描いたイラストに感想が来ない理由&感想をもらいやすくするためには…?

感想くださいって言ってるのにフォロワーさんたちが全然感想リプやマシュマロをくれない…どうやったら感想や反応をもらえるようになるんだろう?

と悩んでいる人向け【感想を送るのって意外と難しいこと。フィードバックや感想、反応をもらいやすくするには、聞き方も大切なのかもしれない。】と考えてみた記事。

※「別に私は感想ほしくないけどな〜」という人もいると思うので、そういう場合は読まなくて大丈夫な記事です。

自分も個人サイトの時代から【かんこな(感想来ない)】をこじらせてだいぶ悩んだことがある。その頃はweb拍手が主流だったんだけど、【ぱちこな(拍手すら来ない)】っていう言葉もあった。

毎週マンガを更新してもなんの反応もなくてガッカリして、まわりの絵描きさんたちが「拍手のお返事ですー!」って日記上でいっぱいお返事してたりすると「私の絵はそんなに下手なのか? あの人よりは上手いと思うけど? 知らないうちにこの邪悪さが染み出しているからジャンルで嫌われているのかも」と、いつも黒いものが胸に渦を巻いていた。

今となれば「下手だとか嫌われてるとか、そういうことじゃなかった」というのが分かる。相手のことを考えないで「欲しい欲しいくれくれ」とただ渇望していたけど、ちょっと相手のことを考えれば、自分の聞き方も下手くそだったなと今は思える。

この記事では、

  • 感想がこない理由について
  • どうしたら感想をもらいやすいのか

ということについて、自分の経験をもとに考えてみた。

描いたイラストに感想が来ない理由

※今の自分は一周まわってしまったのか、創作はしているものの「感想や反応が欲しい」という気持ちがあまりなく、最近はだいたい「感想を送りたい側」。なので「感想を欲しい側」と「感想を送りたい側」、両方の立場で考えてみています。

自分の気持ちを文章にするのがそもそも難しいから

まず書いておきたいのは一般的に「絵に感想(反応)をください」ってけっこうな無茶振りなんじゃないかということ。

普段から創作をして自分の思ったことを形にし慣れている人はつい忘れがちだけど、自分の思ったこと・感じたことを文章にして人に伝えるというのはなかなかの高等技術だと思う。誰にでも簡単にできることではない。

しかもマンガならまだしも、絵に対する感想ってだいぶ無理難題なのでは。マンガならストーリーがあるから反応しやすいけど、絵に対する感想って、自分で独自にストーリーを見出してそれを伝えなければならない。

たとえば田んぼを描いたすごく上手い絵を見て「すごい! 上手い!」と何か胸に迫るものがあったとしても、感想を言えと言われたら「田んぼですね」「上手いですね」くらいしか言葉は出てこない。これでは相手に伝えるのにもためらってしまう。

【感想文】を書くことに苦手意識がある人が多いから

小学校の夏休みにやらされた読書感想文、あれも「感想」に苦手意識を植え付けているかも。

作者の気持ちを読み取って教師の意図をチラチラ窺いながら、「主人公は親を亡くして悲しかったと思います。私も両親を大事にしなければいけないと思いました」みたいないい子ちゃんぶった道徳的な文章にまとめなければならない。

「〜だと思いました」「〜と感じました」しか書けなくて、我ながら幼稚で恥ずかしくなっちゃったり。そりゃ感想苦手になるわ。

「感想ください」って簡単に言われても「いやいや無理無理! 苦手だからごめんなさい」となってしまう。

「間違ってたら恥ずかしい」と思ってしまうから

感想に間違いもヘッタクレもないはずなのに、「自分の感想がもし間違ってたら恥ずかしい」と思ってしまう人もいるかも。

絵描きに感想を送りたくても、見当違いのことを言ってしまってたら恥ずかしい、間違ってたら恥ずかしいと思ってしまう。

作者をイヤな気持ちにさせたくないから

SNSではたまに絵描きさんが「こういう感想来たけど傷ついた……」「これって褒めてるつもりなんだろうけど不愉快だわ」みたいなことを言っていることがある。

たとえば「誰々の絵に似てますねって感想もらってモヤモヤした。描く気なくした」とか「上手いですね! ってコメント来たけどなんでROMが上から目線なのかね」みたいな。

「そういうふうに受け取られることもあるのか……」と、送る側からすると怖くなってしまう。「こういう言い方、イヤじゃないかな? 怒らせないかな?」なんて考えていたら疲れてしまい「送るのやめとこ」となる。

謙虚でシャイな人が多いから

自分もそうなんだけどオタクは「好きなもののことをいっぱい語りたい!」と思う反面「でもこんなこと今さら私が言わなくてもみんなとっくに言ってるよね」と引っ込めてしまう人もいる。

「このコマってあの映画のオマージュになってるんだ! すごい! 気づきましたよって伝えたい……でも私が気付くくらいだからとっくにみんな気付いてるだろうし、作者さん言われ飽きちゃってるかもなあ……」

と思うと「私が送らなくてもいいか……」とマシュマロを閉じてしまう。

これを全員がやると、絵描きさんのところには一通も届かないことになってしまう。

テーマがない絵には感想を言いづらいから

最後に、絵自体に原因があるとすれば……ということについて考えてみた。

テーマがない絵には感想って言いづらい、というのはあると思う。

上にも挙げた例だけど、すごく上手い田んぼの絵があるとして、何でもいいから感想を言えと言われたらちょっと困る。

感想文が得意な人なら、絵の中に自分なりのストーリーやテーマを見つけ出して「黄金の波のようです。大地の実りに人間は生かされてるんだなって感じますね」とかなんとか言えるかもしれないけど、感想文が苦手な人は「すごいですね」「田んぼですね」くらいしか言葉が出てこない。

これが、同じ田んぼでもアニメキャラを模した案山子がいっぱい立ってる風景なら、

「農家さんが○○のファンなのかな?」

「○○が守ってくれれば田んぼも安心ですね」

「夜見たらちょっとびっくりしそう笑」

みたいに、気軽に誰でもいろいろ言える。

"のどかな田んぼに一見場違いなアニメキャラの案山子が立っているアンバランスさが面白い"というテーマがある、つまり「この絵の面白ポイントは一目瞭然、ここですよ!」というのがあるので、見た人が安心して「ここが面白い!」と反応することができる。

絵にテーマ(あるいはツッコミどころ)がないと感想は言いづらい。逆に言えば、絵にテーマ(あるいはツッコミどころ)を持たせれば感想を言いやすくなるのではなかろうか。

同じ構図や同じ表情ばかりだと感想を言いづらいから

あとは、あまりに同じ構図や同じ表情ばかりでも、感想を言う側も困ってしまうんだと思う。

絵を見る側にしてみれば推しのアンニュイな横顔はサビだから何度見てもうれしいのだけど、言葉で感想を言うとなると「アンニュイな横顔がいいですね……ってこれこないだも言ったしな……」と重複が起こってしまう。

感想もらう側は気にしなくても、送る側が気にする。

【感想】のハードルを下げてみる

「感想ください!」と言えば言うほど、感想文に苦手意識があってしかもシャイなシャイガールたちをさらにシャイにさせてしまうかもしれない。「絵描きさんが感想欲しがってる……! 何か言ってあげたいけどでもあーんごめんなさい私には無理……」で気まずくなって距離を置いちゃう……なんて経験ないですか、私はある。

そこで、【感想】のハードルを下げる方法を考えてみた。

ハードルを下げるというと、よく「一言でもいいので感想ください! 見たよの一言でもいいです!」とか言う絵描きさんもいるけど、送る側にしてみれば「『見たよ』の一言でもいいのか、じゃあ『見たよ』。以上!」ってわけには、ちょっとなかなか、いかない。心情として。バカにしているみたいになってしまう。むしろハードルが上がる。

送るための手段を手軽に簡単にする、相手の心理的な壁を除く、ということだと思う。

  • 匿名の感想ツールを使う
  • 選択式のアンケートを使う
  • 話しかけやすい雰囲気(これは断言できないけど、自分の場合はそうだったという話)
  • 返信をすると感想を送った側も張り合いがあるかも?
  • 絵にテーマやツッコミどころを持たせる

マシュマロなどの匿名の感想ツールを使う

送る側のシャイガールたちからすると、リプだともし見当違いの感想を伝えて微妙な空気になってしまったら気まずい。褒めたつもりなのに相手の気に障ってしまったら気まずい。でも匿名の感想ツールなら、思い切って感想を伝えても今の関係を壊す心配はない。

マシュマロ、褒めて箱、Web拍手などを使ってみることができる。

「とっくに使ってるよ、それでも感想来ないんだよ」ということもあるかもしれない。

たとえば自分のまわりの絵描きさんたちはこんな工夫をしている。

具体的に「何について聞きたいのか」をはっきりさせる

自分のまわりの絵描きさんたちは、

「敢えていつも使わない色を使って塗り方変えてみた。水の深い感じ出てるかな?」

「○○がよくやるこの表情が好きだから描いてみた、自分では気に入っているけど、どうですか?」

みたいに、見どころを提示している人がけっこう多いなと最近気づいた。

「そんなのわざわざ言いたくない。こっちは絵で十分語ってるんだから、見る人が考えてよ、察してよ」と思う人もいるだろうけど、上に書いてきたようにそれはなかなかの労力だし、創作しない人にとっては難易度が高すぎる。

これは自分がデザインの仕事で経験したことだけど、具体的に何について聞きたいかはっきりさせないと的確なフィードバックがもらえないということが多かった。取引先にラフを提示して「どうですか?」と漠然と聞いても、相手は「どうって言われても……」と戸惑い、こちらは「反応が悪いけど不満なのかな」と戸惑う。

そこそこデキる人でもない限り、「どうですか?」と言われても何を言っていいのか分からない。ノーヒントで的確なフィードバックなんてできない。

そこで先輩からアドバイスをもらって、

「真面目そうなイメージでとのことだったので表情は堅めにしましたが、どうですか?」

「クールさを出すため寒色系でまとめてみましたが、色合いはこれでどうでしょう?」

みたいに、「こういう意図を持って、こういう表現をしました」ということをはっきり伝えるようにしたら、気持ちよくスムーズなやりとりができるようになった。

ビジネスの場でさえそんな感じなのだから、趣味の場で絵だけ見せて意図を察してもらって「上手いですね」以外の感想をくださいというのはちょっと難しいよな……と自分は感じた。

「自分的に見どころはここです!」と提示することで、見た側も感想を言いやすくなるかもしれない。

誰でも参加しやすいテーマで雑談してみる

また、自分のまわりの絵描きさんや字書きさんはマシュマロを感想ツールとしてだけでなく、「原稿作業が煮詰まってきて……音楽に疎い私に、何かおすすめ作業用BGMありますか?」「次のイベントで初大阪なんです! おすすめのおみやげを教えてください!」みたいに気軽な雑談ツールとして使っている。

誰でも、自分の知っていることや得意なことは人に言いたくなる。

気軽に雑談できるようにすることでまずはお互い仲良くなるというか。心の距離を縮めるきっかけになるというか。

シャイで引っ込み思案な私は「何でも一言待ってます!」よりも、雑談のテーマを作ってもらえて、相手が必要としている情報が分かったほうが話しかけやすい。さらに、雑談に便乗して感想を伝えられるのでとてもとてもありがたい。

「雑談のついでに感想を送れよ……?」みたいな念を出しているとだいたい相手には伝わってしまうので、そういうスケベ心ではなく、あくまでも心の距離を縮めるための雑談ということです。

選択肢を選ぶだけのアンケートを作る

Twitterのアンケートを活用する

Twitterのアンケート機能を使うこともできる。

「3点ほどがんばったポイントがあるんだけど、どこがいちばん好きでしたか? もしよかったらリプでもお気軽に教えてください!」

  1. ○ページ△コマ目の誰々の表情
  2. ギャグページのツッコミ3連発
  3. 背景の床の間に活けてある花

とか、

「次の新刊、どっちを出そうかすごく迷ってるんだけど参考までにみなさんが読みたいのはどっちですか? リプでもお気軽にどうぞ」

  1. ほのぼのオールキャラ
  2. ちょっとホラーな異形モノ

みたいな感じでTLに流れてくると、自分はつい回答してしまう。匿名で気軽に参加できるので。

また、こうやって選択肢があると「ああ、あの床の間の作画がやけにすごい絵描きさんか!」(なんだこの例)とすぐ思い出せる。

「みなさんイベントお疲れ様でした。よかったら感想ください!」とだけTLに流れて来ても、たくさん本買ってるしどの本だっけえーとえーと、となってしまうし、全てに感想は送りきれないので。

無料のフォームサービスを利用する

無料サービスを使ってアンケートフォームを作る人もいる。

選択肢を選ぶだけなので負担がない。アンケートフォームに任意の感想欄を設置しておけば、長めに感想を伝えたい人にも書いてもらえるし、ポジティブな選択肢だけにしておけば変に勘繰って落ち込むこともない。

【Googleフォーム】Googleアカウントがなくても回答できる。

Google Forms: オンライン フォーム作成ツール | Google Workspace
Google Forms を使用して、さまざまな質問形式でオンライン フォームやアンケートを作成しましょう。どのデバイスでもリアルタイムで結果を分析できます。

【Tayori】自分はこれを使っている。

アンケートフォーム作成ツール、無料から作成、集計まで簡単にできる | Tayori
アンケートの運用に手間取っているなら、作成から集計まで簡単にできる、無料から使えるアンケートフォーム「Tayori」。「顧客満足度調査」「イベント」など目的別のテンプレートが揃っているので、誰でも簡単にアンケートフォームを作成できます。

話しかけやすい雰囲気って大事なのかな?(これは分かりません)

気軽に感想を伝えやすい相手と、そうでない相手というのはどうしてもあると思う。

個人サイト時代の自分は、自分で言うのもなんだけど気難しくて堅苦しくて、サイトの日記でも何かに対して「いかがなものか」みたいな批判や苦言ばかり書いていた気がする。

今の自分があの頃の自分に感想を送りたいかというと「なにが気に触るか分からないし、面倒くさそうだからあんまり関わりたくないな」と思う。そりゃ誰からも話しかけられなくて当たり前だったかもしれない……自分で言ってて悲しいけど。

絵の上手い下手とか以前に、自分の場合はあの雰囲気が壁を作っていた気がしている。かと言って明るく元気にしなきゃいけないとかではなく。あくまでも自分はそう感じているというだけで、人それぞれなので分かりません。

お返事があることで、送った側としては張り合いを感じた

感想を送る側としては、相手からお返事があるとより嬉しくて張り合いもあると感じた。

「どうか感想ください! 一言でもいいので!」と熱心に言っている絵描きさんに一生懸命感想を書いて送ったけどそのあと一切音沙汰なし、とかだと「一生懸命気持ちを伝えたけど、望む感想じゃなかったのかもな……」と不安になることがある。そのあとTwitterで「あーうざいこと言われた」とか不機嫌そうなつぶやきをしていたりするのを見ると「私のマシュマロが不愉快にさせてしまったのでは……?」と心配になったりもする。誤解かもしれないけど。

また「マシュマロたくさんありがとうございました!」とまとめての返事だと、場合によっては「たくさん来てるならじゃあ私が送らなくてもいいか、私は感想苦手だし」と思ってしまう人もいるかもしれない。

もし自分から「感想をぜひください!」とお願いしたのであれば、また返事が苦にならないくらいのペースであれば、感想にお返事するのもまた楽しみの一つかなと。「感想をもらえると本当に嬉しい」というふうに態度で示してもらえると、自分が送る側だったら送りやすいと感じる。

※いっぱいもらう人は全部に返事するのたいへんなので、そのへんは兼ね合いだと思います。

絵にテーマやツッコミどころを持たせる

あとは、これがいちばん難しいかもしれないけど、誰でも気軽に一言言いたくなるようなテーマやツッコミどころがあることで感想を言いやすいのかも。

感想をもらえることは、とてもありがたい

自分も感想が来ない苦しみを味わっている。とてもしんどかった。感想をもらえることってとてもありがたいことなんだよね……。有難い=まれなこと。

だから、「読んでくれた人が少しでも感想を送りやすいように」というよりは、「もし感想を送りたいなと思ってくれた人がいたとき、その人の気持ちを削がないように」と考えるようにしてみている。

感想を送ってもらいやすくするための工夫を考えてみた
  • 匿名の感想ツールを使う(雑談ツールとして楽しく使う)
  • 選択式のアンケートを使う
  • 話しかけやすい雰囲気(自分の場合)
  • 返信をすると感想を送った側も張り合いがあるかも?
  • 絵にテーマやツッコミどころを持たせる

そして自分は今絵描きさんに感想を送りたい側なので、あまり気負いすぎずカッコつけすぎず、素直に感想を伝えていきたいと思っています。

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