絵の練習法は、クロッキーと解剖学と模写を同時にいろいろ楽しく。

「毎日絵の練習してるけど、全然上手くならない……」

「絵の練習ってもともと下手な人は意味ないのかな?」

と悩んでいる人向け、【同時にやると効果の上がりやすい絵の練習方法3つ】について書いている。

やっても上手くならない練習法

まず、毎日いくらがんばっても効果は上がりにくい練習法について書く。

初心者が好きなマンガの絵を見て模写するのは意味ない

初心者が言う"絵の練習"って自分が好きなマンガやアニメの絵を見て模写することの場合が多い。

確かに初心者がまずやりがちなんだけど、これは中級者以上に役立つ練習法で、初心者にはあまり意味がないと思う。

なぜなら、マンガやアニメの絵ってかなり省略されてデフォルメされているから。

人体の構造も何も知らない初心者が模写しても、ただ意味もわからず書き写すだけの写経みたいになってしまう。

写経にも精神集中とか効果はあるのでそういう意味ではいいかもしれないけど、模写しても人体を描くのは上手くならない。

初心者にとっても、"見たものをなるべくそっくりに紙に描く"という訓練にはなるけど、「絵が上手くなった! 描けるようになった!」という実感や喜びは感じにくい。

そのため、「上手くならないし意味ないじゃん」と飽きてイヤになりやすい。

自己流でいっぱい描くだけなのは意味ない

「よーし今日も練習するぞ!」と言ってスケッチブック10枚分くらい手癖で同じ向きの顔だけ描いても絵は上手くならない。

よくpixivなんかに、同じ向きの顔30枚くらいのログが投稿されているのを見かけるけど、これは練習で描いているのだとしたらあまり意味がないと思う。

バストアップで描ける部分しか描いていないので首から下は描けるようにならないし、顔も同じ向きしか描けるようにならないので。

バストアップ左向きはそこそこ上手いけど、全身のイラストになるとバランスめちゃくちゃで「本当に同じ人が描いたのか!?」ってことがたまにあるけど、そこまで行っちゃうと本人も体を練習するモチベが上がりにくくなってしまい、一生バストアップ左向きのみを描き続ける人生になる。

効果が出やすい理想的な練習法

では効果的に絵が上手くなるにはどういう練習がいいのか。

というと、あくまでも理想なんだけど、

  • 写真やリアルのモデルを見ながらクロッキーをしつつ
  • 美術解剖学の知識を学びつつ
  • マンガやアニメの模写でデフォルメや省略を学びつつ(最初へ戻る)

という感じ。

写真やリアルのモデルを見ながらクロッキー

クロッキーというのは人体を見ながら手早く形や動きをとらえて描くもの

じっくり取り組むデッサンと違って1分とか5分、長くても10分とか、とにかく短時間なので、"自分で形をとらえて紙の上に表現する"という力がつく。

自分は学生のときにやったときは追い込まれた状況だったのでかなりしんどかったけど、美大受験とか関係なく趣味でやるようになってからはとても楽しい練習だと感じる。

みんなデッサン嫌うけど、デッサンより全然楽しい。

初心者って「上手く描かなきゃ」「ちゃんと描かなきゃ」とプレッシャーを感じてしまうけど、その点クロッキーは1分とか5分だから。上手くもちゃんともないから

それがいいのだ。

形をとらえることだけに1分とか5分集中でき、描いた後「次もっとこうしてみよう」「ふくらはぎのラインが描けてないな。次はそこをもっとちゃんと見てみよう」みたいに次への課題も見つかりやすい。

1分とか5分なので、長々とデッサンするときみたいに描けない部分をごまかすひまもないし。

気楽に前向きに取り組めるので、初心者にもおすすめしたい。

自分が使っている書籍はこちら。

作例の"線"の表現力がすごくて、真似して描いてみると楽しすぎて顔がニヤけてくる本。

美術解剖学の知識を学ぶ

クロッキーをしていると、「ここにある出っ張りはなんだ?」「この骨ってどこへつながってんの?」という疑問が出てくる。

いくら見たって皮膚の中までは見えないから分からないまま描くことになって、曖昧、不自然になってしまう。

そういうときに美術解剖学で知識を補うと、見えない皮膚の中のこともある程度把握できるのだ。

自分がおすすめするのは一貫してA・ルーミス。

クロッキーと解剖学どっちが大事? とかではなく、クロッキーやってて「このへんなんかよく分からないんだよな」と感じた部分があれば解剖学で解決し、また解剖学で得た知識をクロッキーにも活かす、という相互作用。

マンガやアニメの模写でデフォルメや省略を学ぶ

リアルの人間をある程度描いたあと、好きなマンガやアニメの模写をしてみる。

すると「くるぶしの骨ってマンガ絵だとこう省略して表現してるのか〜」とか「三角筋から上腕筋へのつながりをこういう線で描いてるんだな」など、そのマンガ絵やアニメ絵の本当のすごさが見えてくる。

なかには「この人体間違ってるな」という発見もあるだろうし、「だからこの漫画家はなんとなく下手に見えるのか」と納得できることもあり、「じゃあこの漫画家のこういう部分は真似しないでおこう」みたいなこともある。

中級者くらいでマンガやアニメの模写が役立つのは、こういう理由だ。

マンガの模写をして終わりではなく、またクロッキーや解剖学へ戻って相互作用を深めていく。

全部いっしょにやってもいい

じゃあクロッキーやって美術解剖学をしっかり学んだあとじゃないと、マンガやアニメの模写をしちゃいけないのか、というと、そういうわけじゃないと思う。

全部同時にやったっていい。というかむしろ、いろいろ一度にやった方が発見も多いんじゃないだろうか。

「マンガやアニメの絵を毎日一生懸命模写していれば絵が上手くなる」という考え方がまずいのであって、効果の出やすい練習法をきちんと知っておくことが大切だと思う。

「楽しいからクロッキーもやってみるし、面白いから解剖学も勉強してみるし、好きなマンガの模写だってやりたい!」みたいな感じであれもこれもやった方が飽きないし、何より楽しいよね。

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