
「あの人、下手なくせに"アイコン有償で描きます〜"とか言ってる。自分は絵が上手いって勘違いしてるんじゃない??」「たいして上手くないくせに、まわりがちょっと褒めたら調子に乗って……あー勘違い絵師ってイライラする!」
このイライラ、どうにかしたい! という人のために、【勘違い絵師にイライラしたときの解決法】についてまとめている。
今はSNSがあるので他人の動向が丸見えになってしまい、よけいなイライラを抱え込むことも多い。
特にイラストを描いたり見たりする人の中にありがちなのが、「こいつ、自分が上手いと思って勘違いしてんの?」「こんな下手なくせに、なんでこいつ偉そうなの?」というイライラ。
この記事では、【そのイライラの原因は何なのかを知って、解消するヒント】について解説している。
イライラしたら、まず自分の心に聞いてみよう
自分もさんざん「なんだあの勘違い絵師!」とイライラした経験があるので、とても気持ちが分かる。
なんとなく他人と共有しにくいイライラだし、まわりはそれほどイライラしていないように見えるし。
自分一人でため込んで、苦しくなってきてしまう。
そういうときに、ちょっと自分の心理を分析してみると、意外なところに原因と解決法があったりするのだ。
理由が分からないイライラはほとんどが【同属嫌悪】
その勘違い絵師に、そんなにイライラするのはなぜだろう?
「下手なくせに絵が上手いと勘違いして、大口を叩いているから?」
「下手なくせに"絵のお仕事を募集中!"とかプロフィールに書いているから?」
「下手なくせに身の程もわきまえず、神絵師にリプしてるから?」
しかしどれも、特に実害があるわけではないはずだ。
「理由なんかないよ! とにかく"見ているとイライラする"んだよ」
という人がほとんどではないだろうか。
そう、その人を見ていると、何かイヤなものを感じてしまう。
"自分の中のイヤなものを見せつけられているようだから、イライラする"のである。
理由もなくイライラするという場合、実は【同属嫌悪】に起因することがほとんどなのだ。
シャドウとペルソナで"自分ルール"に気づく
人はみんな、「本当はこうしたいのに」という本音を、「でもこうあるべきなんだ」という建前で隠して生きている。
隠している本音を【シャドウ】、それを包み隠す仮面のことを【ペルソナ】なんて言ったりするのは聞いたことがあると思う。
他人にイラつくのは、自分が普段【ペルソナ】で隠している【シャドウ】を、その人の中に見つけてしまったとき。
そう、つまり自分は「上手いと勘違いするなんて恥ずかしいことだ」「下手な人は大人しくしているべき」と思って身の程をわきまえて、こんなに慎ましく生きている。
なのに!
勘違い絵師は恥ずかしげもなくそれをひけらかしている!
だからイライラするのである。
「ダイエット中はケーキ厳禁! 太ってるのはみっともないもんね。痩せなきゃ」とケーキを我慢しているのに、目の前で自分より太った人がケーキを食べていたら「なんでこいつ太ってるくせにケーキ食べてんの!?」とイライラするのと同じだ。
ここで大切なのが、"知らず知らず抑圧していた自分の本音を知る"ということ。
「ああ、"自分は絵が下手だから出しゃばるべきじゃない"と考えていたんだな」
「"下手な自分なんかが神絵師にリプしちゃダメだ"と我慢してたんだな」
絵を描くこととは関係なくても、
「"たいした能力がないくせに、まわりにチヤホヤされようとしちゃダメだ"と私はそう思っていたんだな」
「"取り柄がないくせに自分をアピールするのは恥ずかしい"と、自分はずっと我慢していたんだな」
自分が勝手に「こんなことしちゃダメだ!」「普通はこうあるべき!」と決めていた"自分ルール"に気づくことができる。
抑圧していた本音を解放してみてもいい
抑圧していた本音を知ることで、「そうか、私は本当はそうしたかったんだ」と納得し、それだけでもスッキリする人もいる。
そしてもし気が進むなら、"本当はそうしたかったこと"を実際やってみてもいいと思う。
「ヘボ絵師な自分なんかが神絵師にリプしちゃダメだ」という本音を抑圧していたなら、リプしてみてもいい。
「まだまだ未熟だからひけらかすべきではない」と思って人には隠していたような特技を、SNSでアピールしてみたっていい。
だって「ダメ」というのは自分が勝手に決めていただけなのだから。
自分の抑圧していた本音を解放することで、他人に対する激しいイライラは少しずつ薄まっていくはずだ。
他人を変えるのは難しいから、自分から変わる
"自分の抑圧していた本音が、イライラする原因だった"と気づけば、急に全部スッキリしてしまうこともある。
「この人の言動が、私の本音に気づかせてくれたんだな」と思えることもある。
とは言え。
とは言えね。
毎回SNSで勘違い絵師の言動を目にしていると、分かっていても全然イライラすると思う。そりゃあね。
しかしよく言われるのは"他人を変えようとするのではなく、自分が変わったほうが早い"ってこと。
手っ取り早いのが、相手との"距離"を変えてみること。
"距離"を変えると、良くも悪くも関係性が変えられる。
イライラのメカニズムは解明されたんだし、もう怖いことはない。
ここは敢えて勘違い絵師さんに近づいてみてもいい。
「料金設定は何を基準に決めてますか?」とか「今までどれくらい依頼が来たの?」なんて質問してみるとか。
グイグイ距離を詰めてみたら、"勘違い"以外はいい人だったりするかもしれない。
やっぱりどうしても合わないな、と思えば、「私に本音を気づかせてくれてありがとう。ここで君の役割は終わりました! 私は君から卒業します! さようなら!」と心の中でお礼を言ってミュートやブロックしちゃってもいい。
イライラの膠着状態を保つのがイヤなら、試してみるのもおすすめ。
暴言や愚痴を言ってしまう前に……
「あの勘違い絵師、腹立つよね!」と誰かに愚痴って、「え、なんで?」「そうかなあ?」なんてキョトンとされてしまったことはないだろうか。
「あんなに勘違いしたイヤなやつなんだから、みんなイライラしているに違いない!」と思っても、同じシャドウを持っていない人にはピンとこない。
だから暴言や愚痴を言っても、共感を得られるどころか「なんでそんなに怒ってるの? 怖い……攻撃的な人だなあ……」という印象を与えてしまうだけ。
もしかしたら「ただのあなたの嫉妬でしょ?」とか言われて、イライラが倍増してしまうかもしれない。
暴言や愚痴を言いたくなる気持ちも分かるけど、それは人に伝わるとは限らないし、根っこの解決にはならない。イヤな気持ちを補強してしまうだけ。
自分と向き合うのには勇気がいるけど、まずは自分の中にイライラを感じる原因を探してみよう。