何ヶ月絵の練習を続ければ上手くなれるの?→10000時間ですってよ

私はつい最近絵を描き始めたところなんですけど、2、3ヶ月くらい必死でやれば神絵師になれたりしますかね?

私はもう1年以上も必死で絵を描いているのに上手くならないんです、これってやっぱり才能がないからですか?

という人向け【ものごとに習熟するには10000時間かかる、という『10000時間の法則』があります】という記事。

楽しくて絵を描いている、好きで好きで描かずにはいられないから描いている、という人は「絵ってどれくらいの期間練習すれば上手くなれるのか」なんてことはあまり気にしていないと思う。

だけど、「早く上手くなって神絵師みたいになりたい」「絵で10代のうちに成功したい、何者かになりたい」みたいな人は、とにかく効率が気になるのかもしれない。

2、3ヶ月で手っ取り早く上達して神絵師とかプロになりたいという人はガッカリするかもしれないけど、人間が一つのことに習熟するまでには10000時間かかるという、有名な【10000時間の法則】というのがある。

って、これ昔の自分が聞いたら「でも10000時間の法則ってウソだって聞いたけど? 根拠は?」「そんなの人によるでしょ? それは才能やセンスがない人の話であって、私はそこそこ才能もセンスもあると思うからもっと早いと思うんだけど!」などと厚かましく身の程知らずな反論をしたかもしれないなあ……。

と恥ずかしくなったので、「10000時間の法則とか絵の上達について、今だったらこう考える」ということについて記事にしてみた。

10000時間かけようと思えば、いろいろ気が楽になる

ものの本によると、生まれた環境や育った環境、10000時間の積み重ね、さらに時代の波が重ならないと天才は生まれないんだそうだ。

たとえばバイオリン奏者を集めて調べてみたら、「ソリストレベルの人は皆10000時間以上の練習をしており、それ以下の人は練習時間が10000時間以下だった」というデータがあるのだそう。

「いや才能も関係するって! ソリストなんてどうせ親も音楽家とかなんでしょ? その時点でアドバンテージあるじゃん」とか「そもそもバイオリンを習い続けられる経済力がないと無理なんだから、努力よりも生育環境が大事なはず」いろいろと反論や批判もあるデータなのだけど。

「才能とかセンスとかを練習時間でカバーできるかもしれないんだ」

けど、才能とやらがあっても親が金持ちで思う存分習わせてくれても練習を積み重ねなければ上達しないってことだし、自分に生まれ持った才能やらセンスがなかろうが経済的に裕福でなかろうが10000時間もの練習を積み重ねることで上達してくる、ということでもある。

実はここらへんこそが【10000時間の法則】の真のロマンなのではないだろうか。と今の自分は思う。

たいへん幸せなことに、絵はバイオリンと違ってお金がなくても描き続けられるのだし。

「1日3時間やっても10年かかるんだから、まだまだ下手で当たり前なんだ」

では10000時間やるには1日どれくらい練習すればいいのか。

1年:10000時間÷365=27.3時間

2年:10000時間÷365×2=13.7時間

5年:10000時間÷365×5=5.4時間

10年:10000時間÷365×10=2.7時間

1日3時間弱やっても10年かかる。普通の社会生活を営みながら毎日3時間はなかなか捻出できないだろうから、無理なく練習を続けようとすれば20年くらいかかるんじゃないだろうか。

こうしてみると「1年で上手くなりたいなんてなかなかの無茶だな……」と自分の驕りに気づけるし、「1日3時間やっても10年かかるなら、今の自分がまだまだ下手でも当たり前なんだな」と気も楽になる。

「結局のところ、毎日コツコツやっていけばいいんだ」

毎日コツコツやっていけば、誰でも10000時間積み重ねることができる。

「私にはセンスも才能もないのに、練習して意味あるの? 時間のムダになるんじゃないの?」とか言ってないで、そっか毎日コツコツやっていけばいいんだ……と思えるというのはかなり精神衛生上よい。今日のこの30分も10000時間への一歩なわけで。

ただ、絵を描く習慣を続けるには根性だけではどうにもならない。毎日続けやすいルーティン作りなりモチベーションを維持する工夫なりも必要になってくるよなあ……と思ったので、コツコツ続けるのが苦手な自分は理屈と知恵をふりしぼってどうにか続けやすいように考えてみている。

  • 取りかかるまでのラグをなくす
  • 「ながら」お絵描きをする
  • 「まで時間」を使っていく
  • デッサンするなら部分デッサン

こんな感じで「根性をなるべく使わない工夫」を考えてみています。↓

どうせ続けるなら効率のいい練習方法で続けたいけど……

いくら毎日とにかく描くといっても、効率のいい練習とそうでない練習というのはあると思う。

たとえば手癖で好きなキャラのバストアップをびゃっと描くだけでは上達もしないだろうし飽きるし、飽きたら苦痛になるし、そしたら練習時間もそこで止まってしまう。

「じゃあどんな練習方法がいいんだろう!?」となってしまいそうだけど、焦る必要はない。なにしろ我々は10年以上、なんなら20年じっくりかける気概でやっとりますからな!

SNSで見かけた練習方法を真似してみたり、フォロワーさんおすすめのデッサン本を買って模写してみたり、オンライン講座を受けてみたり、もしかしたらこれからどハマりしてほっといても毎日描きまくりたくなるようなジャンルに出会うかもしれないし、参加してみたいイラストのワークショップができるかもしれない。20年あるからそれはもうなんでもあれこれ試してみることができる。

10000時間ってもちろん「そんなにかかるのか……」という大きな壁にも感じるけど「じっくり10000時間かけてもいいんだ! 私には10000時間もあるんだ!」という余裕でもあると今の自分は思う。

まずは始めてみて、続けたかったら続けてみる

10000時間と考えると「2、3ヶ月で神絵師になれる?」とか「一年続けても上手くならないからもうダメだ」とか、ほんの目先のことで一喜一憂しているにすぎないなと感じる。

TLで見る神絵師も、同じジャンルで仲良しの絵師さんも、筆者も、だいたいみんな10000時間の途中にいる。中にはとっくにそれを超えている人もいるだろう。

何も「10000時間やらないとそこまでは一切結果が出ない」とかじゃなく、だんだん上手くなりながらの10000時間、ということです。だから途中でやめてもそこまでのはちゃんとたまっているし、ムダではない。

あと、絵の練習で積み重ねたものって期間が空いてもリセットされないと自分は考えていて(筋トレだって少々休んでも筋肉が全て無に帰すわけではないらしいですね)、だったらたとえ5年6年休んでもまた続きから再開できる。

「10000時間も続けるなんて無理だからやーめた」ではなくて、まずは1時間を始めてみて、面白いなと思えば続ければいいのだし。面白くならなかったら休んでもいいしやめてもいいし、面白くなりすぎて気づいたら10000時間続くかもしれないし。始めてみないことには分からない。

絵の上達って、一生かけて遊べる育成ゲームくらいの感覚が近いんじゃないかと思う。

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