「絵を描くのをお休みするのが怖い…」心理学的な理由と整理のつけ方

「絵を描くのに疲れてしまって"それならちょっと休んでみれば?"と言われたんだけど、絵を描くのを休むのが怖い。自分の価値がなくなってしまう気がする……」

というお悩みを持っている人向け【休むのが怖い心理学的な理由と、心の整理のつけ方のヒント】について。

絵を描くのがしんどい、つらい、という場合、少し休んでインプットなり他の趣味を楽しむなりするのが最も効果的なんだけど、"休むのが怖い"と感じてしまう人も少なくない。

「休んだら下手になっちゃうんじゃないか」

「まわりの子がどんどん上手くなって私だけ取り残されるんじゃないか」

「フォロワーに忘れられちゃうんじゃないか」

小学校のときとか、しばらく休むと教室の空気が変わっている気がして怖かったよね。絵を描くのを休むことで、あんな心細さを感じる人もいると思う。

この記事では"休むのが怖い"という気持ちを心理学的に解説した上で、その気持ちを整理して気持ちよく休むコツについて書いていこうと思う。

ほんと、絵を描くことくらい、つらいときは休んでいい。

「絵を描くのをお休みするのが怖い…」心理学的な理由と整理のつけ方

【一貫性の原理】のせいで休むのが怖いのは当たり前

心理学では【一貫性の原理】というのがあって、これは"一度始めたことは続けるべき"と思ってしまう人間の心理のことを指している。

続けてさえいれば考えなくて済むから

まず"一度始めたことを何も考えず続けることで、よけいなことを考えなくて済むからつい続けてしまう"というのが理由の一つ。

こうして改めて書くとアホくさすぎるけど本当。

人間は毎日無数の選択をしている。

朝起きてどの服を着ようかな、何を食べようかな、トイレ行こうかどうしようかな、顔洗ったあとにしようかな、何時の電車に乗ろうかな……選択というのは脳を使うので、とても疲労する。

なので、脳はなるべく何も考えずに初志貫徹する方向を選びたがる。

※なかなか自分を変えられない【ホメオスタシス】や【正常バイアス】もこのしくみ。

今まで毎日描いてきた絵をやめる(お休みする)ことで、脳が「え? 今までずっとしてきたことをやめちゃうの? 行動パターン変えちゃうの? めんどくさいな……いやだな……え、なんで? いつも通りがいいよ……」と繊細な幼児みたいにグズグズ言い出す。

これが【不安】。

不安は当然心地いい感覚ではないので、これを避けようとして【一貫性の原理】が発動するのだ。

「やめる(休む)の怖いな……」なんて、しょせん脳がグズってるだけですよ。この不安はまやかし。と考えるのが気軽に休むコツの一つ。

続けることはいいことだ、という思い込み

また、"続けることはいいことだ"という思い込みが、人に一貫性を強いている。

私たちは小さい頃から「継続は力なり」「三日坊主はダメなやつ」みたいな価値観を刷り込まれて生きてきている。

かく言うこのブログでも、「絵はなるべく毎日続けることで上手くなるよ」とさんざん描いている。

でもそれは、「絵を描くのをやめたらあなたはダメなやつだ」という意味ではない。勝手に逆を取らないこと。

続けることはいいことだけど、続けないことが悪いわけじゃない。疲れてしんどくてつらいのに続けるほうがよっぽど悪いし、愚かなのでは?と考えてみる。

まわりから見られているとやめづらい

あとは、途中で投げ出すのはまわりの人の目が気になってしまってやめづらい、というのもあると思う。

一定数のフォロワーがいて、いいねしてくれて、「いつも楽しみです!」と言ってくれるとそりゃあ休みづらい。

※これを逆手にとれば、みんなで監視しあってダイエットをしたり禁煙をしたりすると自分だけ脱落しにくい、というプラスの効果も期待できる。

たださあ、人は自分のことなんて言うほど見てないよね。あなたが描かなくなったら今度は別の人の絵を見て楽しむよね。

いつもいいねしてくれてリプをくれる人のホームから、誰にいいねやリプしてるか見てみよう。あなた以外にも相手はいっぱいいるはずだ。しょせんおおぜいの中の一人なのよ。と自覚することで休みやすくなる。

自分にはそれしか取り柄がないから

それから【認知の歪み】によって勝手にがんじがらめになってしまっている人もいると思う。

例えば「私は絵を描くしか取り柄がないから、やめてしまったら生きている意味がない」とか。

そんなわけないじゃん。

「絵を描くしか取り柄がない」というのも勝手な思い込みだし、「やめてしまったら生きている意味がない」というのもゼロか百かの極端な思い込み。

やめたら価値のない人間になってしまう

「絵を描くのをやめたら自分に価値がなくなる」と言う人は、「何かしら自分は特別な価値のある人間だ」「私は絵を描いているから特別な人間なんだ」と思っているってことだよね。

絵を描くくらい、そもそもたいした価値ないからね? 幼稚園児でも描けるんだし。

絵を描く人って"絵を描くこと"に対して価値を置きすぎるきらいがある。

絵を描く能力なんかそもそも取り柄になるほどのもんじゃないし、あまつさえ「絵を描くのつらくてやめたい……」と言っているような人の絵ならなおさら。

絵を描かなくても生きてるだけで最高に素晴らしいし、絵なんか描かなくてもあなたの価値が変わるわけがない。

特に若い頃って「自分が生きている意味」「取り柄があるとかないとか」みたいなのにこだわってしまうけど、取り柄なんてなくても生きてていい。

がんばってきたのにやめたらもったいないという気持ち

あとはもったいないおばけ。続けてきたことをやめるのがもったいないという心理。

断捨離なんかでもそうだけど、いらないものを「もったいないから」で取っておくことでストレスがたまるほうがよっぽどもったいない。

あと、まわりの人が無責任に「えー? やめちゃうの? もったいない! せっかく続けてきたのにもったいないよ!」と言ってくることってあると思う。

一貫性の原理は他人にも適用される。

"他人が続けていることをやめるのがなんか気持ち悪いから続けさせたい"だけ。

あんたの人生じゃないんだから口を挟むな!!! がんばってきたのも続けてきたのも私なんだから!!! と心の中で強く跳ね返そう。

一時的に休んだってどうってことない

自分の話をすると、私は合格した美大を辞退して普通の大学に進学したんだけど、その4年間はほとんど絵を描かなかった。

休んでいたというより「もう一生絵なんか描かなくていいんだ! せいせいした! 俺は自由だー!」という感じだった。

でも絵日記は描いていたし、サークルのラウンジノート(部室にある自由帳みたいなの)にもちょいちょい部員の似顔絵を描いて、似てるだの似てないだの言われていた。

結局卒業したあと趣味の同人活動がぶり返してしまい、「絵なんか一生描かないぞ!」の誓いはあっさり破られ、デザインの仕事もさせてもらい、今もブログなんかを書いている。(この間も何度か年単位で描かない時期があった)

「絵がつらいからやめたい」と言ってしばらく休んでも、たぶんあなたは、結局絵を描くことに戻ってきてしまうと思うんだよね。

年単位で絵を描くことをお休みしたって、人生にたいした影響は出ない。

年単位で絵を描くことをお休みしたって、絵の仕事はできるし同人活動もできる。

むしろ年単位でガッツリ充電することでパワーが上がっていくこともある。

あとこれは最大のコツなんですが、「充電するためにしばらくお休みしよう……」じゃなくて「私はダメ人間だから継続なんてできないし、絵を描くのやめちゃうもんねー! 絵なんか一生描かずに楽しく生きるわバーカバーカ!」くらいのスタンスで休むのがおすすめです。

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