ワンドロ(お絵描き60分1本勝負)をやってみたら思いのほか良かった

ワンドロって別に参加したいと思わないなー、自分でマイペースにコツコツ練習したいし……

自分は別にジャンルの人と交流しなくていいし、ワンドロに参加してワイワイやりたいとも思わない……

という人向け【いざワンドロをやってみたら絵の練習が捗る要素が詰まっていたので、普段から取り入れられるところは取り入れてみようと思いました】という記事。

自分はTwitterでよく見る「ワンドロ(「お絵描き60分1本勝負」とか「真剣お絵描き60分」など名称はいろいろ)」にあまり興味がなかった。「それってやる意味ある? 交流とかめんどくさいしマイペースで描きたいし……」とスルーしていた。

でも3ヶ月ほどやってみたら、ワンドロって絵の練習が捗る要素が詰まっているんだなと感じたし、楽しかった。

かと言ってこれからも定期的にやっていこうというわけではないし、「みんなやりなよ! おすすめです!」というわけでもないのだけど、「この感覚いいな」と感じた部分は取り入れていこうと思ったのでそれについて書きます。

ワンドロをやってみて捗ったこと

時間の区切りがあるので集中できる

ワンドロというのは時間制限があるから、もう尻に火がついてワーワー言ってるうちに描き終わる。

慌ただしいけど、これが意外と集中できた。

また「下書きまで最短なら何分くらいで描けるのか」とか「全身を描いたとき塗りに何分かかるのか」などかかるペース配分の目安が分かってきた。もちろんタイムを縮めるのが目的ではなく、時間制限があると自然と「自分はどの作業で時間を取られてモタモタしちゃうのか」みたいなことをハッキリ感じられるのが良かった。

「いつかやらなきゃ……(でもやらない)」がなくなった

また自分にとって「最近絵を描けてないな、絵を描かなきゃなー(でも時間ないし重い腰も上がらない……)」といったばくぜんとした焦りがいちばんストレスになっていた。

お風呂に入らなきゃいけないけどめんどくさいアレに似ている。入らなきゃ入らなきゃと思いながら2時間経ってしまうのも無駄だし、義務感に駆られ続ける2時間の過ごしかたも馬鹿らしいし、最終的にお風呂に入ったとて「もっと早く済ませりゃよかったのに、なんで自分はこうも毎日モタモタするんだ」とじわじわ自己肯定感を奪われる。

ワンドロだと有無を言わさず始まって終わるので、「やらなきゃ……うーんでも……やらなきゃ……うーんでも……」をしなくて済む。

あれこれ考えず何かにむりやり背中を押されて始まってしまうほうが楽なことってあるよな、と強く感じた。(ひとえに自分の意志が弱いからですが……)

思えば学校のチャイムなどもそれに似たものだったのかもしれない。

誰かが必ず見てくれるので張り合いがある

「誰かが必ず見てくれる」という張り合いがあったことも、新鮮な喜びだった。

絵を描く作業は基本的には孤独なもの。誰かが見てくれたら嬉しいし、いいねがついたら嬉しいけど、普段はあまり他人の反応は期待しないで"描きたいものを描きたいときに描く"という感じで不満はなかった。

それでもワンドロに参加して普段より多く見てもらうと、それはやっぱり大きな張り合いになった。

他の人の切り口を見るのが楽しい

これが楽しいかつらいかは人によるのでなんとも言えないけど、自分はハッシュタグをたどって他の人の作品を見るのも楽しかった。

「この人私より上手い!」とか「いいねの数が!」とかだとまた別の苦悩が湧いてくるから、他の人はどんな切り口でお題を切り取って描いているのかな、という部分を見るようにしていた。

発想というのは一人で長時間うんうん考え続けたところで限界がある。人の切り口を見て「ほほう!」となることでしか得られない快感があった。

気軽に描ける

時間が決まっていることで、かえって気軽に描けたことも良かった。

「一週間で納得のいく絵を仕上げよう」とかだと、それなりのクオリティまで&納得いくまでやらなきゃダメだみたいな気持ちになってしまうことが多い。他人に何を言われるわけではないのに「一週間もあったのにこんなもん????」「時間いっぱいあったよね??? なのにこのクオリティなの???」と自分の中の自分がケチをつけてきて、それと戦っているうちに絵を描くのが嫌になってしまうというか。

でも時間制限を設けることで、「これはここまで!」と気持ちを切り替えることができる。もっと言うとあきらめがつく。いったんあきらめて次に行くというのって意外と難しい決断だ。言い訳にしているみたいでアレだけど、切り替えが苦手な人(私もそう)ほど言い訳の余地を作っておくのっていいんじゃないかと感じた。

ワンドロをやってみて、今役に立っていること

とは言え自分は継続的にワンドロをやっているわけではない。そのかわり、普段絵を描くときに「あのワンドロの感覚が役立ってるな」ということがいくつかある。

各作業にかかる時間の目安を意識できるようになった

ワンドロをやってみたことで、「自分の場合、いちばん時間がかかるのが線画なんだな」ということに気づいた。(それまでは絵を描く作業の工程について細かく分けて考えたことがなかった)

自分はラフがかなりラフで、そこから線を拾う際の取捨選択にリソースを割いているようだ、ということにも気づけた。そしてこれは自分が絵を描く上でいちばん好きで楽しく集中できる作業だということも感じたので、この工程は無理に短縮せずじっくりと時間を取ることにした。

また、「普段よりやたら時間がかかる……そのわりにしっくりこないな」というときは調子が悪いと判断することもできるようになった。

このあたりの目安がついたため、無理をして焦ったりしなくて済んでいる。

ゆえに、こまぎれの時間でも作業できるようになった

「だいたいこれくらいかかる」という目安がついたため、普段絵を描くときにも「15分あるから下書きまでやっちゃおう」とか「30分で塗りを終わらせられるな」などこまぎれ時間を使えるようになった。

以前は「たっぷり4時間ないと安心して絵が描けない」という感じだったのでなかなか取りかかれず絵を描けずじまいになることも多かった。仕事と家のことをやっているとたっぷりまとまった時間が取れるときばかりではないので、こまぎれ作業ができるのはお得な気持ちになった。

時間を決めてしまって有無を言わさず始めるようになった

ワンドロのときの感覚で「○時になったらとにかく始める」と決めるようにしたら、始めるまでのぐだぐだが少なくなった。(ただし終わりの時間は決めずに、5分でも1時間でもいいとする)

なにごとも最初の「よいしょ」がいちばんの難関であって、始めてしまえばなんてことはない、とにかく取りかかりさえすれば終わるというのもワンドロで実感したことだった。

風呂の時間も決めてしまって有無を言わさず何も考えず風呂場に行くようにしたら、2時間ぐだぐだすることも無くなった。(実際問題これがいちばんワンドロをやって役に立っていることです。)

ワンドロの良さって交流だけじゃなかった

自分の中では"ワンドロ=交流=じゃあ別にしなくていいや"みたいなイメージだった。

けど実際やってみると交流部分はおまけ程度で、

  • 自分の描くペースをつかめた
  • 「あー絵を描かなきゃ……(でも描かない)」が少なくなった
  • 張り合いが出た
  • 人の作品を見る機会になった

みたいな良さが大きかった。

ワンドロって別にずっとコンスタントにやり続けていくものでもないだろうし、ハマったジャンルでタイミングが合ったらまたやってみようかな、という感じです。

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