「イラスト(似顔絵)のウェルカムボードを頼まれた。どんなふうに描いたら大切にしてもらえるかな?」
そんな人のために【大切にしてもらえるウェルカムボードの描き方】についてまとめている。
自分も似顔絵のウェルカムボードの依頼を(学生時代の友人を含め)いくつか受けたことがある。
しかし、新郎新婦にとっては私なんか赤の他人。
そんな赤の他人が、前撮り写真を送ってもらってボサッとその絵を描くだけではつまらないウェルカムボードになってしまう。
なので、写真を送ってもらうと同時に簡単なヒアリングをさせていただくことにしている。
その経験を元に、この記事では"どんなヒアリングをすれば、新郎新婦の心に寄り添うウェルカムボードになるのか"について書いている。
似顔絵のウェルカムボードはダサくなりがち
これは本当に人それぞれだけど、似顔絵のウェルカムボードというのはダサくなりがち。

似顔絵っていうのがそもそも、ダサさとあたたかみのはざまをたゆたっているものなので仕方ないけど、常に紙一重って感じがある。
正直、描くほうだってなかなかにこっぱずかしい。
私が受けた依頼人はみんな「ダサくない感じで」「寒くない感じで」「ザ・ウェルカムボードみたいなのはやめてほしい」という要望だった。
なぜなら「恥ずかしいから」「式のあと置き場所に困っちゃうから」。
式のあとで置き場に困るようなウェルカムボードは、とてもじゃないけど大切にされるとは言えない気がする。むしろ困らせている。
ウェルカムボード作成のためのヒアリング
二人の結婚式だから、二人の個性があふれたウェルカムボードにしたいもの。
新郎新婦をそっくりに描くことより"二人がどんなふうに出会って、どんな思い出を作って、今、結婚に至ったのか"を表すこと。
それこそがウェルカムボードの役割かと自分は思う。
そこでヒアリングがポイントになってくる。
具体的にどんなことをヒアリングすればいいのだろうか。
二人の思い出スポット、エリア
「二人の思い出の場所はありますか?」
→ これを聞くことで二人の思い出を背景に織り込むことができる。
例)ディズニーランドでデートを重ねたカップルだったら思い出のアトラクションを背後に描くとか、二人が浅草の三社祭で運命的な出会いをしたなら浅草モチーフを入れるなど。
共通する趣味
「共通の趣味はありますか?」
→ これを聞くことで二人のポーズや小物に個性が出せる。
例)二人ともゲームが趣味なら婚礼衣装でゲームのコントローラーを握っているイラストにするとか、料理が趣味なら二人で料理をしているところを描くなど。
二人の思い出の曲
「二人の思い出の曲はありますか?」
→ これを聞くことで二人のポーズや小物に個性が出せるその2。
例)ミスチルの『抱きしめたい』ならキャンドルを二人で灯しているイラストにするとか、RADWIMPSの『スパークル』なら二人が砂時計を持っているイラストにするとか。
「二人の合言葉や好きなフレーズはありますか?」
「二人の合言葉や好きなフレーズはありますか?」
→ これを聞くこと、個性のある文言を入れられる。
「welcome!」とか「MASA & YUKA」みたいなものもいいけど、他にあったらすてき。
二人の家族や飼っているペット
「描いてほしい家族やペットはいますか?」
→ これを聞くことで、家族の記念にもなるボードが描ける。
例)仲を取り持ってくれて、出会いの重要なきっかけだった妹さんを脇役的に描くとか、もう二人で同居を始めていて犬を飼っているならそのワンちゃんもファミリー的に描くなど。
※人数が増えるとその分手間もかかるので、料金や予算については依頼人ときちんと話し合う。
一生飾れるウェルカムボードを目指すには
似顔絵ウェルカムボードは式のあと家に飾りづらく、場所も取るので、最終的に捨てられてしまうことも多い。
しかしせっかくならば、一生家の中に飾ってもらえるようなウェルカムボードを目指したい。
一生飾れそうなウェルカムボードのポイントをまとめた記事はこちら。
モノクロにするなど色数を減らす。
似顔絵が飾りにくい理由は、とにかく色数が多いこと。
モノクロでシンプルなものだったらインテリアにもなじみやすく、飾りやすい。
ドアップを避けて余白を多めに
顔のドアップは圧が強いし、気恥ずかしい。
また余白を多めに取ることでオシャレに見える。
イラスト自体にそんなに自信がなくても、余白の取り方で絵になることが多い。
※ラフ確認はなるべく行うと良い
イラストの仕事をしていてもラフ確認をしない派の人もいるけど、個人的な考えでは、ウェルカムボードだけはなるべくラフ確認の工程を持った方がいいと思う。
一生ものだと心得て、なるべく気に入ってもらえるイラスト作りをしたい。
心も大事だけど、それだけじゃない
似顔絵のウェルカムボードってつい気持ちを込めて描いてしまうけど、式場に飾ることや、そのあと新郎新婦の自宅で飾られることを想像するのも大切。
長く大切にしてもらえるウェルカムボードを作成するには、十分にポイントを抑えてヒアリングをし、余白をあけてシンプルに仕上げることだと思う。
式のあとでどうするかは二人が決めることなので、間違っても「あのボードどうした?」なんて聞いてはだめだけど、一生リビングに飾られている風景を黙って勝手に想像するだけなら、きっと許されるだろう。