
「絵師に長文の感想を送りたいけど、ウザがられないかな?」という人向け、【長文でも相手の負担にならない感想の送り方】について。
最近ではSNSでの交流が主流なので、イラストを描いてアップするのもSNS、感想を送るのもSNS、という感じになっている。
イラストで交流がしやすいのはTwitterやpixiv、あとはソフトがなくてもブラウザでお絵描きできる手書きブログや完全クローズドのピクブラなんかも使っている人が多い。
どのSNSも気軽にやりとりできるのがメリットだけど、「絵師にがっつり感想を伝えたい」というときには物足りないかもしれない。
この記事では「長文で感想を送りたい」という人のために、
- 長文の感想はどんなツールで送るといいか
- 相手の負担にならない送り方
についてまとめている。
長文の感想を送れるツール
pixivのメッセージ機能
pixivのコメントは140字という字数制限があるけど、メッセージ機能は10,000字送ることができる。
LINEとかTwitterのDMみたいに、相手と自分しか見えないチャット形式だ。
ただ、「pixivのメッセージで嫌がらせを言われた」というネガティブな話題に上ることも多く、描き手にとっては少々よくないイメージがあるかもしれない。
またアプリではメッセージ機能が使えないため、「ふだんpixivのメッセージをチェックしていない」という人もいる。
マシュマロなどの感想受け取りツール
また、相手が感想受け取りツールを設置しているなら、それを利用するのがいちばんスマート。
例えば、AIが文面のネガティブ要素を検知したら相手には届けない『マシュマロ』。これは1,000字送ることができる。
最近は「感想ほしい派」と「感想いらない派」がときどきSNSで話題になるけど、相手が感想ツールを置いているということは「少々長い感想でも歓迎している」ということなので、安心して送ろう。
交流用のメールアドレスがあるならそちらへ
今はめっきり少なくなったけど、交流のためのメールアドレスを置いている人もいる。
ただ、「お仕事の依頼・お問い合わせはこちら」みたいなメールアドレスに感想を送ると「えっお仕事の依頼来たー!!!! ……ってなんだ、感想かよ!!!!」となるので注意。
どんなふうに書けば失礼にならないか
「感想を送るときはこうすべき」というマナー講座みたいなのは嫌だなと思うし、とらわれる必要もない。
けど、SNSのコメントみたいに他の人はどんなふうに送っているのかが見えないので、「長文の感想送りたいけど、どんなふうに書けばいいんだろう。引かれたり失礼にならないようにしたい」と迷ってしまう人もいると思う。
なのであくまでも個人的な感覚で、"どんな感想なら失礼にならないのか"というのを考えてみた。
例えば私がよくもらうタイプの感想は、こんな感じ。
「いつもイラスト楽しみに拝見しています。
最後のコマの○○の表情が最高です!
原作のシーンを思い出して、また読み返したくなりました。
あ!あと3月に出されたご本の××ネタがツボでした!(××は私の最推しなのです)
高橋さんの描くほっこりした世界に癒されてます。
暑くなってきたのでご自愛くださいね。それでは。(返信はお気になさらず。)」
基本的には、ネットでのメッセージというよりはお手紙のように意識して書くと相手も読みやすいかも。
この通りに書けということではない。
挙げたこの例には、いくつものありがたい要素が詰まっている。
- 最初にあいさつをしてくれている
- 作品をどんなふうに受け取ったか教えてくれている
- ほどよい距離感
描き手の立場からそれを(敢えて)解説していく。
最初に一言、あいさつを書いてくれている
これは決して「まずあいさつをしろや〜!」ということではない。
最初に一言あることによって「これは好意的なメッセージなんだな」と安心できるのだ。
基本的に感想をもらう方は、読むまで「これ、ネガティブなメッセージだったらやだな……(ドキドキ)」という"身構え感"がある。
知らない人からのメッセージは、やはり緊張する。
「私はあやしいものではなく、あなたの絵をいつも楽しく見ている好意的な人間です」と示し、安心させてあげるためにあいさつを。
実はこれがいちばん大事なんじゃなかろうか。
作品をどんなふうに受け取ったか伝えてくれている
描き手は、自分の発信したものを"受け取り手がどんなふうに感じたか"というのを知りたい。
絵師が感想がほしいほしいって言うのは、"褒めてほしい"とか"チヤホヤしてほしい"のではなく、"自分の表現したものが伝わったかどうか"を知りたいので。
なのでこの感想のように、どんなところに惹かれたかに言及してくれると、とても嬉しいし参考になる。
「どんなところに惹かれたか」といっても小難しく考える必要はなく、「ここが好き!」「ここがツボでした!」みたいな、感じたままでいいと思う。
たとえそれが作者の意図を外していても、「おや、想定外のところが見てもらえたんだな」とそれはそれでうれしいし、参考になる。
ほどよい距離感を保ってくれている
きちんと「ですます」言葉を使って、「!」などで適度にフランクさを出しつつもほどよく距離感を保ってくれている。
また過剰な自分語りはウザがられるけれど、まるっきり自分のことを言わないのではどんな人かもわからないのでさみしい。
「××は自分の最推しで……」というふうにさらっと自分のことを述べてくれていることで、親近感が湧く。
どうしても文字だけのやりとりなので、グイグイされすぎても怖さを感じたり、離れすぎても冷たく感じたりする。
なのでほどよい距離感って難しいんだけど、慣れだと思う。
※「w」とか「笑」、顔文字「^^」とかをどう受け取るかは人によるので、一概には言えない。
最後の一言が嬉しいこともある
伝えたいことを伝えて終わるのではなく、最後にねぎらいとかいたわりの一言があるとやっぱり嬉しく感じると思う。
たぶんみんな、仕事で疲れてたり、家事で忙しかったりする合間にメッセージを読んでいるわけだから、優しい言葉がしみるわけですよ。
文字だけのつながりだからこそ、一言が大事だったりする。
場合によっては「返信不要」と書き添える
その人が忙しそうだったり、コミュニケーションにあまり熱心ではないような場合など、文末に「返信不要」の旨を書き添えておくといいかも。
相手が「返事を書かなきゃ」と焦らなくて済むので。
人には【返報性の原理】というものがあり、「何かしてもらったらそれに見合うお返しをしなければいけない」という心理が働く。
責任感が強い人、真面目な人などだと、この心理で追い詰められて交流が苦痛になってしまうことがよくあるからだ。
気をつけたいこと
長々と書きすぎない
あまりに長文な感想は、たくさんもらうような人だと読むのもたいへんかもしれない。
好きすぎて伝えたいことがたくさんある! というときも、一度に全部書き尽くそうとせず、ほどよくセーブして次の機会にとっておこう。
もらう方も、ちょっとずつ何度ももらえた方がうれしいかも。
自分語り、キャラ語りは控えめに
自分のことに全く触れないメッセージというのも相手が見えなくてさみしいけど、自分語りが半分以上、みたいなのはもはや感想ではなくなってしまう。
キャラ語りも同様で、話せる相手を見つけてつい語りたくなっちゃうのはわかるけど、それは自分のアカウントで発信したり、作品に昇華させよう。
感想というフィードバックが、描き手の血や肉になる
まとめると、長文で感想を送るときはこんな感じ。
- 怪しいものではないことを示すためにあいさつを
- 仲の深くない相手なら「ですます」言葉で
- 自分がどう受け取ったかを伝える
- 文字だけのつながりだからこそ、いたわりの心を持つ
要するに、リアルの人付き合いと同じこと。
SNSでの短いやりとりと違って、長文の感想ならより詳しく気持ちが伝えられる。
感想を伝えるというのは、お世辞やおべんちゃらで褒めてあげることではない。
「受け手の一人として、自分は作品をどう受け取ったか」をフィードバックしてあげることだと思う。
また、作品を見て自分はどう感じたかを振り返り、言葉にしてみることで、自分の感性を磨くことにもつながる。
相手にフィードバックとして送ったことが、その後の作品、または何年か後の作品に反映されるかもしれない。
あのとき送った感想が相手の中で消化されて、その人の一部になっていく。
それってワクワクしない?