから日常呟きも見たい"という人は両方フォローすればお得な気持ちになれる。
YouTuberでも、サブチャンネルを持っているクリエイターがたくさんいる。メインチャンネルでやるほどでもないネタやディープなファン以外にはあまり聞かせたくないちょっとした悩みなど、再生数は度外視してアップすることができる。
商業で描いているような同人作家もたいてい趣味の同人活動と商業用のアカウントを使い分けているし、その上さらにペットの写真をアップする専用アカウントを作っている人もいる。
アカウントを分けることで気にしなくて済むようにもなるし、ディープなファンは喜んでくれるし、居場所が増えて自分も楽になる。
作品と日常呟きでSNSを使い分ける
あとは"Twitterでは日常呟きをして、作品はpixivにアップする。pixivにアップしたらTwitterで告知する"という使い方の人もいる。
BLを描いている人などは【pictBLand(ピクブラ)】など閲覧制限のあるSNSにアップすることでよりひっそり同人活動ができるというメリットもある。

また最近は、Twitterにアップしても画像が劣化しなくなった。
それはいいことなんだけど、高画質の画像をTwitterにアップできてしまうということは、転用されるリスクも高いということ。
なので、作品は保存禁止機能がある他のSNSに高画質でアップして、Twitterでは告知リンクのみにする、という人も自分のまわりには増えている。
Twitterと連動した別サービスを使う
【ツイコミ(仮)】は投稿の中でマンガだけを抽出して表示してくれるサービスだ。

Twitterでマンガを描いている人は、こういったサービスを使ってマンガだけ一気に見てもらうということもできる。
プロフィールのところに「【ツイコミ(仮)」】だと一気に読めますよ」みたいにリンクを載せておくと、「マンガだけ読みたいのに日常呟きが混ざって読みにくい」なんてことがなくなる。
※このサービスで抽出されるのはマンガだけ(多分コマやフキダシがある画像を識別しているのかな……?)だけど、マンガを描く人には便利だと思う。
世間って、自分が思ってるほど厳しくない
世間って自分で思っているほど厳しくないし、「俺はお前の絵を見てやってるんだ、お客なんだぞ!」みたいに横暴でもない。
私自身は「この人の絵やマンガが好き。Twitterで日常呟き見てたらもっと好きになった」「日常呟きの面白さに惹かれてフォローしたら、この人の絵もツボだった」みたいなことが多い。
「そうそう分かる! 私もそんな感じ!」という人ってけっこうたくさんいると思うんだけど、どうでしょう。
それに、絵だけまとめて見たいと思えばメディア欄を見たりpixivに飛ぶなりして、自分で工夫しますよ。
自分が厳しい目で見ていると、世間も厳しく見えてくる。
自分がテキトーな感じで見ていると世間もテキトーに見えてくる。
結局はそういうことなんだと思う。
もし本当に面と向かって「あなたの日常呟きがうざいのでやめてください。絵だけ描いててください。でないとリムーブしますよ」と言われたとしてね?
そんな人にリムーブされてもいいじゃない。
自分がどうしたいかをまず第一に考えて、考えの合う人と楽しくやる。
それがSNS時代において心の健康を保つポイントなんじゃないかと思う。
※このブログを書いている高橋がTwitterを始めました。 → @tkhs_bsdz
Twitterでブログ更新のお知らせをしていくので、気軽にフォロー&声をかけてもらえればと思います。