「あの人絵が下手なくせにいいねが多いのはなぜ?」と思ってしまったら

Twitterを見ていて、

「なんでこんな下手な絵にいいねがいっぱいついてるの?」

「こんな下手な絵にいいねの数で負けて悔しい!」

と思ってしまう人って多いと思う。

この記事では、そのモヤモヤを整理して抜け出す方法についてまとめた。

「あの人、下手なくせになんで?」という気持ちを抱いてしまうってこと自体、あまり精神状態が穏やかとは言えないだろう。

たしかに、そこまで絵が上手くなくてもいいねをたくさんもらっている人はいる。

嫉妬やモヤモヤで絵を描くのをやめたくなる気持ちもよく分かる。

でも他人の絵に対して「私より下手なくせに!」と思ってしまったら、ちょっと立ち止まって考えてみるといいかも、ということについて書きます。

その絵は本当に、あなたよりも下手なのか?

自分の絵は自分が思っているほど上手くないかも。

人には誰でも【優越の錯覚】というものがあって、誰しも自分の実力を実際より高く見積もる傾向がある。これは社会心理学でもよく話題にされる。

経済学者がアメリカの高校生を調査したところ、自分を平均以下だと考えるのは5%以下でほとんどの生徒が「自分は平均以上である」と回答したとのこと。みんながみんな平均以上なわけがないので、知らず知らず自分の能力を過大評価しているということになる。

特に自分の得意なことならばなおさらバイアスがかかる。

ただこれは人間誰しも持っている錯覚で、むしろこれがないと心の健康上よろしくない。みんな自分を過大評価して気持ちよく生きていて、人ってそういうものなのだ。

他人の芸を見て、あいつは下手だなと思ったら、そいつは自分と同じくらい。

同じくらいだなと思ったら、かなり上。

うまいなあと感じたら、とてつもなく先へ行っているもんだ。

古今亭志ん生

ただ、なにか芸事をする場合には、そこのところをわかっていないとおごって失敗するよ、というのが志ん生師匠のお言葉なんだと思う。

自分の絵は自分が思っているほど上手くないんだろうな、というふうに、自分も割り引いて見るようにしている。

※あくまでも「自分が思っているよりも上手くない」という程度のことなので「私の絵は下手なんだ! 下手なんだ!」みたいに思えということではないです。

人は誰でも自分のことを客観的には見られないし、ましてや数値で測れないイラストの上手い下手なんて正しく判断できるわけがない。

だったら、そもそも「私の方が上手いのに」というその前提が正しくないのかもしれない。

また年齢が若いほど(年齢だけが要件ではないけど)、自分を他の人と比べて特別だと思いたがる【自己特別視】の傾向がある。

その自惚れは大きな原動力にはなるけど、早めに自分の思う自己像と現実をすり合わせておく方が、正しい努力をしやすくなる。

つまり、「自分は思ってるほど絵が上手く描けてないんだな、羨んでないで人からいいところを吸収して練習しよう!」と気づけるってこと。

自分の場合、むしろそこからやっと一歩が始まった気さえする。(30歳すぎて)

その絵の良さに気づけてないだけかも。

「こんな下手な絵になんでいいねがいっぱいつくの?」という疑問を持つ時点で、その絵を「下手だ」と断定してしまっているのも問題かもしれない。

絵のうまさというのはひとつではないからだ。

流行っている漫画を見ても分かる通り、構図、色彩、描きこみの細かさ、その絵が表している世界、人物の表情、光の表現、流行り……絵の要素というのは、それはもう多岐に渡る。

自分の母親は絵に疎い人だけど、いわゆる【ヘタウマ】でブレイクしているイラストを見ると「どうしてこんな絵が流行っているの?」と疑問に思うようだ。

しかしいわゆる【ヘタウマ】作品というのは「こんな線は技術で狙って描けるもんじゃないよな」とか「このへんを描くのがんばったんだろうな」「ワンパターンだけど、きっとこの色合いが好きなんだろう。この人の味になってる」とか、ハッとさせられることも多い。

あなたが単に「下手くそ」と感じる絵にも、あなたの意識していない「良さ」があるのかもしれない。

絵柄には流行りもあるから、「なんだこれへんちくりんだな」と感じたその絵も、あなたの知らない流行なのかもしれない。

あなたが流行を知らないだけ、もしくはそれを好きじゃないだけかもしれない。

絵の良さを正確に語るのは、たいへんに難しい。

しかも素人が他人の絵を「下手くそ」と決め付けてしまうのは、そもそも無理があると言えよう。

「いいね」は「上手いね」ではなく「分かるー!」

絵を描かない人にとっては、そもそも絵が上手いとか下手だとかはそれほど重要ではないと思っている。

いいねをたくさんする人のいいね欄を、そっと見せてもらうといいと思う。

そこには、「その人に刺さったもの」が詰まっているだけ。

人は好感を抱いている人の絵にいいねをする

上手い絵にいいねするわけじゃない。

"基本的に、人は他人の絵に興味なんかない"ということも忘れてはいけないことだと思う。

自分も絵を描いている人は他人の絵にも興味を持ってじっくり見るけど、絵に興味を持たない人にとっては(よっぽど上手い絵でない限り)上手いとか下手とかってたいして分からないしどうでもいいんじゃないだろうか。

だから上手い絵にいいねをするというより、仲のいい人が描いた絵にいいねする。義理とか、まわりがみんな褒めてるからとか、なんとなくとか。

特にSNSのイラストなんてそんなものだ。

交流をすることが、絵に興味を持ってもらうきっかけになる。

相互フォローだけど全く交流がなく、「この人ってなんで相互なんだっけ?」みたいな人の絵と、日頃から交流をしていて「何となく好きだな」と感じていたり、内輪で義理があったりする人の絵

だったら、どちらにいいねをするかというと後者だろう。

つまり、

交流することで自分に興味を持ってもらう

描いているイラストにも興味を持ってくれる

好意(や義理)の表れとしての「いいね」をくれるようになる

ということ。

別に好感度を稼げ、ということではなくて、いいねというのはそういうもんだってこと。

言い換えれば、SNSのいいねなんてその程度の指標でしかないってことだ。

誰かにいいねがたくさんついていたら、カッとするのではなく「この人はフォロワーさんに愛されているんだな」と思えば、自分も優しい気持ちになれるんじゃないだろうか。

Twitterでいいねが多い人は交流をしている

交流したければする、したくなければしなくていい。

つまり、すっごく絵が上手くなくてもTwitterでいいねをたくさんもらう人は、日頃からフォロワーと交流をしている。

なんて言うと、

「えー……交流は苦手なんだけど……」

「それって結局いいね返し狙いでしょ? そうじゃなくて、私は私の絵だけで評価されたいんだよ!」

と反発を感じる人もいるだろう。

でも上で述べたように、よっぽど上手い絵でない限り、SNSでのいいねは好感度や交流度合いに左右される

「あー、ならいいや、いいねたくさんもらわなくても。自分の好きな絵を描こうっと」と思える人はそれがいいし、「じゃあ私もたくさん交流して、たくさん絵に興味を持ってもらいたい!」と思う人はそうするのもいい。

どっちでも自分のしたい方をすればいいのだ。

Twitterでの交流ってどうすればいいの?

「私は仲間内のいいねが欲しいからもっと交流をしていこうと思う! けど……ホイホイ絡みにいけたら苦労はしないよ」と思うかもしれない。

自分もそうだからよくわかる。

「うざくないかな」「誰こいつと思われたらどうしよう」「わーさっきのリプなれなれしすぎたかな?」「あーやっぱ話しかけない方が良かったかも……」ってどぎまぎしてしまう。わかりすぎる。

でも、そうじゃなくてもっともっと簡単で、シンプルなことで、

交流とは、相手の呟きに興味を持つこと。突き詰めればそれだけだと思う。

何かしら感じるものがあればいいねをしたり。

勇気と元気とタイミングがあるときだけ、「あ、それ私も食べたことあります、チョコ味も美味しかったですよ!(といいねをそっと添える)」なんて簡単なリプをしたりするだけでもりっぱな「交流」。

相手も絵を描く人なら、その絵のいい部分、自分では描けない表現などを見つけてみる。

もし勇気と元気とタイミングが合えば、「ここが好きです」とさりげなく伝えてみる。

これは交流でもあるし、自分の絵のスキルにも大きくプラスになる。

つまり、対等な人と人同士として、自然につながっていればそれが「交流」なのだ。

絵を通してコミュニケーションをはかる

また、いいねの数は「上手いね」の数ではなく、「わかる〜!」の数だ。

つまり人は、"共感できて、自分も参加できるイラスト"にいいねする。

だから、見る人が反応しやすい(ツッコミを入れやすい)イラストを描くといいねも増える。

子育てあるあるやペットあるあるがバズるのは、同じ経験をしている人が多く、反応しやすい、一言言いやすいから。

いいねをたくさんもらう人は、共感しやすく参加しやすいイラストを描くことで、ごく自然にコミュニケーションをしているのだ。

ただ、独身者が多いクラスタで子育てあるあるを描いてもピンとこない。

"いかに需要のある場所で描くか"ということにも左右されると思う。

他人のいいねの数に悔しくなったら

Twitterでもっとたくさん自分の絵に興味を持ってほしいと思うなら、よっぽど上手い絵でない限り、一方的に見てもらいたがっているだけでは難しい

「私より下手なくせにいいねがたくさん、なんで!?」と感じたら、

  • 謙虚に自分の絵を見つめ直すきっかけにする
  • 交流して、自分や絵に興味を持ってもらう努力をしてみる

私の場合だけど、小さい頃から絵を描いていて、母親に「見て! 見て!」とそりゃあしつこかったらしいのですが。

その名残なのか、「自分が描いたら見てくれるべき、そして褒めてくれるべき」みたいな考え方を、大人になってもどこかでしていたような気がするのです。

でも、フォロワーはお母さんでも担任の先生でもないわけで。

一方的に自分の絵を見てもらおうとするのではなく、対等な交流をして相手のことに興味を持つことから始めてみるといいのかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました