写してなぞって描くトレース練習。やり方によってはメリットたくさん

「絵の練習で、トレースする(お手本をなぞって写す)のって効果あるの?」

という人向け、【トレースはやり方によっては効果があるよ!】ということについて。

「絵の練習でトレースする(お手本をなぞって写す)なんて意味ない」「オリジナルが描けなくなるから、トレースなんて絶対やっちゃダメだ」と言う人もいる。

トレースに故郷の村を焼かれたのかよってくらい、トレースを忌み嫌う人もいる。(トレパクと混同している人もいるのかもしれない。)

それくらいトレースって、なんかズルくてやっちゃダメなイメージがある。

けどトレースは、やり方によってはさまざまな効果があるし、それでオリジナルが描けなくなるなんてこともない。

この記事では、【練習のためのトレースの効果的なやり方】についてまとめている。

絵の練習として効果があるトレースのやり方

自分がトレース練習をやっていたのは初心者6年目くらいの頃だけど、今でもごくたまにやっている。

「いやー、今ではもうそこそこ書けるようになってるしな〜」と思ってトレース練習をすると、いまだに新しい発見があったりして楽しい。

トレース練習で使う道具

使う道具は、

  • コピー用紙
  • クリップ(お手本を固定する用に、使いたければ。)
  • シャーペンと消しゴム
  • 写したい好きな作品の絵

自分はトレース台も使わない。(眩しいし熱いので。)

トレースするならトレーシングペーパーを買わなきゃ! と思うかもしれないけど、自分はコピー用紙でじゅうぶん使えている。

トレース練習に使うなら"ある程度薄くて写しやすく、白色度が低くて作業してても眩しくなく(重要)、安いもの"ということで、自分は条件に合うKOKUYOのコピー用紙をよく使っていた。

(そこそこしっかりした紙なので微妙な色合いや細いラインは難しいけど、くっきりした線画くらいならじゅうぶんトレースできると思う。)

たっぷり500枚で600円ちょいなので、普段のお絵描きにも浴びるように使える。

500枚もいらないよ、って言う人は、『紙屋の丸楽(楽天店)』の100枚×2もおすすめ。

白色度はそれほど高くなく、一般的なコピー用紙という感じでイラストの練習にも十分な描き心地。

メール便で届くのもいい。

たかだか気軽なトレース練習のためにトレーシングペーパーをわざわざ買うまでもないし、大きな理由は後述する。

デジタルの人はコピー用紙ではなく、使っているお絵描きソフトでやってもいい。(お手本をカメラで取り込むなどして、レイヤーを上に重ねて写せば簡単にトレース練習ができる。)

※念のため書いておくけど、トレースしたものをネットにアップしてはダメ。自分の作品のように言うのもダメ。

トレース練習のポイント

で、いきなりトレースをするわけではない。

まずはお手本を並べて置いて、自分なりに見ながら模写してみる。

そのあとで、自分が模写したその絵の隣に、トレースをしてみる。

そうすると、ただトレースするよりだんぜん効果があるのが分かると思う。

トレース練習をメインでするんじゃなく、模写のついでにおまけでやるって感じ。

自分がどこを捉えられていないか分かる

見ながら模写したときにそこそこちゃんと描けた、と思った部分でも、いざトレースしてみると「ここが捉えられてなかったな」という部分が出てくる。

何度もいろいろなものをトレース練習していくことで、自分の弱点や癖が見えてくるのだ。

「私ってどんな模写のときも目をくっつけすぎて描いちゃう癖があるな」とか「いつも後頭部の丸みが意識できてない。お手本をよく見れてないんだな」とか。

ただ模写しているだけでも気付く人もいるんだろうけど、自分はそこまで感覚が鋭い自信がないので、模写とトレースを並べてみることにしている。

(※このために、自分はトレーシングペーパーではなくコピー用紙を使う。)

模写とトレースをするだけじゃなく、並べて改めて見比べるとより分かりやすい。

※ここで大事なのは、「自分の絵を否定してお手本に近づけろ」ということではない。

あくまでもトレースというのは"お手本を観察し、見たとおりに再現する練習"として行うだけ。

プロ(お手本)の感覚と自分の感覚の違いが分かる

ベテラン漫画家などの絵をトレースするのも発見があって楽しい。

「マンガ的な表現だと、これくらい肩幅狭く描いてもちょうどいいんだな」「輪郭の線はこんなに太く強く描いてるのかー」とか、ばくぜんと見ていたときには気づかない、細かいプロの感覚が伝わってくるはず。

模写って、慣れない人にとってはかなりエネルギーを使う作業で「それだけでもう疲れちゃう」という人も多いし、小慣れてきたらきたで雑になり、きちんと観察しなくなる。(経験上)

だったらいっそトレースするほうが、効率よく目の前のお手本に集中できるのだ。

一息できれいな線を描く練習になる

初心者の頃ってどうしても線が多くなりがちで、シャシャシャッと何度も描いて太くして、死んだ線を作ってしまう。

トレースで一息でなぞることで、勢いを殺さず、生き生きとした線を描く感覚を体で知ることができる。

自分で自分の絵を描くときってどうしても、描くのにいっぱいいっぱいで"線のきれいさ"どころじゃなくなる。

その点、トレース練習なら線だけにしっかり意識が配れるのだ。

「自分でも絵が描けた」という喜びを感じられる

これは本当の初心者の場合だけど、トレース練習をすることで「自分にも絵が描けた!」という喜びを感じることができる。

自分の小1の姪はお絵描きに興味なくて「私には絶対絵なんて描けない、図工苦手だもん、できない、無理」と言っていたんだけど、私が描いた絵をトレースさせてみたら「あれ? 絵、苦手じゃないかもしれない!?!?」とテンション爆上がり。

コンプレックスも霧散してしまい、それからは臆せず自分でも描くようになった。

絵を描く喜びを感じて、それが興味につながり、モチベーションが上がることもある。

絵に苦手意識が強い人にも、入り口としておすすめしたい。

※たぶんこの爆発的な喜びのまま、ついトレースをネットにアップしちゃう人もいるのかなあと思う。

お手本の作品の著作権を侵害するから、アップしてはダメです。

トレース練習の発展編で、色を塗ってみる

トレース練習の効果を存分に感じたら、お手本を参考に色も塗っていくのもおすすめ。

自分で自分の絵を描くときは、1日一枚描くだけでも線画だけでめいっぱいで、色塗りまでいかないこともあるんじゃないだろうか。

自分の場合、「自分で描いたこんな下手な絵だと色塗る気にならないよ……」なんてことも多かった。

その点、トレース練習でできた線画なら、ぬりえ感覚で、たのしく、気軽に練習台にできる。かなり楽しい。

(※これも、トレーシングペーパーではなくコピー用紙を使う理由。)

「色塗りはデジタルでやる」という人が多いと思うので、カメラで線画を取り込んでもいい。

お手本を見ながら「こんな色使ってるのか」とか「こうやって塗ってるのかな?」とまずは自分で試行錯誤してやってみて、疑問点が出てきたところで参考書籍を読んだりしていく。

クリップスタジオを使っているならクリップスタジオに特化した解説本が豊富に出版されているので、色塗りと同時にクリスタの使い方も学べる。

男の子バージョンも。

どんな練習もやり方次第で無駄にならない

トレースも、やり方によっては多くのメリットがある。

ただ、"写して描いて上手くなった気になって満足する"だけでは、上達にはつながらない。

トレースはダメだよ派の人たちは、そういう写して描いてドヤるだけの人に「そんな練習方法では意味がないよ!」と言ってくれているんだと思う。

あと、トレースした絵にテンションブチ上がってネットにアップするのはダメだよ、ということは、しつこく書いておきたい。

トレースは必ずバレます。

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