イラストの仕事でリテイクをくらってキツかった! もう懲り懲りなんだけど! どうしたらリテイクくらわないで済むのかな……
な人向け【リテイクの手間やダメージを最小限に抑えるために工夫してみたこと①事前の確認をきちんと②完成形に近いラフを③複数の案から選んでもらう】という記事。
仕事でデザインをやっていく上でいちばんキツかったのは、何度もリテイクをくらうことだった。
リテイクというのはやり直しや描き直しを要求されることで、自分の場合は同じ料金で作業量が倍以上になることがシンプルにキツかった。他にも、「自分のイラストを否定された気がしてショックを受ける」「やる気失くす、萎える」という人もいるかもしれない。
でも、リテイクというのはたいてい絵の質がうんぬんではなく依頼人の要求と合致していないことが原因なので、工夫しだいで最小限に抑えられるようになった。
たぶんリテイクってゼロにはならないし、さらに工夫も必要だと思うけど「今のところ自分はこんなふうにしてみています」ということについて。
作業に取りかかる前に確認しておく
自分がくらってきたリテイクの経験から、作業に取りかかる前にこの3つについて確認することにしている。
- どの絵柄で描くか(画像を添えて確認する)
- 指は何本か(絵柄によっては省略してもいいのかどうか)
- あとから修正できる箇所とできない箇所について
※これは「自分がリテイクをくらいがちなポイント」なので、描き手によるし依頼主にもよると思います。
どの絵柄で描くか、画像を添付して確認しておく
自分はいくつか絵柄があり、デザインの仕事を始めてすぐの頃完成してから「こっちじゃなくてあっちの絵柄にしてほしい」とまるごとリテイクになったことがあった。
この経験上、実際の画像を添付して「この絵柄でいいですね?」ということを確認するようになった。
人によってはデフォルメ絵柄も何種類もあったりするし、「デフォルメってリアルな絵柄のことだと思ってた」という人もいるし(実際いた)、言葉だけで確認をとると思わぬ行き違いが起こる。
指の本数を確認しておく
これはあまり多くない事例だとは思うのだけど、省略形で描いた手に対して「指は5本描いてください」と修正要求が入ったことがあった。
マンガがアニメ化されるときに「原作では4本指のキャラがコンプライアンス的にNGで、5本に修正された」とか、ゲームのキャラでも「もとは4本だったけどリメイク版では5本に修正された」みたいなのを聞いたことがあったので、「ああ、なるほど、そういうことか」と納得し、すぐに対応した。
それからは、絵柄によっては確認することにしている。
あとから修正できない箇所について確認しておく
表情は後からでもある程度直せるけど、人物のポーズなど全体的なことはあとから修正するのが難しいので一から描き直しになってしまう。
なので「ここはあとから修正ができませんよ」という箇所について念を押すようにしている。
完成形に近い状態のラフを出す
ラフがラフすぎて、完成したら「イメージと違う」と言われて丸ごとリテイクをくらったことがある。
このときは「自分のラフがラフすぎたせいだから仕方ない。まだ駆け出しで何も知らなくて要領が悪かったな。恥ずかしいな」」と割り切って描き直したのだけど、描き直したら「やっぱり前のでいいです」と言われてがっかり×2になったことがあった。
料金据え置きで二つ分の手間と時間を取られてしまい、フリーランスにとってはなかなかキツい経験だったので、ラフは完成形になるべく近い形で提示するというのを心がけるようになった。
絵に詳しくないかたに見せて出来上がりをイメージしてもらうためのラフなので、そうするとほぼ完成形で見せなければならないということになる。
クラウドソーシングのコンペなどでもみなさんほとんど完成形で出してきており、「ああ、やっぱりラフとは言えそういうものなんだな、ラフはラフじゃいけないな」と感じた次第。
二つ以上のラフを提示する
上二つはこちらに責任があることで、こちらが工夫すれば回避できる。
でも、こちらに責任のないこともある。
言葉を選ばず言うと、仕事ができないタイプの人間というのは「提示されたものの修正箇所を見つけるのが俺の仕事だ! よーし修正箇所を見つけるぞ!」と思ってしまうらしい、というのを聞いた。
提示されたものを「OKです! 良いですね! ありがとうございます」とそのままOKしてしまうのは、自分が仕事をしてない無能みたいな気持ちになってしまうんだそうだ。
なのでどうでもいい重箱の隅をつついてみたり、修正箇所がうまく見つからなくて「なんか全体的にイメージが違うような……」とか「もうちょっと別の感じでできますかね?」みたいな、根拠のない全取っ替えを要求してくることがある。確かに、自分も経験がある。
なので、二つ以上のラフを見せて「どれがいいですか?」と選択してもらうことにしている。
一つのラフを渡すと「ここから修正箇所を探さなきゃ! それが俺の仕事!」という思考回路になるけど、二つ以上を渡すと「どちらか選ばなきゃ! それが俺の仕事!」となるので、無駄な修正要求をしてこなくなる。
相手が的確な判断をしてくれる人かどうかというのは、こちらで見極めるしかない。
あくまでも自分の経験上だけど、誤字脱字が多くて要点が分かりづらいなどメールが稚拙だったり、メールの返信が遅かったり、メールしたのにさらに電話で確認しようとしてくるような人は地雷率が高かった。
人によって常識は違う
いろいろな相手と仕事をしたことで、「人によって常識が全然違う」ということを強く感じた。
こまめに確認したがる人もいれば、確認の連絡を送ってもスルーしたり、スルーしたくせにあとから山ほど修正要請を出してくる人もいる。
個人によっても仕事の進め方は違うし、企業のやり方によっても違う。
だからこそ事前に確認できることはしておく、というふうに気をつけるようになりました。