
「なんでこんなにイラストの"いいね"の数が気になってしまうんだろう? 承認欲求が強すぎてつらいから"いいね"の数を気にしない方法ってないのかな?」
という人向け【自分の承認欲求を意識して減らしていく方法】について。
人には誰でも【承認欲求】というものがあるし、絵を描いているとよけいに「たくさんの人に見てもらいたい・認められたい」という気持ちを意識することも多いんじゃないだろうか。
中には自分の承認欲求をもてあまして、つらくなってしまっている人もいるかもしれない。
「認められたい」
「そのためには絵が上手くなりたい」
「でも思うように上手くならない」
という感じで焦ったり、「自分が絵を描く意味なんかない」とか「どうせ生まれつき才能もセンスもないんだ」とか、自分を否定する方向に行ってしまったり。
その、諸悪の根源である承認欲求を減らしていくコツを、【アドラー心理学】の考え方をもとに試してみようよ、そしてちょっとずつ楽になろうよ、という記事です。
【絵を描く】いいねの数が気になる人向け、承認欲求の減らしかた。
近年また注目を浴びている【アドラー心理学】は、劣等感を感じてしまうしくみとその解決方法が示されている。
SNSが主流になってきて劣等感や承認欲求を強く感じやすい時代だからこそ、アドラーが注目を浴びているのかもしれない。
この記事でも、アドラー心理学の考え方をもとに、絵を描く人の承認欲求を和らげるコツを書いていく。
承認欲求に振り回されてしまうしくみとは
私たちは小さい頃から、良いことをすると褒められて、悪いことをすると叱られて育ってきた。
【賞罰教育】というやつだ。
当たり前じゃん? って感じだけど、これこそがダメなんだとアドラーは言っている。
だって、良いことをして褒められたら、また褒められたくて良いことをする。
褒められるために良いことをする、褒めてもらえないならしない、そういう人間になってしまうってこと。
つまり、承認欲求のためだけに生きる人間になってしまう。
絵描きでいうと、いいねのために絵を描く、いいねがつかないなら絵なんか描く意味がない……みたいな。
承認欲求が強い人って一見「あー、今まで褒められてこなかったから承認欲求強くなっちゃってんだな。インナーチャイルドが認めて欲しくて泣いてんだな」と見えがちだけど(そういう人もいるけど)、実は小さい頃からさんざん褒められて育ってきた人ほど承認欲求に振り回されやすい傾向があるのだ。
対処法としてはただ一つ、気付くこと。
"そっか、賞罰教育を受けてきたから私は、褒められたい・認められたいと思ってしまうんだな"
「いやいやそんなことない! 褒められたいとか認められたいとかそんなこと思ったことないよ!! 絶対ない!!」と強く否定を感じた人ほど、気持ちにフタをしているかもしれない。
※「いや絶対ない、認められたいとか感じたことない、この記事まちがってる!」と感じた人はこの先は読まなくても大丈夫です。
褒められて育ってきたものを今さらなかったことにはできないから、脈々と培われてきてしまった承認欲求を一瞬で消すことはできない。
けれど、自分の中にそういうものがそういう経緯で培われてきてしまったんだな、と気づき、理解することで少しずつ承認欲求は薄れさせることができる。
自分の場合は気づいてから10年くらいになるけど、だいぶ楽になってきた。でもたまに人生の調子が悪いときにぶり返す。
そのたびに冷静に「ああ、人生の調子が悪いから今ぶり返してるな」と受け止めることでやりすごす。
承認欲求はなかなか消すことはできない、たぶん一生つきまとうものだから、飼い慣らすしかない。
「褒められるために描く」をやめてみる
「私は賞罰教育によって、褒められるために何かする人間に育ってきたんだな」と気づいたら、とりあえず"褒められるために絵を描く"のをやめてみる。
例えば、人気のあるキャラ描くと反応がいいから描いてきたけど、ノー反応覚悟で自分の本当に描きたいキャラを描いてみるとか。
「厚塗りするといいねが増えるからと思ってやってきたけど、本当はアニメ塗りが好きなんだよね……」というなら、好きな塗り方に変えてみるとか。
「手のポーズをつけるとウケがいいから」と思って描きたくもないポーズをがんばって描いてきた人はやめてみるとか。
人目を気にしてがんばっていた部分を見つけて、やめてみる。
そして「あーやっぱり反応薄いよね、まあこんなもんか」と受け止めてみる。
でも、人の反応を気にせず自分の気持ちのままにやってみることで、心にパカーッと風穴が開くような、今までにない心地よさを感じられるんじゃないかと思う。
一回これを味わうとだんだんこっちの方が気持ち良くなってきて、承認欲求が少しずつ薄れていくはず。
承認欲求を吹き飛ばす最強のものは、【お金】です。
あと私はつねづね、「褒められたい」以外の目的を持って絵を描くのを強くおすすめしている。
それはお金。
「褒められたいから絵を描く」のではなく、「対価のために絵を描く」にすり替えていくのだ。
これはよっぽど健全だし、承認欲求から抜け出すためにとても効果がある。
自分の絵に正当な対価が払われることで、「褒められたい」とか「認めてほしい」とかおこちゃまみたいな考えはどこかに吹っ飛んでしまう。
今は【ココナラ】とか【SKIMA】みたいなサービスを使えば、コネも経験もなくても"絵を描いてお金をもらう"という体験ができる。
それでもハードルが高いなら、知り合いにTwitterのアイコンを描いて対価に図書カード1000円分を受け取る、とかでもいい。
機会を見つけて、ぜひ、騙されたと思ってやってみてほしい。
アドラー心理学はサラッと学ぶだけでもかなり気持ちが楽になるので、興味がある人はご一読をおすすめします。