

デフォルメ絵が上手く描けない……どうやってデフォルメしたらいいんだろう?
と悩んでいる人向け、【デフォルメが難しくて上手く描けないと感じたときに自分がやってみた練習方法は①マンガ絵の模写をしてデフォルメのバリエーションを知ってみた②アニメ絵をなぞってデフォルメのパターンをつかんでみた③太い線で描いてみた】という記事。
自分は中学生のとき、美術科受験のためにデッサンを習っていた。インプット量の多い思春期にリアルな絵ばかり練習していたためなのか、その後しばらくデフォルメ絵を描くのが難しく感じられる時期が続いた。
そのときから二次創作、同人活動もしていたのだけど、どうにも絵柄がリアルっぽくて我ながらキモい……というのが悩みだった。
「もっといい感じにデフォルメした絵を描きたい!」と思ってやってみた練習について書きます。
マンガ絵の模写をして、デフォルメのバリエーションを知ってみた
自分は「正しい人体は描けても、その崩し方が分からない」という感じだった。
最初から「自分なりのデフォルメ」なんて無理なのだから、デフォルメされた絵柄を模写しまくって、「この漫画家さんは人体をどんなふうにデフォルメしているのか」を実際に体感してみた。
好きな漫画家以外にも、目に入るものや流行っているものはとりあえず模写して描いてみる、というのを3年ほどしばらくやっていた。

耳ひとつとってみても作家によってデフォルメに違いがあることが分かって興味深いし、「だったら自分はこう描こう」というのが固まってきたりした。
また、なまじっかデッサンは習っていたために、「なるほど、このパーツをこんなふうにデフォルメしているんだな」と分かったのがよかった気がする。
少年マンガだけでなく、BLマンガやアニメーターさんの画集なども模写しまくっていた。
BLマンガでは「きわめて現実寄りだけどちょっとファンタジー入ってるデフォルメ」、アニメーターの画集では「簡略化した人体にリアルな動きをさせることで、存在感のあるリアルなデフォルメ」みたいなことが学べたと感じている。
アニメ絵をなぞって、デフォルメのパターンをつかんでみた
模写をたくさんすることでたくさんの人のデフォルメを追体験したわけだけど、「なるほどなあ」とは思うものの消化しきれていない感覚があった。いっぱいいっぱいというか。
最近『なぞるだけで絵がうまくなる! アニメ私塾式 キャラ作画上達ドリル』という書籍を半ば半信半疑で買って、これが自分にはよかった。
「なぞるだけで上手くなるわけないじゃん……?」と思う人も多いだろうから自分なりにこのタイトルを補完すると、
『なぞるだけなのでプロの絵のデフォルメの感覚を追体験しやすくつかみやすい。だから結果として絵のデフォルメのパターンが増えて、それっぽくうまいっぽく描けるようになる』という感覚だった。
そう、模写をしていると「ああ、耳ってこうデフォルメして描いてるんだな」とか「マンガ絵なら肩幅はこれくらい狭く描いちゃってもバランスいいんだな」みたいなこまかい「気付き」があるのだけど、見ながら描くからどうしてもそっくりに描く作業のほうに気がとられてしまう。「気付き」があっても見逃したり作業の意識に埋もれてしまったりしがちだった。
でも、なぞることで、純粋に「気付き」だけを摂取できる。
自分にとってはそれが何よりよかった。
物理的にデフォルメせざるを得ないように、太い線で描いてみた
自分は似顔絵を描く絵描きだから、「どの線を拾えばいちばん似るか」ということに絵の出来が左右される。
細い線で描くと物理的にどうしてもたくさん描き込めてしまい、自分の場合、ごまかしが発生しがちだった。
どうもうまく似ないな、どうも上手く省略できないな、というときに最近やってみているのは、太い線で描いてみること。


物理的に描き込みを阻止して、線を減らしてデフォルメせざるを得ない状況に持っていく。力技みたいな感じ。
デフォルメのパターンをたくさん見て、取り入れていく
リアルな絵を見て育ってきて、リアルな絵しか描いて来なかった場合、急にデフォルメってできない気がする。
自分がデフォルメが苦手だったのは、そもそもデフォルメの例(アニメや漫画など)を見てきた絶対量が少なくて、特定のデフォルメしか引き出しがなかったから。思春期に、高橋留美子先生と鳥山明先生くらいしか通ってこなかった。
なので意識してもっといろいろなデフォルメのパターンに触れて幅を広げてみた、という話です。
アニメや漫画など他の人の手法でデフォルメされたものをたくさん見て、模写なりして自分の感覚として取り入れて、そこで初めて「自分なりのデフォルメ」というものがうまれるのかもしれない。