「自分のイラストをプロに添削してほしい。悪いところを直してもっと上手くなりたい!」
「イラストをTwitterにアップしても全然反応をもらえないから、誰かに見てほしい。褒めてほしい。感想がほしい…」
と悩んでいる人向け【満足いくフィードバックを得るには、添削サービスに有償で依頼するのがいちばんいいのではないか。】という記事。
イラストに本気で取り組んでいて「もっと上手くなりたいけど自力では悪いところが分からない。プロについて習いたいけど今のご時世それも難しいよな……」という場合、今はネットでお金を払って添削を依頼できるサービスが増えてきている。
でもせっかくお金を出して添削してもらうのだから、自分の納得のいくアドバイスを得たい。
この記事では、
- ネットで気軽に依頼できるサービス3つ
- 納得・満足のいく添削をしてもらうためのポイント
について、自分も絵を添削してもらった経験があり、添削する側の経験もほんの少しだけあるので、それを踏まえて考えてみた。
添削は"きちんとした相手に有償でお願いする"ほうが安心かも
まずイラストにアドバイスをもらうなら、きちんとした相手から、有償で。というのが経験上いちばん良かったと自分は感じている。
なぜかというと、よく知らない相手(絵描きですらない、何の責任もない)にタダでアドバイスをもらうとなると、逆にモヤモヤだけがつのるリスクがあるからだ。
絵描きの友人にアドバイスを求めた人が、思った以上に刺さることを言われて傷ついてしまってそれ以来ギスギスしている例を、自分はいくつか見たことがある。
Yahoo!知恵袋や巨大掲示板などで不特定多数の匿名にイラストを見せてアドバイスをもらうのも、プロでも何でもない相手に無責任に言われ放題で振り回されるだけでよけい混乱してしまう。
フォロワーさんに対して「イラスト本気で上手くなりたいので悪いところをマシュマロでバンバン言ってください!」みたいにアドバイスを募ったりするのも、なかなか難しいのではないか。
ネットで利用できる添削サービス
Twitter連携で使える『sessa』
気軽に、お安めに添削を受けられると思うのが『sessa』という添削サービス。
Twitterと連携して使えるというのが特徴。イラストレーターや同人作家などいろいろな分野の講師が参加していて、依頼する側で料金を決めて依頼できる。(500円〜)
オンライン講座『パルミー』を受講すると使える添削サービス
お絵かきオンライン講座の『パルミー』では、定期的に添削サービスが実施されている。(有料会員が対象)
添削キャンペーンのほか、マンツーマンでオリジナルのプランを作ってもらって練習できる『パーソナルコーチ』枠、イラストコンテストも不定期開催されている。
パルミーではたくさんの講師が講座を持っているので、相性のいい講師、好きだと思える講師を探しやすいのがメリットなのでは、と思う。
多様な添削サービスがある『ココナラ』
そしてサービス内容が多種多様といった感じの『ココナラ 』。
イラスト・絵画の添削、漫画ネームのアドバイスだけでなく、
「同人誌に付箋感想します」
「とにかくあなたの絵を褒めまくります!」
などのユニークなサービスも出品されている。
「悪いところを直したいから指摘してほしい」というだけではなく、「良いところを伸ばしたいから褒めてほしい」という使い方も、個人的にはありだと思う。
自分は何についてのアドバイスがほしいのか?
添削をお願いするとき「私の絵、どうですか? 何でも言ってください」みたいな依頼のしかただと、ほしいアドバイスをもらいにくい。
そのサービスのシステムにもよるけど、絵を一枚見せて「線画のアドバイスください」「色塗りの添削してください」だけでは自分が欲しかったアドバイスが受けられず、「お金払ったのに何も得るものがなかったじゃないか! 損した!」になってしまう。
自分がどこに引っかかっていてどう直したいのか、例えば……、
「同人誌の漫画原稿のコマ割りが苦手で、流れが悪い気がする。読みやすくなるよう添削してほしい」
「キャラの首から肩にかけて違和感があるけど自分ではどこが悪いのかわからない、指摘してほしい」
「一枚絵の構図・ポーズがぎこちないので、見栄えが良くなるよう添削してほしい」
「下書きから線画に起こすときに自分はこんな感じで線を拾っているんだけど、どうにも仕上がりが不格好になってしまう。アドバイスがほしい」
「色塗りのとき色が濁ってしまう。透明感のある塗り方をアドバイスして欲しい」
「色を塗るといつも絵が古臭くなってしまう。今っぽい塗り方ができるようアドバイスがほしい」
もし添削してほしいポイントがはっきりしているなら(そして先方がピンポイントの質問や添削を受け付けているのであれば)、これくらい絞ってお願いしてもいいのでは、と思う。
※特に『sessa』のような料金システムのサービスでは、ピンポイントでほしいアドバイスだけを依頼するほうがよりリーズナブルに抑えられる。
講師の肩書きだけに頼らず、ピンとくる相手に添削してもらう
ココナラとかだと特に「美大卒」「プロのイラストレーター」みたいな講師(クリエイター)もたくさんいらっしゃるのだけど、あまり肩書きを過信してもお互いにとってよくないのではと感じる。(「私もこの美大に行きたいからOBの方に添削してもらいたい」とかならまた別として)
アドバイスをすんなりと素直に受け取るには、スキルがどうこう以上に相性や好き嫌いが重要だと思うからだ。
美大卒・プロといっても専門は多岐にわたるので、自分の期待通りのアドバイスがもらえるとは限らないわけで、だったら「この人のポートフォリオが好みだ! 絵柄を見るに世代も近そう。アドバイスをもらいたいな」と思える"ピンと来る講師"を選ぶほうが、気持ちが良く、得るものが多いのではないか。
有名美大卒だっていうけどなんかいけすかない上に嫌いな絵柄の講師にされたくもない指摘をされるのと、肩書きは非公開だけど大好きな絵柄でいつも配信を観ている絵描きYouTuberに自分の絵を見てもらうのと、どちらがより素直に受け止められるか、だと思う。
(上手くなれるなら「有名美大卒だっていうけどなんかいけすかない上に嫌いな絵柄の講師にされたくもない指摘をされるのも厭わない」という人もいると思うので、それは個人の気質による)
「添削してほしい」のか? 「褒めてほしい」のか?
最後に、自分は「添削してほしい」のか? それとも「褒めてほしい」のか?
というのはハッキリさせておくといいと思う。
これは自分の経験だけど、「悪いところを遠慮なくバンバン指摘してください! 上手くなりたいんです!」と言うのでがんばって添削すると、どんどん不機嫌になる人がいる。
「悪いところを指摘して欲しい!(悪いところなんか無いですよね? 私のいいところを見つけて褒めて!)」
「上手くなりたいんです!(今のままで十分上手いですって言ってくれるでしょ?)」
みたいな意図なのだとすると、講師のみなさんはエスパーではないのでお互い不幸になってしまう。
また、「悪いところを直さなきゃ……怖いけど、けなされて傷ついても上手くなるためには我慢しなきゃ……」みたいに考えている人もいるのではないかと思う。けど、添削サービスはなにも「絵の悪いところを完膚なきまでに叩きのめしてくるサービス」ではない。もちろん、悪いところをビシビシ言ってほしいというならば、そういう講師に依頼もできるだろうけれど。
絵に正解なんかないんだから「今のままの自分の絵でけっこう満足してるんだ。だから褒めてほしい」という気持ちがあったとして、それはそれでいいと思うのです。
「あなたの絵のいいところを褒めて伸ばします!」「あなたの作品に感想を言います!」というのを売りにしている講師のかたもたくさんいるので、しかるべきクリエイターなり講師に「私のイラストのいいところを褒めてください!」と依頼してみるのもいいかもしれません。