自分で描いたイラストなのに、パクリだと言われた……どう対処したらいいのだろう?
パクりだと言われないためにはどうすればいいのかな……
という絵描きさん向け【自分で描いた絵をパクりだと言われないために、SNS投稿時に気をつけるといいかもしれないこと】について。
「絵が似ている」と言っても、その判断基準は主観によるものが大きい。構図を丸々真似したとか模写をしたとかではない限りそれはパクりとは言えないので、いわれなき非難は静観する、もしくは度合いがひどい場合、中傷として申し立てをすることもできる。
ただ「できればそういうめんどうを起こしたくないな」という程度であれば、SNSにイラストを投稿する際に気をつけられることもあると思う。
この記事では、
- なぜ絵が似てしまうのかという原因
- それぞれの原因ごとの対策で、できること
について考えてみている。
誰かの絵と似てしまうとき、考えられる原因
実際その人の絵柄に影響を受けているケース
まず、自分が憧れていて影響を受けている絵描きさんの絵とどうしても似てしまって、それを「パクりだ」と言われるケース。
初心者ならたいてい好きな絵描きさんの真似から入るだろうし、絵柄が似てしまうのもよくあることだと思う。生まれたてのヒナが最初に見たものについていくのと同じ感じ。次第に他の人の絵もたくさん見るようになり、いろいろな要素が混ざって自分の絵柄が確立されていく。巣立ってヒナではなくなる頃は、もう最初の「親」の面影はほとんど消えている。よーく見れば名残はあるけど溶け込んでしまっていて、そんな状態ならもう誰もパクりとは言わない。
ただ「SNSの絵描きさんに憧れて人生で初めて絵を描き始め、同時にSNSに投稿も始めた」とかの場合、まだ「親」の面影が色濃くかなり似た絵を投稿し、それを多くの人目に触れさせることになる。なので「絵柄が似すぎている=パクりだ」というような非難を受けることがあるのかも。
「絵柄の著作権」というのは立証するのがかなり難しいらしく、絵柄が似ているからと言って法的にはどうこうという問題ではないものの、ファンの方々からすると「○○さんの絵をパクられている」と感じるのかもしれない(これは他人の気持ちなのでコントロールできない)。
解決策としては、もっといろいろな人の絵を見て、好きな絵柄やお手本を複数持ち、たくさん描くことで、いろいろな要素が混ざって自分の絵柄が確立されていくのだと思う。
※「っぽい絵」なら著作権うんぬんを問うのが難しいけれど、構図をそのまま真似したり、オリジナルイラストのキャラの造形をそのまま真似したりするのはしっかり【盗作】になることがある。
全然知らない絵描きさんのパクりだと言われてしまったケース
困るのは「全然知らない絵描きのパクりだと言われた!」というケース。SNSの絵描きが悩んでいるのって、このパターンが多いのではないかと思う。
同じ絵描きに憧れて影響を受けているからお互いの絵も似る
考えられる理由としては、お互い同じ絵描きに憧れて絵を描いているのでどうしても絵が似てしまう、つまり「実は親が同じだったので子ども同士が似てしまっている」というケース。同じジャンルや同じ系統の界隈だとそういうこともあるかも。
これはお互いにどうしようもないし、かと言ってネット上で絵を描く以上避けて通れない。「そういうこともあるよね」と割り切るしかないんだと思う。
同じポーズ集を使っているから構図が似まくる
あと、単純に「同じポーズ集や構図集を使っていたりして構図が似まくる」ということもある。
その界隈やそのジャンルで話題になってみんなが買ってる教本などがあると、どうしても同じ構図の絵が複数生み出される。
向こうがパクっているケース
もしかしたら、向こうがパクっているというケースもあるかもしれない。
SNSって「フォロワー数が多い方が正しい」みたいになってしまうことがままあるので、真実は逆なのに、数の少ない方が「パクった」ように判断されて非難されることも。自分も数え切れないほど見てきた。
これはメディア欄を遡れば検証できることだから、黙って正々堂々としていればいいと思う。
自分も以前とあるモチーフを仕事で描いたところ、その一年後に同じようなモチーフを有名イラストレーターが描いていてヒヤッとしたということがあった。
そのモチーフ自体はありがちで誰でも思いつきそうなものだったから、かぶったことに対しては自分は何とも思わなかったしパクられたとも一切思わなかった。自分の関わった商品が、その有名イラストレーターの目に入ったともとうてい考えにくいし。
ただ、「もしファンの方々が知ったら、こちらがパクったと思われちゃうのでは!? 数では絶対に勝てないんだけど!」という不安はものすごくあった。特に非難されることもなかったんだけど。(単に私の自意識過剰だったわけだけど)
明らかにこちらのほうが先だったという明らかな証拠があるなら、ヒヤヒヤドキドキはするかもしれないけど堂々としていれば大丈夫です。
パクリと言われないためにどうすればいいのか
ポーズ集や構図集の出典を記す
ポーズ集や構図集を使う場合、「このポーズ集を参考にしました」みたいに記しておくと、少なくともパクり疑惑には発展しない。
同じポーズ集の同じポーズを参考に描いている絵描きとポーズが丸かぶりしたとしても、「二人で同じポーズ集使ってるのね」ですむ。
出典を書くだけで、いろいろなやっかいを事前に防げることって多い。
好きな絵描きさんのことを公言する
これは自分の場合だけど、好きな絵描きさんのことを日頃から公言している。
上でも書いたけど、誰かの絵柄を参考にしたり影響を受けたりするのは絵描きにはよくあることで、特段咎められることではない。むしろ最初は真似から入るというか、いきなりオリジナルは生まれないわけで。
だから、「誰かの絵に影響を受けて絵を描いている」ということは、何も悪いことではない。
ではなぜ「パクり」と感情的に非難するのかというと、「こっそり真似しやがって姑息だ、こっそりやるのはやましいからに違いない、そんなズルは許さんよ!」みたいなニュアンスの批判なのかもなあと思う。(よく分からないのでこれは推測です)
この自分なりの仮定を踏まえて、「私は誰の影響を受けていて誰の絵柄を参考にしている」というルーツを日頃から明らかにするようにしている。そうすれば、こっそりではなくなるから。やましいところがないこともはっきりさせられるから。というか好きな絵描きさんのイラストはリツイートしたいのでしている。
そうするともし「絵柄が似ているな」と思われても「あ、やっぱり? なんとなくこのへんが似ていると感じていたんだよね! そっかそっか」ですむんじゃないか。
でも、絵柄が似ていることは批判されるようなことではないということは、繰り返し書いておきたい。
連絡ができる相手なら一言連絡する
それでも誰かとアイデアが丸かぶりしてしまうということはある。特に二次創作の場合は「お決まりのパターン」というのもあるので、いろいろかぶりやすい気がしている。
自分の場合は、連絡ができる相手なら一言「ネタがかぶっちゃってたんだけど、ごめんなさい」という旨を連絡することもある。交流があって信頼関係がある相手ほど、おかしな誤解をされたくないので。逆に言うとそれ以外の人には自分の預かり知らぬところで誤解されていても、それはもうあきらめる、ということでもある。
「似てますね」と言われても、非難ではないこともある
一度パクり疑惑をかけられたことがあったりすると、「誰々と絵が似てますね」みたいな言葉に過敏になってしまうことってある。
でもそれは非難ではなくて「ただ感想を言っているだけ・褒めているだけ」ということも多い。他のものを引き合いに出したり、比較しないと感想を言えない人というのもいるし。
「絵が似てる=パクりって言われた!」とパニックになる前に、言われた言葉を言葉通りに受け取ってみるといいかも。
本当に丸パクリをしているとかではない限り、絵柄が似ている程度なら咎められるいわれはないはずなので。