「いいねがどんどん減ってきている…」というとき考えられる理由4つ

最近イラストへのいいねがどんどん減ってきてるんだけど、私何かやらかしちゃったのかな…!?

いいねが増えるどころか減る一方…このまま誰にも見てもらえなくなったらどうしよう

と不安に感じている人向け【チェック項目①どんな絵も必ず飽きられる②時期の問題③ジャンルの盛衰④ツイートアクティビティ】についての記事。※DMでいただいたご相談です。

「Twitterでイラストを投稿し始めてしばらくはけっこういいねがついていたのに、最近どんどん減ってきている……描き続けているんだから増えるはずでは? なんで減るのかな、不安……」

という経験をしたことがある人も多いんじゃないだろうか。自分もある。

でも、ちょっと考えればわかるけど、いいねはどんどん無限に伸びたりしない。

最初にいいねが伸びた人ほど減りが目立って焦るかもしれないけど、いいねは減るもの。焦る必要ないよという記事。

その1、どんな絵でも必ず飽きられる

いいねが減ると「私の絵が下手になったのかな」「つまらない絵を描いちゃってるのかな」と自分で判断してしまい、「もっと努力しなきゃ、もっと見てもらえるテクニックを学ばなきゃ」と【絵が上手くなる練習 効果】とかでネットで検索しまくって疲弊する……。

この悲劇は、焦りによって最初の段階の判断を間違えているところから始まっている。

同じ場所で描き続けていればいいねが減るのは当たり前のことで、絵のせいではない。

イラストにも【限界効用逓減】がある

経済の世界に【限界効用逓減】という言葉がある。

「財から得られる満足度は機会が増えるごとに減る」というような現象……つまり「最初は満足していてもだんだん飽きる」ということ。(詳しくないのでざっくりです)

暑い日に喉がカラカラで飲む最初のビールの一口目はすごく最高に感動的に美味しいけど、3杯目ともなると慣れてきちゃってそこまでありがたいもんでもない、なんなら惰性で飲んでる、みたいな。

ジャンルに新しい描き手が入ってきて、バンバンイラストを上げてくれて「おおっ、新しい人ありがとうございます! 嬉しいな!」といいねしまくる。でも、目が慣れて新鮮な気持ちを持てなくなると、「また新しいイラストが上がってるな〜」程度になってきて、いいねするほどテンションが上がらなくなる。当然いいねもあまりしなくなる。二次創作している人だとこれ特に経験あるんじゃないだろうか。

描き手側からすると、新しいジャンルで描き始めたばかりの頃はいいねがつきやすくて歓迎されている感じがしてうれしい、盛り上がる。言わば【新参ボーナス】みたいなもの。でも【新参ボーナス】期間が終了すると歓迎ムードもひと段落。描き手も「なんかいいね減ってきたしモチベーションも減ってきた」とジャンルからフェードアウト。

こういう出入りを繰り返しながら、いいねにとらわれず「描きたいものがたくさんあるから描き続けるよ!」という描き手がジャンルに残留することになるんだと思う。

SNSはそういうもの

ここでうっかりやりがちなのが、「でも絵が上手ければ飽きられないのでは? やっぱり私の絵が下手だから……? 上手くならなきゃ、個性を出さなきゃ、目を惹かなきゃ」みたいに見当違いの方向へがんばってしまうことだと思う。飽きられないためにおかしな言動をしたりして炎上したりするの、人気商売のかたがたにはありがち。

どんなに上手くても、どんなに個性が強くても飽きられる。絵が下手だからとか個性がないからとかではなく、【限界効用逓減】という現象です。ヒトの社会はそうなっている。

実際、「こんな素晴らしい絵描きがTwitterで無料で絵を公開してくれるんですか!?」というようなイラストでも、人はそのありがたさに慣れてしまう。

岸田メル先生のこのツイートを見て、しみじみそう感じた。(「イラストよりも自撮りや牛タンの写真の方がいいね多いんだけど!」というツイート)

人は、継続して供給されるもの(例えばイラスト。どんなに上手い人のイラストでも。)には慣れてしまい、満足度が下がっていく。そして目新しい刺激(例えば、お得情報のある飯テロ写真)には強く反応する。

メル先生は「SNSはそういうもの」とわかっていてネタにしておられるけど、ここで真剣に悩んでしまう人も多いんだと思う。

その2、時期的なものである

また、時期的なものもたぶんあると思う。

数値化されたデータがあるので私のブログを例に出すと、3月4月はアクセスが減る傾向にある。GWくらいからゆる〜っと盛り返して、長期休暇にもう少し増えて、また3月4月に減る。というのを繰り返しながら少しずつ少しずつ増えている。

そう、たとえば3月4月はみんなが忙しい時期。学生さんは進級やら進学やら就職やら、社会人は決算やら年度始め、親御さんは子どもの新学期で本当にみんな忙しい。自分のTLでもこの時期ぱったりと出てこない人も多いし、出てきてもTLを遡るヒマも気力もない感じ。

そんな状況で他人の絵をじっくり見て「いいね!」なんてできないですよ。

"他人の絵を見る"という行動は、生きていく上で必須ではないから。

ではいつからいいねが盛り返すの? GWには増えるの? と聞きたい人もいるかもしれないのだけど。

3月4月が過ぎたらいいねが完全復活で盛り返すかというとそうでもない。GWに元気が出る人もいれば、新生活がしんどくてお盆くらいまで潜ってしまう人もいるし、それをきっかけにSNSから距離を取る人もいる。後述する別の要素も絡んでくる。忙しいみなさんがいつTLに帰ってきていつまた絵を見てくれるようになるか、なんて分からないわけです。

逆に言うと「いいねが増える時期って新参ボーナス期のごくピンポイントでしかない」くらいに考えた方が正解に近いもしれない。

その3、どんなジャンルでも盛り上がりに波がある

また、どんなジャンルでも盛り上がりに波がある。特に今は作品数も多く、人の興味も移り変わりが早い。二次創作やファンアートの場合、かなりこの波に翻弄されることになると思う。

いま絶頂的な人気のあるジャンルだって、これがあと何年も続くかというとそうではない。今までも沢山のジャンルが盛り上がっては落ち着いていったわけで。

アニメ化で盛り上がって、ピーク過ぎてしばらく落ち着いて、映画化で新規ファンが入ってまた盛り上がって、また落ち着いて。それにともなっていいねが増えたり減ったり。

自分ももう放送が終わったアニメジャンルにいるんだけど、一挙配信でまた人が増えたり、ファンの気持ちが再度盛り上がったりして、pixivの昔の絵に反応が増えることがある。

そんな、自分の預かり知らぬ要素で一喜一憂していたら身がもたない。

その4、ツイートアクティビティをチェックしてみる

「でもでも、同じジャンルの大手さんは今もいっぱいいいねついてるよ。5000とか! 全然ジャンル下火じゃないよ。まだまだすごく盛り上がってるよ。私のいいねだけが減ってるんだよぉー!!」ということもあるかもしれない。

いや、その大手さんだってすっごくいいね減ったのかもしれない。ジャンル全盛期にはもっとついてたけど減って5000なのかもしれない。まわりの人たちも軒並み減って、それで今の数字なのかもしれない。自分のいいねだけが減ったのかどうかなんて分からない。

だから、いいねの数自体を人と比べるのってあんまり意味がない。

もしどうしても数字が大好きで、どうしても自分のイラストの評価を数字で確認したいなら、【ツイートアクティビティ】をチェックするという方法もある。

たとえばこれは自分のツイートアクティビティだけど、数だけ見ると「いいねが5分の1になっちゃってる!」と見える。けどインプレッションを確認すると「なーんだ、インプレッションが少ないからいいねも少ないのか」ということが分かる。

インプレッションは「誰かのTLに表示された回数」だからこの増減は単に運とかタイミングであって、私の絵が下手になったわけでも、ジャンルで嫌われたわけでも、意地悪でいいねをされないわけでもなく、人目に触れた回数が少なかっただけ。

人の興味は日々移り変わる

「人は、私の絵だけを見ているわけではない」というのは意識しておくと楽かもしれない。人って誰しも自意識があるから、良くも悪くも自分だけにスポットライトが当たっているように錯覚してしまいがち。なのだそうだ。

またSNSって"その瞬間にぱっと盛り上がれる刺激"を楽しむもの。ソシャゲにハマって推しキャラのことしか考えられないときもあれば、その推しキャラの声優が出ている別作品へ気持ちが持っていかれることもある。年度末のように、推し周辺のことをかまっている余裕がまったくないときもある。

みんながいつも自分のイラストを見てくれているとは限らない。

興味が一定とは限らない。

「同じ場所で描いていれば、いいねというのは減っていくのが自然なことなのかも」と思えてきませんか?

人の評価は変動ありきで自分の描きたいものを描く

「だったらいいねのために盛り上がってるジャンルを渡り歩くぜ! 効率よく新参ボーナスだけもらったらとっととおさらばだ!」というならそれもいいし、「見てくれる人が減っても描きたいものがある限り腰を据えて描くよ」というならそれもいいんだと思う。

人がいない時期にできること

せっかく人がいないんだから「空気がうわついていないこの静かな時間に、おろそかにしていたところを強化しよう」というのもいいんじゃないだろうか。劇場版が来るとかなんかのコラボがあるとかで、もし人が戻って来たときにはパワーアップした自分で新規の方々をお迎えすることができる。

脱毛とかも「肌を出す夏に焦ってやるより、まだ寒いうちにしておくといい」とか言うでしょう。

自分がやっていることはこんな感じ。

  • いろんな人の絵をじっくり見る
  • 上手い人の真似をして描いてみる(SNSにアップはしない)
  • 塗りの参考書籍を買って、クリスタをいじり倒す
  • 他の人のペースを観察
  • オンライン講座のお試しレッスンを受けてみる

特に塗りの練習って「早く投稿したくて焦っていつもごまかして塗っちゃう。いつかちゃんと身につけたいんだけど……」と思いつつやってないので、静かなときこそが自分にとってはチャンスだったりする。

あと自分はあまりやらないけど、コンテストに向けて描いてみる、添削サービスを受けてみる、などもできる。

逆に、しないほうがいいかもしれないこと

「私の絵がもっと上手ければいいのでは?」「見てもらうためにもっとたくさんアップすべきでは?」と焦ると泥沼にハマってしまう。

なので、いいねを取り戻そうとして焦らないことが肝要なのでは、と思います。

通常いいねは減るものであり、強引に何とかしようとするとどこかに無理が出る。

パクリに手を染めてしまったり、繋がりたい系ハッシュタグをつけてフォロワーを増やそうと焦ったり、人目を引くためだけにどぎついネタを描いてしまったり。ガックリきて「私Twitter向いてない……」みたいになってしまうとダメージだけがでかい。

私のまわりでも、急にポジティブ発言を繰り出すようになったり、バンバン描いてアップして「#○○好きさんと繋がりたい」をやったり、ぐいぐいフォロワーさんと交流しようとしたりして、「なんか最近やけにがんばってるな」とちょっと無理している感じがあったフォロワーさんが突然アカウントを消してしまった。多分何か自分なりにがんばってみようとしたものの、結果が出ずに心が折れてしまったのかな、と自分は感じた。

焦ってなにか行動してもだいたい裏目に出ると思うので、行動するならいいねのためじゃなく自分の絵をひっそりと磨くための行動をするほうが心も折れにくく建設的なんじゃないかと思う。

「いいねなんて、こういうもんなんだな」

「時期やジャンルの動向でいいねが減るのは分かった。じゃあいついいねが盛り返すの?」ではなくて、私は「いいねなんてそういうもんなんだな」と考えることにしている。

年度末で人が減っていいねが減ったら、ジャンルの動向の煽りを受けていいねが減ったら、「そうか、いいねなんてこういうもんなんだ」と気づくきっかけにできると思う。

と同時に「変わらずそこにいて、絵を見てくれる人がどれだけありがたい存在なのか」ということにも自分はちょっとづつ気づくことができた。

「いいねが減った!」と気にする人に「いいねなんて気にしないで!」と言っても無理だと思うんだけど。

気にしてもいいけど、「私はこんな、時期だとか、ジャンルの動向だとか、人の興味の移り変わりだとか、そんな数字に一喜一憂してるんだな。クスッ、かわいいヤツ」ということに気づいておくといいと思う。

あと【限界効用逓減】というのがあって、人は必ず飽きるんだってこと。自分の絵だけが飽きられないわけがない。

そこに気づいてさえいれば、無茶をしないですみそう。

人がいない時期は「焦らずのんびり練習できてラッキー!」くらいの気持ちで絵を描くことを楽しんでいきたい。

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