「似顔絵を描くとき、正面から見た鼻の描き方で迷ってしまう」
という人向け【ドラマ版『きのう何食べた?』のケンジ役、内野聖陽さんを描いてみながら鼻の省略のしかたについて考えてみたら、シロ役の西島秀俊さんを描くときとはまた別のパターンが見えてきた】という記事。
自分は仕事で似顔絵を描いていたことがあり、そのときに「鼻をごまかしては似せられない!」ということを思い知った。
似顔絵を描いていて難しいのが鼻だと思うけど、鼻の中でも表現に困るのが鼻の穴ではないだろうか。
変に丸く大きく描くと下品に見えたり、滑稽な顔になってしまったりして慌てて消す……みたいな経験が自分もある。
漫画やアニメのタッチを見慣れていると、つい鼻をちょんと消極的にごまかして描きがち。そうすると似顔絵としてはちょっと微妙な仕上がりになってしまう。なんとも表現の兼ね合いが難しいパーツだと感じる。
以前、『きのう何食べた?』のシロさん役、西島秀俊さんの似顔絵を描いてみた。鼻の特徴をどうとらえてどうデフォルメするかというのが難しく、また興味深かった。
シロさんのパートナーであるケンジ役の内野聖陽さんを、鼻のデフォルメを意識しながら描いてみることにする。
シロさんとはまた全然違うタイプの鼻
西島さんとはまた全然違うタイプの顔立ちで、鼻のタイプも全く違う。
ということは、とらえかたもデフォルメのしかたも違ってくる。
内野さんは鼻翼(小鼻)がしっかりと斜め上に張っており、正面から見ても鼻孔(鼻の穴)が見えるタイプの鼻。鼻という字がゲシュタルト崩壊してきた。
この野生的な鼻が内野さんの魅力でもあるので、描かずにちょんでごまかしてしまうのはもったいない。臆せず鼻の穴をしっかり描くことで似る気がする。
「正しく描く」よりも「それっぽく見えるように描く」というのを優先している。
人相学的にもしっくりくるキャスティングだなと感じた
似顔絵を描いていると人相学的なことも考えさせられることが多い。
「こういう目の人は浮気性」とか「こういう額の人は金運がいい」とかいう統計学というなかば占いとか迷信ぽくもあるアレだけど、個人的には絶対ではないけど傾向としては無くもないのかな、という感覚でいる。
パッと見た目の印象というのは少なからずまわりからの評価にも影響するし、自他両方からの「外見」のイメージが「内面」の性格や性質と相互に影響しあうこともあるだろう。
たとえばケンジ(内野聖陽)のように鼻の穴が正面から見えているのは、隠し事が苦手でお金に対してもおおらかな相だといわれることがある。たしかに、ケンジはコンビニで高いハーゲンダッツを買って「中村屋で2割引のときに買ったら安いのに!」とシロさんに怒られていた。
そのシロさん(西島秀俊)の鼻の穴は正面からは見えにくく細長い形で、役柄通り「締まり屋」で「倹約家」の鼻相。
人相学ってちょっとかじってみると実際の対人関係で役に立つかどうかは置いておいて、似顔絵を描くときに想像をふくらませたりドラマのキャスティングで「なるほどねー! イメージに合う!」とか言うくらいの楽しみかたはできそうです。