仕事で使いたいけど、イラレやフォトショってどうやって身につけたらいいんだろう? どれくらいのレベルまで使えればいいの?
と不安な人向け、【Adobe IllustratorやPhotoshopは実際に仕事で使いながら身につけるのが手っ取り早かったです。基本的な操作さえ分かれば調べながらでも何とかなる。】という記事。
イラレとフォトショはまだまだ必須
自分は未経験の状態から業務委託でデザインの仕事をさせてもらったことがあるのだけど、当たり前のようにAdobe IllustratorとAdobePhotoshopは必須だった。
経験も才能もセンスも何から何まで未熟な自分が仕事をもらえたのって、「Adobeソフトでデータを作成するスキルがあったから」。ただそれだけのアドバンテージだった。
メインはパッケージデザインの業務だったのだけど、印刷用のデータはIllustratorのaiファイルでデータを納品しなければならない。
またWeb上で使う素材でも、用途によっては動かしたり加工したりする(たとえばlive2Dもそう)。工程を分ける場合はIllustratorやPhotoshopなどでデータを作成し、他の作業と互換性を持たせる必要もある。
特に企業との仕事は、今まで100%Adobeだった。時代はまだまだ「デザインやイラストの仕事をするならAdobeソフトが使えること前提」という感じ。それに対して個人的には思うところもあるけど、Adobeが現場で最大シェアなのは今のところどうにもできないし、仕方ない。
イラレとフォトショの習得方法
IllustratorとPhotoshop、自分は全く独学で身につけた。20年くらい前に同人誌の表紙を作るために使い始め、必要に迫られて自然に覚えた感じ。最初はムック本と首っ引きでなんとかデータを作っていたけど、しだいに「もっとかっこいい表紙にしたい」「もっと便利な機能を使いこなしたい」と思って知識を深めていった。
とにかく同人誌でもいいし、チラシでもいいし「必要に迫られてデータを作ってみる」というのがいちばん手っ取り早いように思う。
覚えて使いこなせるようになってから使うのではなく、「データを作りながら分からないところを調べてなんとかしていく」。
いちいちググってもいいのだけど、手元に一冊、基本がまとまった書籍があることで自分は心強かった。
入門的な書籍のおすすめはこちら。
分からないことがあったときに逆引きで使える書籍はこちら。(ある程度使い方を知っていくと、逆引きのほうが便利になってくる)
書いてあることはだいたい同じなので何冊も買う必要はなくて、書籍で読んでもし分からないことがあったら適切な言葉でググればほとんどのことは解決する。
もっと便利に使いたくなったので
基礎的なことは入門書と首っ引きでなんとかなるのだけど、しだいに「もっと便利に使いたい」とか「もっとかっこいいデザインを作りたい」みたいに欲が出てきた。
そこで初めていろいろ書籍を読んで、新しいものを取り入れていった。
少し前に買ってよかったのがこの2冊。
『Illustratorジャパンメソッド』は同じくイラレ初心者向けの書籍だけど、和のモチーフに特化している。和紋というのはIllustratorで作成するのにぴったりなモチーフ。実際に描きながらイラレの基礎が学べるし、「今すぐ使える和柄デザインをしたい」という人にも便利に使える。
また、自分は印刷物のデータを作成することが多かったので、『入稿データのつくりかた』も心強かった。
不備のない印刷データを作るためには細かいポイントがあり、責任重大。先方もいちいちチェックしてくれるとは限らない。とにかく「印刷業界では常識」みたいなものを一つでも多く知っておきたくて買ったのだけど、かなり勉強になった。
入稿するときの基本的な注意点はもちろんのこと、二色刷りのデータや同人グッズの作り方も解説してくれてあるので趣味にも役立った。
全部まるごと覚えようとするのではなく「必要なときに必要な部分を参照する」という使い方をしている。
Adobe CCの費用は通信講座で節約できる
Adobe CC(Adobeクリエイティブクラウド)の最大の難点は、価格だと思う。
昔はイラレもフォトショも買い切りのソフトで、びっくりするくらい高価だった。今は月額料金を払うサブスクリプション方式になっているけど、やはりお値段が張る。(価格は時期によって誤差があります)
コンプリートプラン(Adobeソフト全部セット)だと、1か月5,680円。
一年分ともなると、5,680×12ヶ月=68,160円。
会社でまとめて買ってくれてそれを使うならいいけど、自分のようなフリーランスにはなかなか厳しいものがある。「趣味レベルからちょっとだけ始めてみたけど、まだモノになるかも分からない……」という人にとってはもっとハードルが高いかもしれない。
そういう場合はAdobe CC代込みの通信講座を受けてみるという手もある。
たとえばデジタルハリウッドの【Adobeマスター講座】だと学生向け価格で使えるので、3ヶ月のAdobe講座+Adobeコンプリートプラン1年分込みで39,980円。
3ヶ月の講座でざっくりAdobeソフト全般をマスターしつつクラウドソーシングなどで仕事を請け始めれば、十分元は取れてしまう。
イラレとフォトショが使えるということ
IllustratorとPhotoshopが使えることで、自分の場合はかなりアドバンテージになった。経験も才能もセンスもないのだから、Adobeソフトのスキルだけで何とかやってきたようなものだ。
「イラストやデザインの仕事をしてみたいけどAdobeソフトは使えません……」という人も意外といるので、その人たちが取りこぼした業務を請けることもできる。使えて損はない。
また、「aiデータで納品してください」と指示されても「よっしゃ、Illustratorなら得意だぞ」と気持ちに余裕が持てたようにも思う。Photoshopのほうは経験が浅くて苦手意識があったので、納品までピリピリした。使えるソフトとそうでないソフトでは、やはり持てる余裕が段違い。
大昔に同人誌の表紙のために覚えたIllustratorで自分はかなり得をしたので、デザインをしたい人にはぜひおすすめしたいです。