「女性の似顔絵を描くのが苦手で、一生懸命見ながら描いてもあんまり似ないんだよな……」
と悩んでいる人向け【女性はメイクで本来の顔立ちがつかみにくいため、ナチュラルメイクの女性や髪型で顔の輪郭が隠れていない女性から描いてみるとよさそう】という記事。
自分は似顔絵を描く仕事をしていたことがあるのだけど、男性よりも女性のほうが似せにくいことが多かった。
たぶんだけど、女性はメイクによって本来の顔立ちから理想的な顔立ちに近づけているからかも……と思い至った。たとえば離れ目ぎみの女性だったら寄せてみせるメイクとか、鼻が低かったら鼻すじを強調するメイクとか。
そうすると本人の特徴が紛れてしまって、個性をつかんで似せることが難しくなる。
素顔に近い女性なら似せやすいのではないか? と思ったので
だったら、素顔に近い女性なら描きやすく似せやすいのではないか。
素顔と言ってもナチュラルメイクとはまた違って、ここで言う「ナチュラル」とは素の顔立ちがメイクで調整されていなくて、髪などで輪郭や額も隠れていないこと。
この条件でパッと思い浮かんだので、広末涼子さんを描いてみる。
特徴を探しながら形をとってみる
広末涼子さんは高校生のデビュー当時からCMでもたくさん見ているので、素顔に近い顔のイメージが強く、それも描きやすさの理由かもしれない。
線を拾う
前から見たとき小鼻が見えない鼻、目は鳥山明先生の描く女の子みたいなカマボコアーチ。目と眉は平行ではなく、眉は上がりぎみで目は下がりぎみ。いつも口角が上がっていてちょっとびっくり顔なのが特徴かなという気がした。
似顔絵を描くがわにとっては、額や眉毛が見えていることで骨格がつかみやすいのもありがたい。
色をつけて完成
いちばん広末涼子さんのイメージの強いショートの髪型にして、これまたよくしているイメージの強い手のポーズを採用。瞳の色は薄い印象があるのでそのように。
意外と特徴も多くてかなり描きやすく、女性を描くのが不得手な自分もあまり試行錯誤せずに短時間で仕上げられました。
鍵は「おでこを出している人」かもしれない
いろいろな女性を描いてきた中でいちばん描きやすかった。なぜかと考えてみたところ、
- おでこを出していて特徴的な眉毛がしっかり見えるから
- おでこの広さと顔のバランスが分かりやすかったから
というのが大きかったように思う。
目とか口元と並んで、眉毛もその人の特徴や表情が強く出る。また、眉から額にかけてはその人の頭蓋骨の素の形があらわれる部分であり、顔のバランスが分かる部分でもあり、唯一メイクではどうにもできないその人の個性でもある。
前髪をしっかり下ろしている人の場合、そこの大事な個性の部分が丸ごとすっぽり隠れてしまうので「理由は分からないけどなぜか描きにくい、つかみにくい、似せにくい」となってしまうのではないか。
額なんて目や口がついているわけでもなし、さして似顔絵を描くにあたって影響ない気がするのだけど、ここが隠れているだけで難易度が上がってしまうのではないか。少なくとも自分はかなり難しさが左右されるように感じた。
似顔絵を描いていてどうしても似ない場合は、おでこを出した髪型の人を描いてみると似せやすいのかも? (同じ人を描くのでも、おでこが出ているときの画像なりを見て描いてみるなど)
という仮説が立ったので、自分用に書き残しておいてみる。
もしこの仮説が正しければ「センター分けが似合うのは真のイケメン」という格言(?)の裏付けにもなるのかもしれない。