「無断転載を注意したのに無視されて反応なし」で見かけた理由3パターン

私の絵を転載している人にリプで注意したのに、相手は無視して普通にツイートしてる……何考えてるの……? こわ……

としんどくなってしまっている人向け【転載を注意しても無視されるのにはいくつかパターンがある気がするので、パターン分けしてみたらもう少し気持ちに余裕を持って対応できるかもしれない】という話。

このブログで転載に関する記事もいくつか書いている。Twitterでその記事を引用して注意喚起に使われていることも多くて、自分の記事をエゴサしていると自然と転載トラブルが目に入ってくることになる。

見かけた中では「転載を注意しているのに消してくれない」「リプ見てるはずなのに無視して日常ツイートしてる」「何を考えているか分からなくて不安で怖いしイヤな気持ちになる」というのが多かった。自分も何度か経験があるので「わかる……注意してもだいたい無視されるし不安になるんだよね……」と思いながら見ていた。

しかし、いくつか事例を見ているうちに、なんで無視されるのかという理由が3パターンくらいあったのでそれについて書き残しておく。

※あくまでも自分が多く見かけたパターンについて書いているので、これがすべてではなく他にもいろいろあると思います。

「グーグルの画像だから無断転載にならない」と思っている人もいるようだ

「人のTwitterに投稿されている画像を勝手に使うのはダメらしい」ということはなんとなく知っていても、「ググって出てきた画像(グーグル画像検索で出てきた画像)はグーグルの画像だから使っても問題ない」と思っている人も、自分の記事をエゴサしていて見かけた中では少なからずいるようだった。

作者さんやまわりの人が注意しても、

「これは私が自分で【○○(キャラ名) フリー】と検索してグーグルから拾ってきたものだから、グーグルの絵ですよ?」

「あなたのことなんか知りませんしあなたのTwitterに行ったことなどありません。だから盗ってません。言いがかりはやめてください」

などと、煽りとかおちょくりとかではなく真面目に反論している人を一人や二人ではなく見かけた。

当人は本気で「私は何も間違ったことをしていないのに、わけのわからん知らん人が言いがかりをつけてくる……Twitterって変な人多くてこわいわー」と思っているわけで、「でもこういうときはスルーが大事! 相手にしちゃダメだ、毅然とした態度で無視しなきゃ!」と敢えて無視して毅然とした態度で日常ツイートをしているわけで、意思の疎通が難しい。

中には、作者さんが「そのアイコンのイラストをどこで入手されましたか? それは私が描いたもので、フリーではありません。使用をやめてください」と冷静に事実だけを伝えたところ、「そうでしたか、グーグルで見つけたので使ってしまっていました。作者さんがいたんですね、当たり前ですよね、すみませんでした。すぐにアイコンを変えます」と穏便に解決していたケースも1件だけあった。

今ではイラスト自体にIDや「転載禁止」の文言を入れている人も多く見るけど、これならグーグルの画像検索で画像だけ出てきたとしても「この絵には作者がいる」ということと「この絵は転載禁止」ということが伝わるからだと思う。(だからと言ってもちろん、絶対に転載されないわけではない)

グーグルの画像検索に自分の絵が出てきてしまうこと自体を防ぎたい、という場合は、Twitterに直接画像を投稿するのではなく『かべうち』などの検索よけがされているサービスを挟んで使うとか、『pictBLand』などの検索よけがされているSNSを使うのも多少はいいのかもしれない。(もちろん効果は絶対ではない)

「転載はダメだと知っているけど、自分は絵が描けないしお金もないから他人の絵を勝手に使うしかない」という人を見た

これも自分の記事をエゴサしていて見かけたもので、印象に残っている。

アイコンに転載画像を使っていて注意された人が、「私は自分では絵が描けないし、中学生だからお金も払えない。だから今は人の絵をタダで借りるしかない。歌い手を目指しているので、稼げるようになったらお金を出して依頼します。プロフィールにも書いてありますけど?」と大真面目に反論しているのを見た。

この人も自分に落ち度があるとはつゆほども思っていないわけで、転載を注意されても「私はまだ中学生でお金が払えるわけないんだから大目に見てくれてもいいのに、なんでそんなうるさいこと言ってくるんだろう?? Twitterって嫌な人が多いんだなあ」くらいなものだろう。

個人的にはこの中学生(本当に中学生かどうかは分からないけど)に対して怒りとかよりも共感性羞恥が大爆発してしまった。今でも思い出すと身悶えしてしまう。数年後に自分の恥ずかしさに気づいたとき、羞恥のあまり心がどうにかなってしまわないだろうか。数年前のことだからもう高校も卒業しているかな……そろそろ気づいている頃かもしれない。私だったら恥ずかしくて正気を保てない。

数年後に本人に強力な呪詛返しが発動することになると思うと、転載されたことに対する怒り以上に何とも言えない感情が湧いてくる。「子供叱るな来た道だ 年寄り笑うな行く道だ」という言葉があるけど、SNSでのやらかしは子どもだからと許されるわけではない。自分の子どもの頃にSNSがなくて本当に本当に良かったと思ってしまう。

「転載を注意されて逆ギレしてしまった……」と後悔している人を見た

注意されたことで著作権について初めて知って「なんて自分は無知だったんだ、いい歳をして恥ずかしい。フォロワーさんたちはきっと私のことを軽蔑しているだろう、もう界隈に戻れない」と別アカを作って後悔している人を見かけたことがある。

とっさに謝れずにこじれるケースもあるようだ

ブログのネタ探しにネット上の人生相談コミュニティを眺めたりするのだけど、そこでも「Twitterでルール違反をして逆ギレし、まわりとこじれてしまった」という懺悔をいくつか見た。よくあることなんだろうなという気がする。

その人は、注意されたときに「えっ、これって転載なんだ! 知らなかった、恥ずかしい、しまった!」と感じたそうだ。が、自分の落ち度を認めるのが怖くて返信もできず無視してしまった。無視していたらたくさんの人から立て続けに注意や批判のリプがあって、袋叩きされてるみたいになって、とっさに攻撃に転じて自分のプライドを守ろうとしてしまった。

たぶんだけど、「転載するなとかそんなのあんたたちの勝手なルールでしょ!」「自己顕示欲でネットに上げたくせに文句を言うな!」「二次創作は犯罪なのに偉そうに言うな!」みたいなそういう感じのことを言い返してしまったのだろうかなあ、と勝手に推測した。実際に自分もそんな感じのことを言われたことがあるからだ。

支離滅裂な反撃をすればするほどまわりの目が冷たくなっていくように感じていたたまれなくなり、フォロワーさんにも合わせる顔がなく、アカウントを消してしまった。謝ってスッキリしたいけどブロックされていてどうすればいいかわからない、とのことだった。(回答者から「自分がスッキリするために謝りたいだなんて自分本位すぎる」と咎められていた)

「自分が間違ったことをしていた」と認めるのって勇気が必要で、プライドもいったんズタズタになる。だからつい「自分は悪くない! だって、あっちが悪いんだ!」と責任転嫁し、とっさに自分を正当化したくなる。

でもそれはもっとしんどくなる。一度支離滅裂な反撃に出てしまうと、自分でも重々間違っていることが分かりつつもそれを正当化するために牙を剥き続けるしかない。心にもない暴言を言い続けるハメになり、傷つけたくない人まで傷つけてしまう。そのうち居場所もなくなる。子どものけんかでよくあるパターン。

子どもの頃だったら大人が早めに「ごめんなさいしなさい!」と割って入ってむりやり謝らせてくれたからお互いわだかまりも残りにくかった。しかし大人になった今ではそういうわけにもいかない。

無視されるのは相手がパニックになっているケースもあるのかもしれない

「転載している人にリプを送ったけど無視されてる。平気な顔して関係ないツイートしてる……リプは見ているはずなのに……」となると、焦ったり不安になったり、怒りが倍増したりする。

でも、単に相手が静かにパニック状態&思考停止になっているだけのケースも意外と多いのかもなと思った。だから許しましょうとかではなくて、相手がパニックになっているときに変に追い討ちをかけると上の例のように逆ギレされてこっちがイヤな思いをすることもあるという話。

だったらどうするのがいいのか。

退路を完全封鎖せず猶予を与える

とある配信者の方が度重なる誹謗中傷コメントに対して「○日以内、何月何日の何時までに全部の誹謗中傷コメントを削除してくれ。そうしたら不問にする。でもその期限までに削除しなかったらしかるべき対応をする」とコメント主に対して勧告をしていたのを見かけた。

相手もかなりヒートアップした捨て身のアンチだったので、時間的な猶予を与えて(同時に期限を決めることにもなる)相手に退路を作ったのだろうと思う。

追い込まれた野生動物を捕まえてどうにかしようとするとかなり危険が伴う。だったら檻の出口を開けたままちょっと放っておくことで、知らないうちにそっと出て行ってくれたほうが安全に済む。

「最後っ屁」とか「砂かけ」とか「捨て台詞」とかいう言葉があるけど、できれば無駄にイヤな思いはしたくない。

こちらの常識が相手の常識と同じとは限らない

今はお互い常識が違って話の通じない相手も、これから先に気がつくこともあるかもしれない。

中には訴えられて初めて「あ、ダメなことだったんだ」と気づいて後悔するような人もいる。グーグルで「拾った」写真を自分のブログで使用し、何度も権利者からメールで勧告を受けていたのに「めんどいし意味わからん」と軽く考えて読まずに無視し続け、最終的にかなりの額のお金を払うことになった……みたいなブロガーも見たことがある。いろいろな意味で怖すぎる。

気付いたときに相手は激しく後悔したり恥ずかしくなったり、場合によってはかなりの額のお金を払わなければならなくなったり、信頼や居場所を失ったりする。遅かれ早かれそれなりの責苦を負うことになるんだなと見ていて思った。

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