絵で嫉妬してつらい人がやってみるべきこと、やってはいけないこと

「絵が上手い人に嫉妬してつらい」

「あいつより自分の方が上手いのに評価されない」

「あの人、私より年下なのにあんなに絵が上手い」

手塚治虫ですら、藤子不二雄や石ノ森章太郎、大友克洋ら自分より若い才能に嫉妬しまくったという。

マンガの神様でさえ苦しんだくらいなのだから、嫉妬とは一生うまく付き合う覚悟を持たねばならない。

そのための方法をまとめている。

画力底上げのために「行動」をしてみる

もっとも建設的なのが、自分の画力を底上げするために「行動」すること。

「その画力が上げられないから嫉妬してるんじゃん」と思うかもしれないけど、大切なのは「画力を上げること」より「画力を上げるための行動をすること」なのだ。

人は、「行動」をすることでネガティブな思考が止まりやすくなる。

おすすめの「行動」を以下に挙げてみる。

美術解剖学の書籍を読む

いちばん安上がりなのが、美術解剖学の書籍を読むこと。

人体を描くにあたり、骨格と筋肉を知れば知るほど有利になる。

例えば、人の体は「腕を下ろしたとき、肘はヘソの高さ」とか「乳首の位置は頭ひとつ分下」とか、「鎖骨は肩の骨につながっている」とか、すべての人類に共通する決まり事があるのだ。

私が参考にしていたのはご存知、A・ルーミスのこれ。

古くから(1976年)支持を集め続けている有名な書籍だ。

なんとなくとっつきにくい表紙だけど、「へえ〜!」なことがいっぱいでスルッと読める。

読みながら「今覚えたことを今すぐ描いてみたい!」とうずうずしてくるような書籍だ。

ルーミスが気に入ったら、顔と手に特化したこちらもおすすめ。

pixivなんかでも「◯◯講座」「手の描き方」みたいな投稿はたくさんあるんだけど、どうしても玉石混交。

基本を知らない状態で間違った講座を見まくってしまうと、却って混乱してしまう。

それならまずは古い書籍(改訂が繰り返されて情報の正確性が高い)の一冊二冊をじっくり読むほうが、結局は近道になると思う。

デッサン会やクロッキー会に参加する

SNSでもデッサン会やクロッキー会の告知を見かける。

実際にモデルを呼んでくれるし、イラストレーターやアニメーターが指導してくれたりするデッサン会もある。

「行きたいのは山々だけど、お金が無いから……」「田舎だからそんなのやってないし……」という人もいるかもしれない。

でも「やってみたい」とさえ思えば、参加費千円くらいからの会もあるし、地方の「生涯学習センター」的なところでも開催されている。

講師はイラストレーターだったり美大を出て副業で絵を教えている人だったりいろいろ。

デッサン会に参加するというのはけっこう大きな「行動」なので、実際に画力が上がるというメリット以外にも「前に進んでいる感」「充実感」を得られるのも大きい。

実際に行動することで「自分は適切なやり方で前へ進むことができている」という自信から心が安定し、むやみに嫉妬に振り回されなくなるのだ。

画力底上げのためにやってはいけないこと

「我流」を貫いてもメリット無し

画力を底上げするためにいちばんやってはいけないのが「我流で何度も描く」ということ。

「毎日必ず描く!」とか「1日に何枚以上描く!」とかやっても我流では何の意味もないし、時間と鉛筆の芯の無駄になる。

さらに、「こんなに時間を費やしているのに上手くならない……やっぱり自分は才能がないんだ」と無駄にダメージを受けるので、無駄どころかマイナスにしかならない。

「絵は独学です」なんて人もたくさんいるけど、「独学」と「我流」は全く別物。

美大や専門学校に行かず、書籍やデッサン会で独自に学ぶのが「独学」であり、むやみやたらに書き散らすだけなのはただの「我流」にすぎない。

「他のSNSなら評価されるかも……」も悪あがき

また、「Twitterやpixivだと上手い人が多すぎるから、別のお絵描き交流SNSに行けばいいのでは」というのもつい思ってしまいがち。

確かに母数の大きいTwitterは上手い人がたくさんいて苦しいけど、母数の少ないSNSでも自分より上手い人はたくさんいるので同じこと。

よしんば新天地でいいねをもらったとしても、「きっとここの人が優しいからだろう。だって私はTwitterでは全然だめだったんだから……」と過去を振り返ってダメージを受ける。

また新しいSNSを始める労力や、そこで思うような成果が挙げられずがっかりすることを考えると、さらにダメージを受ける可能性のほうが高い。

「上手い絵」から「いいねをもらえる絵」にシフトしてみる

中には、絵の上手さに嫉妬しているのではなく、「いいね」の多さに嫉妬してしまっているケースもある。

自分の本当の嫉妬の原因を突き止めたいなら、こちらの記事も参考になるかも。

単に「いいね」がほしいのであれば、「いいね」をもらいやすい絵を描けばいい。

「だからー、いいねをもらいやすい絵って上手い絵ってことでしょ?」と思うかもしれないけど、実は違う。

SNSでは、上手い絵ではなく共感を得やすい絵にいいねが集まる傾向がある。

そっちを求めてみるのも方法の一つだ。

実際、画力が無くてもSNSで話題を集めて書籍化されたり、イラストレーターとして活躍を始めたりする人もたくさんいる。

書籍を読んだりデッサン会に通って努力して画力を上げなくても、「いいね」さえ増えればいいんだ、と思ったって全然いいのだ。

いったん絵を諦めてみる・お休みしてみる

これは自分もそうだったのだけど、何度か絵を描くのをやめている。

上手い人への嫉妬に苦しんで「もう絵を描くのやーめた! もう一生描かないぞ! ハーせいせいした! ざまーみろ!(?)」と道具も全部捨て、趣味の旅行ざんまいを楽しんでいた時期がある。

ところが旅行先で知り合ったデザイン関係の人をきっかけに、デザインの仕事を経験することになった。

しかし私が棚ぼた的にでもデザインの仕事を引き受けられたのは、今まで苦しんで絵を描いてきた過去があったからだし、「いつか絵の仕事をするんだ」とIllustratorやPhotoshopの使い方を学んでいたから。

絵に限らず「自分でできることはやり尽くし、あとは巡り合わせを待つだけ」というときもある。人生ってやつは。

SNSで愚痴って思考を停止させてみる

「はあ、絵が下手な自分つらい……」「才能がないから仕方ない」と愚痴って思考を停止させ、それで嫉妬をごまかしちゃうこともできる。

「がんばってるのに報われないかわいそうな自分」に浸っていれば努力もしなくてすむし。

一時的にそういう時期もあっていいと思うし、誰しもそんな経験あるんじゃないか。

手塚治虫だって若い漫画家に嫉妬して、目の前で原稿をビリビリに破いて「こんなの全然ダメ」と暴言を吐き、数日間ふさぎこんだ、なんてエピソードもある。

飽きるまで塞ぎ込んでみてもいいのかもしれない。

ただ、そこから抜け出さずいつまでも愚痴っているだけなのは、「かわいそうな自分」に浸るのが好きなだけの人、になってしまう。

行動するかしないか、どちらでもいい

「下手でつらい……」とSNSでずっと愚痴っていてもいいし、「デッサン会ってなんか怖いから行く勇気が出ない」と言って行かなくても別にいい。

誰に強制されているでもなし、「嫉妬しちゃってつらいな!」と思ったら絵なんかやめちゃってもいい。

でも「あれはできない、これは嫌、でも絵が上手い人羨ましい……絵が上手くなりたい……」と言っているだけでは堂々めぐりで、自分が暗い気持ちになるだけ。

いずれ「どうせ私は何も努力できないし……絵だってダメだったし……」と、絵以外にもネガティブが派生して、人生そのものが後ろ向きになってしまう。

どうしても腰が重ければ、「これならやってみたい」「これならできる」と思える方法でまずは行動してみることで、自信やモチベーションも後からついてくる。

嫉妬してつらいときは、「私、目標のために少しずつがんばれてるぞ〜!」という気持ちがいちばんの特効薬なのだ。

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