母の日に似顔絵をプレゼントしたいけれど、そのあとどう飾ってもらう?

先生「子どもたちに母の日の似顔絵を描かせたいけど、そのあとご家庭で保管したり飾ったりするのに困らせちゃうかな……もっと保管しやすい&飾りやすいようにするにはどうしたらいい?」

と悩んでいる先生たち向け、【似顔絵を保管&飾りやすい工夫を、似顔絵描きの目線で考えてみた】という記事。

幼稚園や児童会など子どもたちに母の日の似顔絵を描かせる立場の人向けに「たとえばこんな工夫もできるのではないか?」と似顔絵描きの立場から考えてみている記事です。

子どもの絵を飾る&保管する負担を減らしたい

保育園や幼稚園で母の日に似顔絵を描いてプレゼントすることって多いけれど、そのあとが困りがち。

自分も小学校に勤務したことがあり、また姪っ子がいたこともあって、「子どもが描いた絵って大事だしうれしいし尊いけど、それはそれとしてどうしよう」という親御さんの葛藤をたくさん目の当たりにしてきた。

とはいえ個人の裁量でどうこうできることも少ないのでどうしようもなかった。ので、この記事は「もしもっと自由が利いたらこういうことを試してみたかったな」というただの自分の構想のようなものです。

また似顔絵描きの仕事をしていたとき、「もらった似顔絵ってうれしいけど飾りにくいし捨てにくいしどうしたらいいですかね」というお客さんからの相談も受けたことがある。

「子どもの絵 保管方法」で検索すると分かるように、世の親御さんたちは写真に撮ったり立体物なら平面に展開したりと、あれこれ工夫してくれている。

たとえば画用紙に描いた絵ならカルトンを買ったり、クリアファイルに入れたり。飾るにもインテリアから浮かないようにわざわざフレームを買ったり。意外と手間もお金もかかってしまう。

せっかくのプレゼントなのだから、もっと気軽にそのまま飾れる形状なら、ご家庭での負担も減るのではないか。と、絵を描く前の段階でできる工夫を考えてみた。

用紙の大きさや形を工夫する

A4以下のサイズなら取り回しやすい

子どもの教材にはA3など大きな画用紙を使いがちなのだけど、A3というのは身の回りにある紙のサイズよりもひとまわり大きい。子どもが家に持って帰るにも、途中で絶対破損するサイズ。今のランドセルはA4が入るので、せめてA4なら折れず曲がらず持って帰ることができる。

どうしてもA3の画用紙を使うのであれば、半分に折ること前提で使うという手もある。(左側に絵を描いて右側には言葉を描くとか、左側に人物を描いて右側に押し花など別の創作物を貼るとか、折り紙などで飛び出す仕掛けをつくるとか。年齢によってできることも変わってくる。)A3だと丸めて持ち帰ることになるけど、A3を半分に折ればA4になるのでランドセルに入る。

もちろんA4サイズなら市販のファイルも手に入りやすく、家庭でも保管しやすい。

※子どもにとっての取り回しのよさを考えるとA4でもまだ大きいように思うけど、年齢が小さいうちは細かい絵が描けないためあまり小さな用紙は好ましくない、と個人的には考える。

正方形の用紙は飾りやすい

A3の横長(あるいは縦長)画用紙をびろーんと貼るのはレイアウトが難しいし、様になりにくい。丸めて持って帰って来たからしわしわで丸まっていて折れている。そんなくたびれた紙をそのまま貼るとどうにも冴えないし雑然と見えてしまうので、わざわざフレームを買って飾る人もいる。

これはお金の面でもなかなかの負担になる。

その点、正方形の用紙というのはそのまま壁面に並べて貼るだけで雑然としにくい。一枚だけ貼ってもいいし、複数枚並べても様になりやすい。

というのは、デザイン科の友人が子どもの絵を正方形にトリミングしてリビングの壁へタイル状に飾っていたのがオシャレだったのだ。つたない子どものタッチでも、正方形にトリミングされているだけで「こういうアートなの?」という雰囲気になっていた。

イメージはファブリックパネルみたいな感じ。

彼女の方法を具体的に書くと、

  1. 子どもの絵を写真に撮る
  2. 正方形にトリミング&必要であれば縮小する(16cm×16cmほどだった)
  3. プリントアウトする
  4. 100均の厚紙やスチレンボードに貼りつけて厚みを出す
  5. 壁に並べてレイアウトする(マステの上に両面テープで簡単に剥がせる貼り方)

ただまあこれもそこそこ手間がかかるし手先の器用さも求められる。

はじめから正方形の用紙で絵を描けば、トリミングなどの手間も省けてそのまま壁に飾りやすい。また、色紙くらいしっかりした用紙ならば立てかけて飾ることもできる。

絵に使う色を工夫する

自分は仕事でウェルカムボードを描いていたこともあるのだけど、「式後も飾りたいです」という要望がたまにあった。そういう場合は色数を抑える工夫をしていた。

絵が雑然として見えるのは色が多いからで、だったら色数を絞ることでシンプルな印象になる。

とはいえモノクロだとさみしいので、「ピンクとグリーンだけで描いてみよう!」とかやってみるとアーティスティックかつまとまりが良くて絵になる作品が誕生したりする。

※ただし子どもたちの絵の良さ=自由なところなので、子どもに適用するにはあまり現実的ではないかも。

デジタルで似顔絵をプレゼントする時代も来るのかも

最近では子どもたち向けのデジタルイラスト教室も増えていて、デジタルのイラストをプレゼントするという選択肢もある。

すでに子どもが画用紙に描いた絵をデジタルで保管する時代なのだから、遅かれ早かれそうなっていきそう。

筆者が知らないだけで、もう母の日の似顔絵をタブレットで描いてお母さんのスマホに送ったりしている学校もあるのかもしれない。

アートは気楽に楽しめないと負担になる

まだまだ一般的に、アートに対して特別感を持ちすぎるきらいがあるように感じている。

子どもの絵を飾るにも「そのまま貼っても雑然とするから、飾るなら額縁を買わなければ」と思ってしまう人が多い。これではお金の面でも負担になって続かない。保護者の方から「どうせ下手でゴミになるんだから、もうよけいな絵を描かせないでほしい」と言われたこともある。

デザイン科の友人のように子どもの絵を安上がりにかっこよく仕上げている人もいるけど、それは彼女が美術系でそういう作業が苦にならない人だからこそできるというのもある。

だったら、子どもが持って帰ってくる絵が「そのままシンプルに壁に貼っても様になる形状」ならばもっと楽だよねという話。

「子どもがせっかく絵を描くのに、飾るときのことまで考えさせなくていい」というのはそれはそうで、だからこそ用紙を工夫することで子どもにも親御さんにもよけいなことを考えずにアートを楽しんでもらえるのではないか。

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