イラストレーターやデザイナーに向いている人とは?

イラストやデザインを仕事にしたい、というとき、気になるのが「どういう人がイラストレーターやデザイナーに向いているんだろう?」ということではないでしょうか。

条件はいろいろありますが、結局は「本当にやる気があるのかどうか」だと思います。

「本当にやる気があるかどうか」とはどういうことなのか、思うところを記しておきます。

描きたいものを描けなくても楽しめるかどうか

著名な漫画家からもよく「自分が描きたいことと編集が求めることが違って苦しんだ」などという話を聞きます。

イラストレーターも同じで、いつも自分が好きな分野や得意な絵が描けるとは限りません。

その時代の流行もありますし、依頼元のカラーもあります。例えばあなたがファンタジー系のイラストが得意でも、それを仕事で描く機会は下手すると一生ないかもしれません。

それでもイラストを仕事にしたいかどうかです。

「えー、好きな絵が描けないならいいや……」と興味を失うようならば、趣味でイラストを描いていた方が断然楽しいです。

SNSでお題のリクエストを募ってみると簡単に気付けます。

誰からのリクエストでも、一銭にもならなくても、どんなものでも楽しんで描けるような人は、絵を仕事にしても強いかもしれません。

逆に「最初はリクエストに応えてたけど、描けないものをかくのはめんどくさくなってしまった」という人は、仕事にするのも難しいと思います。

どんなときでも絵を描くこと自体を楽しめないとキツイです。

「だってプロはお金もらえるし、先生先生ってチヤホヤしてもらえるでしょ? 私だってプロになれば機嫌良く描けるよ〜! あープロになりたいお金もらって絵を描きたい」

と思う人もいるかもしれませんが、そういう方はどうかいつか私以外の誰かに罵られて目を覚ましてください。

お金をもらっても、有名になってチヤホヤされても、絵を描くモチベーションは上がらないです。

クライアントの要望を取り入れられるかどうか

当然ながらプロで絵を描く場合、取引先が存在します。

取引先は「お金を払って希望に沿う絵を描いてもらいたい」と思っていて、様々な要望をしてきます。

イラストレーターが自分のセンスで「完璧だ」と思って描いているものを、めちゃくちゃにする要望もしてきます。

ファンタジー系の絵なら「このエルフの耳を普通の耳にしてください。我が社のコンプライアンス的にこの耳だと問題なので」とか言ってくるかもしれません。

あとこれはよくあるんですが、イラストで手を描くとき角度によっては5本の指が全部見えるとは限りませんよね。

でも「指は必ず5本描いてください」という要望をされることが多いです。(「この絵は指が4本しかない、けしからん、五体満足ではない人体を載せるわけにはいかない」ということらしいです。)

そういう要望を出されたとき、「ハイわかりました」と不自然になっても5本指をねじ込めるかどうか。

「角度的に親指と人差し指しか見えないんだっつーの! 見りゃわかんだろ!」と思っても、「かなりのデフォルメ絵柄なのに指5本ある方がホラーだわ!」と思っても、不自然にならないようホラーにならないよう指を5本にできるかどうか。

自分のセンスやこだわりを、素人である取引先の一言で引っ込められるかどうかが問われます。

上の二点をうまくごまかせるセンスと画力があるかどうか

描きたくないジャンル、描いたことのないジャンルでもお金が取れる程度に仕上げられるか。

「そんなのむちゃくちゃだ!」という取引先の要望も飲んで、その上でお金が取れる程度に仕上げられるか。

それくらいの画力とセンスがないと、イラストで食っていくのは難しいと思います。

「センスが欲しい」「画力が欲しい」と苦悩している絵描きはSNSでも多いですよね。

それはあくまでも自分が満足できる絵を描くための純粋な「センス」と「画力」です。

「センス」と「画力」を高めたい一心で、みんな毎日絵を描いたり悩んだりしますが、仕事で求められる「センス」「画力」はそんな素敵なものではありません。

イラストレーターとして食っていくには、素人の的外れな要望を商品レベルに組み入れる「センス」、描きたくもないものを商品レベルに仕上げるための「画力」が必要になります。

それが楽しいと思えたり、やりがいを感じられる人こそが、言うなれば「イラストレーターやデザイナーに向いている人」です。

イラストレーターやデザイナーは、決して「好きな絵を描いてお金をもらえる」という仕事ではないということです。

それでも「絵を描いてお金をもらう」という生き方をしたいかどうか。プロに向いている人は結局そこだと思います。

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