絵が下手でも絵を仕事にできる?→上手い下手より大事なことはある。

「絵を仕事にしたいけど、自分はそこまで絵が上手くないから無理かな……」

「絵が下手なくせに、絵の仕事してる人っているよね? 絵が下手でも仕事にできるの?」

と悩んでいる人向け、【下手の度合いにもよるだろうけど、仕事として絵を描くためには上手い下手より大事なことはあるかもしれません。】という記事。

"絵が下手なくせに仕事で絵を描いている人"を見ると「下手なくせになんで仕事ができるの!?」と疑問と嫉妬が込み上げる……そんな時期が長らく自分にもあった。

そんな"大して絵の上手くない"自分も、絵とデザインの仕事を経験した。(業務委託で10年ほど。自分で絵を描いてパッケージデザインをする業務がメイン)

「絵の仕事って言ってもいろいろあるし、上手い下手以外にも重要な要件ってあるよな……いくら絵がうまくてもあれやこれができないと無理だし、逆にそこまで上手くなくてもあれやこれがすぐれていれば可能なのかも」と感じたので、そのことについて書く。

イラストの仕事に向いている人とは

時間や期日を守れる人・仕事が早い人

まず、時間や期日が厳守できる人。仕事が早い人。

これはどんな仕事でも当たり前、社会ってそういうもの。

クリエイティブな業種だって同じ、というかむしろ重視されていると思う。

依頼人にしてみればラフだって直しだってなるべく早くしてほしいので、とにかく仕事の早い人は重宝される。(クオリティも伴わなければいけないけど。)データ遅れるとあとの工程が全部ずれ込んで、めちゃくちゃ迷惑かかる。

学生のときすごく絵が上手くて芸術系の大学に進学した友人がいるけど、とにかくルーズで展覧会や課題提出の締め切りを守ったことがない。卒業後はどの仕事も続かなかった。

「俺はクリエイティブなことしてるんだからアイデアが降りてくるまで待ってくれよ」とか「納得いかないから最初から作り直します」みたいな芸術家気取りのの勘違いちゃんでは成り立たない。

むしろ「自分はルーズでだらしないから普通に勤めるの無理っぽいし、イラストの仕事をしたい」なんて思っているならもってのほか。仕事はどれも締め切り厳守・時間厳守ができなければ成り立たないし、イラストの仕事だって例外ではない。

コミュニケーション能力がある人

これもまた当たり前なのだけど、いわゆるクリエイティブな業種でもビジネスの基本は必要。

進捗をメールで報告したり、ハッキリしない点はきちんと確認し、もし行き違いがあればすり合わせを行う。

いわゆるホウレンソウができる人。

メールでのやりとりが多いので、ビジネスメールのやりとりに慣れておくとかなり楽。

なお必要なのは枝葉末節のマナーよりも"なるべく正確に伝えられる文章力"だ。これもコミュニケーション能力と言える。

「自分はコミュ障だから普通に勤めるの無理っぽいし、イラストの仕事がしたい……」というならそれは本当に無理だと思う。

イラストの仕事って相手のイメージを汲まなければならないし、相手のイメージと商品としての兼ね合いをすり合わせなければならない。交渉すべきことはあとからあとから湧いてくる。むしろ他の仕事よりも高いコミュ力が求められると感じた。

自分では絵を描かない相手に対して「絵で分からせる!」ということはできないのだ。言葉を使って納得させなければならない。瞬発的な言葉のチョイスや、相手の心理を突く交渉力も必要になる。

もちろん自分も一介のオタクにすぎず、コミュニケーション能力なんてまったく自信がなかった。けどやっていけば鍛えられるので、覚悟さえ決めればなんとかなる。

Adobeのソフトが使える人

イラストの仕事をしたい、という人で「アナログでしか絵を描いたことない」なんて人はいないと思うけど、印刷物の業務となるとAdobeのソフトが使えた方が有利。現場ではまだまだAdobeが主流なので。

PhotoshopとIllustratorは最低限使えるようになっておくほうがいい。

きちんとコミュニケーションし、相手のイメージを形にできる人

上でも述べたように、イラストを仕事にするにはコミュニケーション能力が必須。

ビジネス上のやりとりを行うだけでなく、相手がどんなイラストを描いてほしいのかを汲み取ったり、相手の形にできないイメージを言葉で引き出したり、「それは難しいので別のこういうイメージはどうですか?」と提案をしたりできなければならない。

絵の仕事の本質的な部分でも、コミュニケーション能力が問われてくるのだ。

イラストの仕事をする上でどんなコミュニケーションが必要かということについては、この記事に詳しく書いている。

クラウドソーシングなどでも絵の仕事を経験できる

「そんなこと言っても私は絵の仕事なんて未経験だし、きっかけがないよ」という人も、最近ではクラウドソーシングという働き方がある。

自分の場合は企業から委託される形でイラストの仕事をさせてもらいつつ、クラウドソーシングでもサブ的に仕事を請けるという感じ。

クラウドソーシングでいろいろな依頼人と関わったことは、主にコミュニケーションスキル的にメインの業務にかなり役だった。

依頼人によって仕事の進め方や要求もいろいろ、連絡の頻度もいろいろ、意思の疎通具合もいろいろ、請求書の書式もいろいろで、かなり鍛えられる。

いろいろな依頼人とまずは仕事をしてみることで、イラストの仕事に必要なコミュニケーション能力や感覚も掴めてくると思う。ある程度は慣れなので。

もちろん、イラストやデザインの引き出しは多い方がいい

「絵がこれくらい上手ければ仕事してもOK」みたいな基準はないので、このへんはやってみないと分からない。

「すっごく上手いから締め切りを破っていい」「すっごいハイセンスだからホウレンソウできなくていい」というわけでも決してない。

じゃあ時間厳守でAdobeソフトが使えてホウレンソウさえできれば絵が下手でもいいかというと、もちろんそういうわけでもない。

日々イラストやデザインの能力も底上げしていかなければ、新しくモノを生み出し続けることはなかなかしんどいだろうと思う。

業務のスピードに自分の実力が追いつかなくなると疲弊するし、まわりの評価に自分の実力が追いつかなくなって盗作騒動を起こしてしまう例も少なくない。

イラストが独学だったりノンデザイナーならよけいに、自分のできる範囲に仕事の量をセーブしつつ、少しずつできることを増やしていきつつ、まずは社会人として信頼されるふるまいを身につけることが大切だと思う。

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