毎日絵を描く習慣をつけるために、やる気をうまいこと出していく方法

毎日描かなきゃ上手くなれないのに、やる気が出ない……

絵を描くモチベーションが上がるコツってないのかな

という人向け【ドーパミンを上手に出して毎日絵を描くために①ルーティンを決めておく②続けやすい環境づくり③小刻みに達成ポイントを作る④ごほうびを用意する】についての記事。

※「毎日描かなきゃ上手くなれない」というのは文字通りの意味ではなく、「初心者の場合まずは練習量が必要→そのためには毎日少しずつ描くのが結局は近道だから、毎日描きたい」という意味で書いています。

絵は、毎日描けるならそりゃ描いた方がいいだろうけど、なかなかやる気が起きないこともある。

「やらなきゃ。でもやる気出ない。なんかモチベーションが上がる動画とかないかな」なんて長々とネットしてみたり、「誰かが嬉しい感想言ってくれないかな。そしたらやる気が出るのに……反応ないからやる気出ない」と外部のせいにしてみたり。

しかし、やる気、つまりドーパミンって、自分の脳の【側坐核】から出すものなんですってね。

根性とか性格は関係ないし、誰かに褒めてもらえないからやる気が出ないということもない。誰でもやる気は自分の脳から自分で出すことができる。

ということは、だらしなくてさぼりたがりで、誰も褒めてくれないぼっちの私でもなんとかなるってことだ。

脳の【側坐核】から【ドーパミン】を出せばいいらしい

脳の仕組みはまだまだ全容は研究しきれていないけど、分かってきていることもある。

やる気を出すには【側坐核】という部分から【ドーパミン】という物質が出れば良い。

※調べれば調べるほど複雑なメカニズムだったので、かなり簡略化してまとめています。

【やる気】は精神論や根性論ではない

「いや、私のモチベーションはもっと複雑だから。デリケートな気持ちの問題で、そんな簡単な話じゃないから!」と思いたいけど、悲しいかな、人間は脳に支配されているのでどんな人間もドーパミンが出ればやる気が出てしまうのだ。

「なんだ、やる気ってただの体のメカニズムなのか。精神論とか根性論で考えなくてもいいんだ」と分かって、自分の場合はかなり楽になった。「やる気が出ないのは自分の根性が弱いんだ、気持ちの持ち方とか性格とかを変えなければ」みたいに絶望的になっていたけど、そうじゃないんだ。

脳研究者・池谷裕二氏の書籍がどれも分かりやすかったです。

側坐核からドーパミンを出すにはどうすればいいのか

で、【側坐核】から【ドーパミン】を出すにはどうしたらいいかと言うと、まず作業を始めることなのだそうだ。

確かに自分も「めんどくさいと思っていたのに、ちょっとやり始めると乗ってきて張り切っちゃった」みたいな現象は何度も経験したことがあるので、これは真実だなと感じている。

池谷裕二氏も「やる気という単語はできない人によって創作された言い逃れのための方便です」と言っている。

まずは作業を始めると【作業興奮】が起こり【やる気】が出る

つまり絵を描くやる気も、まずは描き始めないと出ないということになる。

作業を始めさえすれば5分程度で側坐核が刺激されてアセチルコリンという物質が出てきて、これが「始めたら乗ってきちゃった!」な状態(【作業興奮】という現象)。さらに快楽物質のドーパミンが出てきて気持ちよくなる、ということらしいです。

つまり、やる気を出すにはとにかく最初の5分を始めること。あとは自動でなんとかなる。

「最初の5分」を始めるコツを考えてみた

「だから、その5分を始めるためのやる気が出ないんだってば!」

だよねわかる……。

そこで、最初の5分をなるべくヌルッと始めるコツを自分なりに考えてみた。

何も考えずできるよう、ルーティンを決めてしまってみた

自営で商売をしていて毎日忙しい叔母に「毎日いろいろやるのってたいへんじゃない?」と聞いたときに、「やることは決まってるから自動でやるだけだよ。なにも考えてない。気付いたら全部終わってる。始めたらあとは終わるだけ」と言っていた。

確かに勤勉な人ってみんなそんな感じかも、と思ったので、自分も毎日のルーティンを決めてみている。

夕食後のだいたい決まった時間に、iPadのメディバンペイントをdockから開く(同時に作業用BGMを流す)

昼間のうちにiPhoneの壁紙にしておいた画像を見る

充電しておいたApple Pencilを手に取る

画像を見ながら模写

最初はカメラロールに入れておいた画像を開いていたのだけど、自分くらいのめんどくさがりになるとこの数秒の手間がおっくうになってしまってダメだった。なのでより一瞬で参照できるように、昼間のうちに壁紙に設定しておく。

推しのSNSに上がってた写真とか動画のスクショ、好きな絵描きさんの描いた絵、Tumblrで見つけた画像とか。毎日一から【創造】して描くのはたいへんなので、何かを見て描く作業から入っています。

※自分だけで見て描くなら著作権は気にしなくてもよいけど、模写して描いたものをSNSに投稿するなどは問題も起こり得るので注意が必要。

さすがに毎日とはいかないけど、繁忙期とか、なにかイレギュラーなことが起こらない限りはやれています。

続けやすい環境づくりをしてみた

ルーティンを決めても、自分くらいのめんどくさがりになると「そのルーティンをやるのがめんどくさい」というのがある。

なので極力無駄を排除してみた。続けやすいように、障壁という障壁をどける。あらゆるひと手間を省く。

  • 資料はカメラロールではなく壁紙にしておく
  • iPadやApple Pencilは充電して、手の届く定位置に置いておく
  • 机の上にiPadとiPhone置く程度の空きは作っておく
  • 充電不全のときのサブとしてコピー用紙を置いておく

小刻みに達成ポイントをつくる

自分の場合「毎日全身絵を1枚仕上げる」とかだとちょっと荷が重いと感じてしまうので「手だけでもいい」「衣装だけでもいい」みたいに小刻みに達成ポイントを作っている。

とにかく何か描けばいいということにして、5分くらいで【作業興奮】が起こって気分が乗れば長めに描くし、当然起こらない日もあるのでそういう日には「手を描いたぞ! 今日のノルマはクリア! いやー私は今日も偉かったね」で終了する。

「ノルマはクリアした」ということで気分が良くなり、次の日も罪悪感や義務感を持たずにルーティンに取り組める。

より「ノルマをクリアしたぞ感」を出すため、自分は手帳のウィークリーページに印をつけている。ウィークリーページなので、たとえ「今週ちょっとグダグダだな」というときがあっても週が変われば気持ちも新たにまた仕切り直しができる。ソシャゲのウィークリーミッション的な戦法です。

ごほうびを用意しておく

【ドーパミン】は報酬と密接な関係があるという。つまりごほうび。

ごほうびと言っても「ノルマをこなしたら更新されてた動画見るぞ!」「1枚模写したらチョコ食べるぞ!」くらいのささやかなものでも、自分には十分効いてます。

あとダイエットをしているときに「ノルマをこなしたらレーズンひとにぎり食べよう!」とかやっていたんだけど、びっくりするほどやる気出たしびっくりするほどレーズンが美味しく、楽しみに感じた。(ダイエットによってレーズンというごほうびの価値が爆発的に高まっていたように、ちょっとだけ不足状態を作っておくのもいいかもしれない。)

または「こうやって毎日がんばって、もう少し全身を描けるようになったら同人誌を作ってみるぞ!」「もう少し練習したらSNSにタグをつけて投稿してみよう!」みたいに長期的なごほうびと併用するとかもできそう。

運動や音楽を聴くのもいいらしい

ドーパミンを出しやすくするには、こんなことも効果的だと言われている。

  • 軽い運動をする
  • 好きな音楽を聴く
  • 瞑想する
  • 【チロシン】を含む食べ物(アーモンド、牛肉、大豆食品、チーズ、おかか)を食べる

こういうことって、実際の効果にプラスして「最近アーモンド食べてるからやる気出るわ〜!」「音楽聴いてやる気出すぞ!」みたいにポジティブ自己暗示にも使えると思う。

なお、音楽は「作業の前に」、「好きな音楽を」聴くのがいいようです。

作業用BGMを決めておく

自分の場合、作業用BGM(動画)を流しておくと作業に入りやすい。条件反射的に。ゲーム実況の再生リストや、レベル上げ配信ライブなどを作業用BGMにしています。

特定のクリエイターの動画を作業用BGMにしすぎて、レベル上げ配信ライブ見てると絵を描きたくなる、みたいなこともある。

熱中するといつのまにか作業用BGMが終わっているのも気づかないこともあるし、作業用BGMのほうに夢中になってしまうこともあるし、コンディションによっていろいろ。

最初の5分をいかにヌルッと始めるか

読んでいて「よし自分も絵をがんばるぞ!」と燃えてくるような作品はたくさんある。

自分が好きなのは、日本橋ヨヲコ先生の『G戦場ヘヴンズドア』。

でも、熱い作品を読んで一瞬は心のうちでやる気が燃えても「私もやるぞ! やらなきゃ! やらなきゃいけないけど……」で行動せずに終わってしまうと、かえって罪悪感が芽生えてしまうというか。

実際に行動に移すために、そして長く続けるために大事なのは、気持ちづくりじゃなくて環境づくりな気がする。

  • まずは5分やればいいんだ、と気軽に
  • なるべくめんどくさくないルーティンを決める
  • 邪魔になるものを極力排除しておく
  • 記録をつけて達成感を味わう
  • ごほうびや目標を決めておく
  • お気に入りの作業のお供をたくさん持っておく

続かないのは根性のせいではないので、自分の根性や性格を責めるのではなくやり方を変える。

脳の仕組みを利用して合理的にやってみてそれでもダメなら、

  • まだ何か障壁となる無駄な要素がある(ペンが使いにくいとか、机の高さが合ってないとか)
  • 心理的な抵抗がある(ジャンルに苦手な人がいて描いても投稿しにくいとか、イヤなこと言われたのが引っかかっていて描きたくないとか)
  • そもそも、心身が疲れていて絵を描く余力がない

みたいなこともあるのかもしれない。いずれにしても自分を責める必要はなくて、原因を取り除いてあげるのが先なのではないかと思います。

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