似顔絵を描くと、ちょっとだけその人のことを好きになれるかもしれない

「学校や職場に苦手な人がいてしんどい」

「ワイドショーで騒動を起こしているタレントに対してイライラしちゃう」

とストレスを感じている人向け、【苦手な人がいるとき、似顔絵を描くことでちょっとだけその人のことを好きになれるかもしれない】という仮説を立ててみた記事。

自分がこのブログ用に描いた似顔絵を整理していたら、ワイドショーを騒がせたタレントさんが多かった。その次には当時よく見ていた料理系YouTuberさんや、長年ファンで追いかけてきアイドルなど。

好きな人の似顔絵を描きたくなるというのはわかる。似顔絵ってそういうものじゃない? という気もする。

でもダントツでお騒がせタレントさんを描いたものが多かったので、これってどういう心理だったのだろうと考えてみた記事です。

目に入る頻度が高いと描いてみたくなる

まず言うと、「似顔絵のネタがないからワイドショーで見かけた人を描いた」のではなく、ちゃんと「その人の顔つきに興味が湧いて、描いてみたくなったから」という理由で描いている。

理由として自分が思い当たったのは、単純に、テレビやネットニュースでその人の顔を目にする頻度が高かったため。

何度も何度も繰り返し顔を見ていると、「あ、この人って笑うとき口の片端が上がるクセがあるんだな」「昔と比べて目元が垂れて、雰囲気が変わったな」みたいな発見がある。

自分は中学の頃から似顔絵を描くのが好きで、「人の顔立ちに興味があり→特徴を無意識に探して→見つけたら描いてみたくなる」という思考になっているんだと思う。

実際、中学のときにはクラスメイトよりも先生の似顔絵を描いていた。授業のあいだずっと先生の顔を見ていることになるからだろう。

親しみを抱くために描く

中学のときにどんな先生の似顔絵を描いていたかというと、ちょっととっつきにくい年配の男性の先生が多かった。

今思えばもっと描きやすい顔の先生もいたし、「あら、私を描いてくれたの〜?」とか乗ってくれそうなノリのいい先生もたくさんいた。

どうしてとっつきにくくて少し苦手なおじいちゃん先生ばかりをこっそりと誰に見せることなく描いていたのか。

もしかしたら、相手に親しみを感じるために描いていたのかもしれない、と思うのだ。

私は臆病な性格で、物おじせず誰とでも仲良くなれるタイプではない。その人のことをじっくり知って、どうやら大丈夫そうだなとある程度の確証を得てからやっと心を開くことができる。

じっくりと観察して似顔絵を描いてみることで、自分の中でその人に対する親しみを持ちたかったのではないか。

結局、最後まで先生本人には私の似顔絵は知られることはなかったし、仲良くなったとかでもない。なにか利益があったかというとまったくない。

ただ、クラスメイトの一人が「変な絵! でも似てるね」と笑ってくれて打ち解けることができ、私が似顔絵を描き続けるきっかけになった。

嫌いになりたくないから描いてみるのかもしれない

それを踏まえて考えてみると、私がお騒がせタレントさんの似顔絵を描くのは「親しみを持ちたい」「嫌いになりたくない」からなのではないかな、と思い至った。

テレビやネットニュースで批判の的になっていると、見る人のほとんどが「こいつは悪いやつだ」という印象を持ってしまいがち。写真のチョイスにも悪意が見えたりするし。

もちろん私もテレビやネットニュースの印象に左右されて、「へーそうなんだ、あのタレントさんイヤな感じ!」とか思うこともある。

しかし、誰かを嫌うのってエネルギーを使う。年をとるごと、誰かに対して「イヤな感じ!」と思うのがしんどくなってきた。

ほんの少しだけ親しみを持つことで、それが避けられるということに気づいたのだ。

嫌いになる前に似顔絵を描くことで、嫌いにならなくて済む。嫌いになってから描くのはしんどいので、嫌いになる前に描く。

これはかなり、無駄なエネルギーの節約になっている気がする。

狩野英孝さんを描いたときの話

このブログのいちばん初めに描いてみたのが、狩野英孝さんの似顔絵だった。

隠れているいいところを見つけて伝えるために似顔絵を描いていきたい
「似顔絵ってどう描けば似せられるの?」という人向け、【技術はもちろん必要だろうけど、自分はその人の良いところを見つけて伝えるつもりで似顔絵を描いている気がします。そのために①たくさんの資料を見る②写真だけではなく動画もたくさん見る③どんな人なのかを考えながら見る】という記事。

たしか何かワイドショーで騒がれていた頃で、今となってはどんな騒動だったかも覚えていないのだけど、たぶんそのとき私は「このままでは嫌いになってしまう」と感じて似顔絵を描いてみた記憶がある。

資料としてYouTubeの公式チャンネルに上がっている心霊系動画をいくつか観たのだけど、

「リアクションをとるとき相手の目線に合わせて腰の位置を低くしているんだな」とか「腕を組んだり口元を隠すのはシャイで臆病なところがあるのかも」などの発見があり、見れば見るほど気の良い人なんだなと感じた。

顔立ちについても「僕イケメン」のネタの頃はホストキャラもあってすかした雰囲気だと感じていたけど、ネタ以外のときを知ってみると素朴であけすけな気の良い青年なんだな、と印象が変化した。

ちょっと相手のことを知るだけで印象が変わったり、親しみを持てるようになったりする。

今となっては、人を嫌いにならない方法を私に教えてくれたすごい人です。

※もちろん知れば知るほど嫌いになる人というのもいるので、十分知った上で嫌いならそれはもうしかたない。

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