かわいい赤ちゃんの似顔絵を描きたいのに、小顔のおっさんみたいになってしまう……! どこに気をつけたら赤ちゃんっぽい顔になるのかな?
という人向け、【赤ちゃんの似顔絵を描くコツは①骨格の違いを知る②ほっぺを描く③髪と眉を淡い色にする④目を大きく描きすぎない】という記事。
子どもや赤ちゃんを描くときって、なんとなく「目を大きく、丸顔に描けば可愛くなるはず……」みたいな意識があるかもしれない。でもそこにとらわれすぎると不自然な顔になってしまうし、似顔絵だと似なくなったりする。
赤ちゃんらしく、子どもらしく、しかも似せて描くためには、どんなコツがあるのか。赤ちゃんの頃から芸能活動をしている鈴木福くんを作例として描きながら考えてみた。
まずは、骨格が全然違うということを知っておく
ネットなどで赤ちゃんや子どもを描いた絵を見て「どこがとは言えないけど、なんとなく不自然なんだよな……」と感じることってあるのではないだろうか。
たいていの場合、その違和感は骨格をつかめていないせいだと思う。大人と子どもは骨格が全然違うので、大人の骨格で子どもを描いたら当たり前だけど不自然になる。
赤ちゃん、子ども(5歳児)、成人の骨格はこんな感じ。
赤ちゃんの骨格はまだアゴがほとんどなくて、当然エラもない。頭蓋骨はほぼ球体。
そこからだんだんアゴが発達していき、少しずつ顔が長くなる。(球体からアゴが生えて下に伸びていくイメージ)
成人する頃にはアゴが十分に発達して、エラもできる。このときアゴがあまり伸びずに骨の成長が止まると、いわゆる丸顔、童顔になる。
赤ちゃんの特徴を意識して、鈴木福くん(赤ちゃん時代)を描いてみる
赤ちゃんの特徴を意識して、赤ちゃん時代の鈴木福くんを描いてみる。
まだアゴが発達していないので、しもぶくれっぽい四角いシルエット
シルエットとしては、まだほぼ球体の頭蓋骨にほっぺがついた感じ。
小さい小さい頭蓋骨に、いたいけなほっぺの脂肪がつくと、どうしても横に余る。だから丸顔は丸顔だけど、まんまるにはならない。
しもぶくれっぽい四角い感じに描くことで、赤ちゃんっぽく見える。
髪やまゆげの柔らかさを、実物より淡い色で表現する
「赤ちゃんは髪やまゆげがまだ細くて柔らかいので……」と言うと「いやうちの子はまゆげも髪も真っ黒で濃いしフッサフサだから!」とおっしゃる親御さんもいるのだけど、いくら濃くてフッサフサに見えてもやっぱり赤ちゃんの毛質は細くて柔らかい。
それを絵で表現するためには、実物よりも淡い色を使うというコツがある。
線だけで柔らかさを表現するのは手練れの絵描きでもなかなか難しいことなので、実際よりも淡い色で塗るようにすると「細さ」や「柔らかさ」が表現できる。というような方法が、定石としてある。
たとえ真っ黒に見えても、見えた通りに赤ちゃんの髪やまゆげを真っ黒でグイグイしっかり描いてしまうと、どうしても小顔のおっさんぽくなってしまうのです……。
小さい面積におっさんぽい顔がついていると、都市伝説に出てくる「小さいおっさん」みたいな、なんとも不気味な感じになってしまう。
目を必要以上に大きく描かない
あと、どうしても「赤ちゃんは目が大きくてかわいい」というイメージがあって、つい目を大きく描きたくなってしまう。自分では可愛く描けたと思っても他人が見たらギョッとする、みたいなことも起こりがち。
実は赤ちゃんの黒目は大人と同じ大きさで、顔が小さい分大きく見えているだけ。ということを頭に入れて、かつ頭蓋骨の構造を押さえておくと、異様なデカ目にならずに済む。
子どもの特徴を意識して、鈴木福くん(子ども時代)を描いてみる
赤ちゃんから成長すると骨格もぐんぐん変わってきて、でもまだ大人の顔とは違う子ども時代。
子どもの顔の特徴を意識して、子役時代の福くんを描いてみる。
子どもは思ったより丸顔ではない
赤ちゃんよりはだいぶアゴが発達して、ぐんと顔が長くなる。子どもは丸顔、みたいなイメージがあるけれど、描いてみると思っているほど丸顔ではない。
赤ちゃん時代と描き比べると実感するけど、パーツもかなり大人の配置に近い。
赤ちゃんの頃のあのぷくぷくほっぺも、アゴの発達によって引き伸ばされていく。四角いしもぶくれだったシルエットから、しもぶくれ感を多少残したふっくらした少年ほっぺになる。
黒目を大きく描きすぎない
そして黒目の大きさは大人と同じなので、やっぱり大きく描きすぎない。
どこで子どもらしさを出すか
骨格も大きくなるし黒目の大きさも大人と一緒だし、ではどこで子どもらしさを出すかと言うと、
- 鼻の低さ(鼻筋を描かない)
- しもぶくれ感(アゴやエラはまだ未発達なので)
- まゆげと目の間隔が広め(まぶたの脂肪が多いので)
- パーツの小造り感(描き込みすぎると老けて見える。特に唇)
自分はこんなところを意識している。
どんな世代の人間を描くにもだいたいの骨格を知っておくことで、ああだこうだと戸惑わずに済むようになった。「それっぽく」、スムーズに描けるので、より楽しい。
興味があるようであれば、美術解剖学を知ってみると楽しいです。