絵描きが感想を欲しがる理由「自分の絵がどう伝わったかを知りたい」

絵描きが感想を欲しがるのってなぜ? そんなに褒めてほしいの?

絵描きがよく"感想もらえると励みになります"って言っているけど、どんな感想を求めているのかな?

と疑問に思っている人向け【絵描きはたぶん、「自分の絵がどう伝わったのかを知りたい」のかも。チヤホヤされたいとかではないのです。】という記事。

絵描きが「感想もらえると励みになります」と言っているのに対して「感想クレクレがうざい」と感じる人もいるのだそうだ。同じく絵を描く者として「そこにはたぶんちょっと誤解もあるのでは?」と感じたので、【絵描きが感想を欲しがる理由】について考えてみた。

感想を欲しがる人と欲しがらない人がいる

まず、絵を描く人の中にも積極的に感想を欲しがる人とそうでない人はいる。

※自分はどちらかというと欲しがらない、期待しないタイプ。欲しくない・いらないとかではなく、もらえれば嬉しい。けど、もらえることを期待はしない。

中には「感想要らないから送らないで」みたいな極端な人もまれに見かけるけど、「だったら絵をSNSに投稿しないほうがいいのでは……?」と自分などは思ってしまう。

絵描きの中にもいろいろなタイプがいて、同じ絵描きでも理解が及ばないこともある。

「感想クレクレ絵描きって、チヤホヤされたいの?」←よくある誤解

絵描きが「感想ください!」と言っていると、「え……そんなに褒められたいの?」「臆面もなく褒めてアピール? そんなにチヤホヤされたいの?」「みんなに注目されたいかまってちゃんなの?」というふうに受け止める人もいるようだ。このブログの検索ワードでも「感想クレクレ うざい」みたいなのが一定数ある。

「感想ください」と言われると、なんとなく「褒め」を強要されているように感じて面白くないのかもしれない。

あくまでも自分の場合の話をするしかできないけれど、絵描きの「感想ください」というのはなにも「褒め」や「チヤホヤ」を強要しているわけではない。

ただ「自分の絵がどう伝わったか」を知りたいんだと思う。

コウモリが暗闇を飛ぶときに超音波を出すけど、あれは跳ね返ってきた超音波でまわりの地形を把握するため。絵描きも「絵」というつかみどころのないものを作り出すにあたって、少なからず、まわりから跳ね返ってきた反応をヒントに前へ進んでいる。

何も反応がないとただの真っ暗闇なので、自分の今いる位置や方向が分からなくなってしまうことがある。

絵描きの「感想ください」は、暗闇の中で両手をアワアワと前に突き出しながら「あれっ? 前ってどっちだ? 誰かー、いますかー、誰かー」と言っている状態に近いのかもしれない。

もちろん人による。「補助的にひと声かけてもらえるならば、それはそれでありがたい」くらいの人もいるし、暗闇の中で何も無しで自分の感覚だけでずんずん進める人もいる。

絵描きは「自分の絵がどう伝わったか」を知りたがっている

「自分の伝えたかったことが表現できたかどうか」を知りたい

絵を描く人、文章をかく人、もしかしたら歌を歌う人などもそうかもしれないけど、いわゆる表現する人たちは「これを表現したい!」というイメージやテーマがある。

だから「果たしてそれは相手に伝わったのだろうか?」ということを知りたい。

テーマと言ってもメッセージとかじゃなく、「ここの光の表現を柔らかくしたくてがんばった、伝わるかな」「このコマの表情、本当は悲しいんだけど無理に笑ってる感じを自分なりに上手く描けた、どうかな」みたいな、ほんのささいなポイントであることも多い。

がんばって絵を描いてる人ほど、一枚の絵の中にそういうポイントがたくさんあるだろう。

「自己満足だけで終わらずに、何か伝わっていたらいいんだけどな」

という気持ちでフィードバックを求めるのではないかと思う。

※自分の場合は完全に趣味で描いていることもあり、それほど「伝える」ことに重きを置いておらず「伝わっていてもいなくてもいいや」「伝わる人にだけ伝わればいいや」くらいの感覚なので、さほどフィードバックを必要としない。

「どんなふうに伝わったか」を知りたい

また、「受け取った人がそれぞれどんな解釈をしたかを聞いてみたい」という人も、自分のまわりにはいる。

いわばいろんな解釈をしてほしいし、

受け取った人がそれぞれイメージを広げてほしいし、

それを聞くのが楽しい。

自分が投げた石がどんな波紋を描くか、ワクワクしている感じ。

「この解釈って作者の意図と合ってるかな?」などと臆することなく、自分の感じたことを送ってあげると喜んでもらえるのではないかと思う。

※自分の場合は「きっと何かしら、感じてくれる人は感じてくれているだろう」くらいに考えており、もしそれを教えてもらえれば嬉しいけど、教えてもらえなくてもそれはそれでかまわない、と考えている。

中には厄介な感想クレクレちゃんもいるのかもしれないです

ただ、やっぱり中には「褒めてほしい、私の価値を認めてほしい、私が喜ぶ感想をくれ、もっともっと」みたいな厄介感想クレクレちゃんもいるのかもしれない。

実際、感想もらってもTwitterとかで「はーROMの感想なんかいらんのに」「(ほしいのは神絵師からの賞賛であり)ヘタレ絵描きに褒められても嬉しくない」みたいに言ったりする人もいる。

自分で自分に価値を感じられていないため、(すぐれた)他者に認めてもらうことで自分の価値を感じたいのだと思う。いわゆる【承認欲求】のためだけに「感想クレクレ」している。そりゃあこういうタイプもいるだろうと思う。

ただ、「感想ください」と言っている絵描きがみんなこうだと思われてしまうのは心外だなと感じたので、自分はこういう記事を書いてみた。

感想を伝えるのってたいへんですよね

自分はブログを書いているくらいだから文章を書くことがそれほど苦にならない。けど、文章を書き慣れていな人にとってはなかなかたいへんだし、「イラストに感想をくれ」と言われても難しいというのもすごく分かる。

「感想ください」と言われると、なんかいいところを見つけて長々と褒めなきゃいけない気がするというか、「作者が伝えたかったことは何か答えよ」と言われているみたいで、苦手に感じる人もいるかもしれない。勢いあまってそれが「私の苦手なことを気軽に要求しやがって!!」と反感になったりするのも分かる。

絵描きが求めているのはそんな国語のテストみたいなのじゃなくて、もっとシンプルに「自分のイラスト、どんなふうに伝わったのかな?」ということなんだと思う。

「感想ください」と言っている絵描きを見かけたら「あー、暗闇で超音波出してて、跳ね返って来ないから立ち往生してるんだな……」と思っていただけると、無駄に腹が立たないかもしれません。

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