自分の絵に自信がなくなったとき、やってみたらマシになったこと3つ

「渾身の絵にいいねがつかなくて自信なくした…」

「自分よりはるかに絵が上手い人を見ちゃって自信なくした…」

など、自分の絵に自信が持てなくてつらい人向け【自信が持てなかった時に私が試してみたところ、ちょっとマシになったこと3つ】についての記事。

「絵に自信が持てない……」とさんざん悩んでググっても、納得できる答えなんてなかったと思う。

「自信が持てなくてつらい」つってんのに「大丈夫! 自信を持とう! 考え方を変えよう!」みたいなキレイゴトな精神論を言われてもね……きょうびAIでももっと建設的なこと言うわ。

どうやったら自信が持てるのか、どうやったらこのつらさから抜け出せるのか。

気持ちや思考を変えるには、行動を変えるしかない。

この記事では、私自身が試して効果があったと感じた【具体的な行動3つ】について書いていく。

具体的にはこんな感じ。

  • お金をもらって絵を描いてみる
  • ソフト(Adobe系、CLIP STUDIOなど)を使えるようになる
  • 自分がいちばん褒められたい部分をはっきりさせる

どれが効いたというよりは合わせ技。

自分の絵に自信がなくなったとき、やってみたらマシになったこと3つ

お金をもらって絵を描いてみること

しょっぱなから「は? 私はお金なんか欲しくない、ただ自信が欲しいだけだよ!」と思うかもしれないけど、だったら自信ってなんだろう?

褒めてもらったら自信がつくのか? いいねが何個ついたら自信がつくのか?

たぶん、そんなことないと思う。

今まで褒めてもらってもいいねがついても「どうせお世辞でしょ」「○個しかいいねがつかない」と言って切り捨ててきた。

なのに今日も「誰か褒めてくれたら自信がつくかもしれないのに……」「いいねがたくさんつけば自信になるのに、いいねがつかないから自信が持てないんだ……」と見当外れなことを願って右往左往……。

私もそれで堂々巡りをしてしまっていた。

そこで【お金】。

これは単純に見えるけど単純な話ではないので、少し自分の経験を書いていく。

お金をもらって絵を描く=社会とつながる

私も小さい頃から絵を描いてきたけど、当然ずっとギャランティーの発生しない環境で描いてきた。

美大受験で合格しても、先生に褒められても、何かの賞を貰っても、作った同人誌にステキな感想をいただいても、Twitterでいいねをもらっても、心の奥底では自分の絵に自信を持つことができなかった。

私は「褒めてもらったけど、どうせお世辞だろうな」「賞をもらえたのは応募総数が少なかったから、どうせたまたまだ」「美大といっても名門じゃないし、どうせ誰でも受かるんだ」みたいに、かたくなに自分の自信を否定し続けてきた。

しかし30代になってひょんなことからデザインの仕事をさせてもらうことになった。

納品して請求書を出してギャラが振り込まれたとき、「私は絵を描くことで社会とつながっているんだ、経済活動において私の絵に価値が発生したんだ」と実感することができたのだ。初めて息ができた感覚だった。

お金になった時点でそれはお世辞や「たまたま」ではない。対価だ。

人は「自分が社会に貢献できている」と感じることでしか自己肯定感が高まらない、みたいなことをどこかで読んだけど、それは真実かもしれない。私は身をもって実感した。

絵に対する姿勢が変わって楽になった

お金をもらって絵を描くことで、自分の絵に対する姿勢も変わった。

  • 恥をかくのに慣れた
  • むやみに他の絵描きに嫉妬しなくなった
  • 趣味で描く絵を楽しめるようになった

こちらに詳しく書いています。

できれば知り合い以外から依頼を請けて描いてみる

できれば知り合いではない人から依頼を請けて描くのがいいと思う。

というのは、知り合いだとまたちょっとニュアンスが変わってくるから。

「お金は一応払ってくれたけどどうせ義理だろう」とか「どうせ、知り合いだから安く描いてくれると思って調子いいこと言ってるんだ」とか、卑屈の付け入るスキがある。(でしょ?)

なので、できれば知らない人(フォロワーでもない人)のほうがいい。

私は知人の紹介だったけど、そういったツテがなくても今はネットでイラストのスキルを出品して仕事を請けられるサービスもいろいろある。(サービスを介すればお金のトラブルもないのもいいところ。)

メジャーなところではココナラ とかSKIMA Skebなど。

ギャラをもらうといっても、別にそんなに大仕事じゃなくていい。「Twitterアイコン2000円から描きます」とかでいい。実際に依頼が来る来ないは置いといて、まずは出品してみるだけでもいい。

社会に向けて自分の絵を広げていく行為そのものに、なにか自分へ返ってくるパワーがある。

各種ソフトを学び、使えるようになる

以前の自分は「私は全然まだまだ初心者だから自信がないんだ。初心者でなくなれば自信がついてくるに違いない」と考えていた。

では、どうなったら初心者じゃなくなるのか。

ゴールも分からないのに「いつか初心者じゃなくなったら……」と言っていたら、いつまで経っても初心者のままじゃんね。今思うと何言ってんだという感じ。

そこで【ソフトの習得】。

Adobeソフトとか、今だったらCLIP STUDIO PAINTなど。

「そうじゃないよ、私は絵が上手くなって自信が欲しいんであって、ソフトを使いこなしたいわけじゃないよ」と思うかもだけど、「絵が上手くなったら」なんてばくぜんとしたゴールを目指すのはつらすぎる。

はっきり言って、デッサンをちょっとくらいやったところで、たいした自信なんかつかない。むしろ自分の描けなさがよりハッキリしてきて、逆にどんどん自信をなくすことの方が多い。そこを乗り越えられない人にとっては地獄でしかない。たぶん今もう十分味わっているでしょう、私も味わった。

だったら「ソフトを習得する」というゴールのほうがなんぼか分かりやすいし、「誰だって覚えれば必ずできるようになる」というのもいい。

友人のすすめでAdobeソフトを習得した

私の場合はAdobeソフト(IllustratorとPhotoshop)を習得したことで「私は初心者ではない」という自信になった。

20年くらい前。

その頃の私は自信がないだのやりがいがないだのいつもグチグチ言っていたんだけど、同人仲間の友人が「じゃあイラレ使いこなせるようになって、私の本の表紙作ってよ!」とイラレの教本を譲ってくれたことがあった。

私も自暴自棄の勢いで「じゃあイラレやってみるかー!」と購入(当時は買い切りだった)、イラレを使って個人サイトのデザインをしたりイラストを制作したりするうちに、基本的な操作は身についた。友人にもらった教本をクッタクタになるまで使い倒した。

そうすると「もっとおしゃれなロゴを作りたいけどこうしたらどうかな」「もっと手順を減らしたいからこの機能使ってみよう」みたいに自分で工夫して使いこなせるようになっていった。

やった分が目に見えて確実に身につく。そしてすぐに役に立つ。夢中になって面白くなって、愚痴を言うひまもなかった。

結局、たしか、友人の本の表紙は作らなかった。

たぶん友人は「高橋のやつ愚痴ばっかでめんどくせーな! 気を逸らしてやろう」と適当なことを言ってはっぱをかけてくれたのかなと今は思っている。

イラレが使えたからデザインの仕事を請けられた

実際、絵の仕事はAdobeソフトが使えないとお話にならない。

自分の場合、知人の紹介でデザインの仕事をすることになったわけだけど、このときイラレをある程度マスターしていたからこそ「やります!」と言えたのだ。

もしイラレが使えなかったら当然そんなオファーも受けられなかったし、「はあ、どうせ私はシロウトで初心者だから自信を持てない……せっかくのチャンスも棒に振ったし、一生ダメなんだ……」と死ぬまで言い続けることになったかもしれない。ゾッとする。

絵に自信が持てなくて、自分にも自信が持てないままで、SNSで他人の絵に嫉妬してモヤモヤイライラしながら死んでいく一生だったかもしれない。

単純に「何かハッキリとした目的を持って行動する」というのは焦りや不安を解消するためにかなり有効だったし、それが結果的に仕事にもつながった。

漫画を描く人なら、習得するのはクリスタでもいい。自分のやりたいものと関連する技術なら何でもいい。

※AdobeCCを使うにはまあまあお金がかかるので、講座などを利用して割引料金で使うのがおすすめです。

どれも無理ならひたすら長年描く

お金をもらって絵を描くといいよ、とかAdobeソフトを習得するといいよ、とか書いてきたわけだけど、実際に行動に移す人って少ないと思うんです。

たぶんこういう記事読んでも「うーん、まあもしその気になったらいつかね」で終わりだよね……。だからエンエンと悩み続けているわけで。(自分もそうだったからわかる)

「自信は欲しいけど、どうしても行動は起こせない」というめんどくさがりで引っ込み思案な言い訳ちゃん(私みたいな人のことね)にできる最後の手段は、長く描き続けること。

「人って、何かを一定以上のレベルで修めるためには10000時間かかるんだってよ」という記事を以前書いた。

長年描き続けることで、わずかずつでも自分の中に実績が積もっていく。

練習量が増えるのはもちろんだけど、作品を人目に触れさせたり、自分の絵の得意不得意と向き合う機会も多くなる。

Twitterなどネット上にアップし続けていれば、私のようにひょんなことから絵の仕事をもらう機会もあるかもしれない。

長くやってれば、そういった偶然とか巡り合わせに出合う確率は単純に上がる。

長年描き続けてさえいればなんか機会はある(かもしれない)。

くれぐれも「かもしれない」です。

気が遠くなるような時間もかかってしまう。私の場合は20年。

どうですか、つらいですよ。

下手したら先に寿命が尽きる。

なので、早めに行動を起こしちゃえば早く結果が出て、早く安寧が訪れます。

自分がいちばん褒められたい部分をはっきりさせる

あと私は「どこをどう褒められたいか」というのをきちんと意識することで、気持ちが楽になった。

だって、「自分の絵を全部丸ごと褒めてくれ、全部に自信が欲しい」というのは無理がある。

自分はどこを褒められたら嬉しいか(=自分はどんな絵を描いていきたいのか)をはっきりさせることで、やみくもな嫉妬もしなくなった。

(こちらに詳しく書いています。)

絵に自信を持つと、別のことにも自信が持てたりする

私は自分で自分のことを「絵を描くくらいしか取り柄がない」と思っていたので、その絵が評価されないうちは自分自身にも価値を感じられずにいた。絵にも自信がないけど、それ以上に自分に自信が持てなくてずっと悩んで生きてきた。

だから誰かに絵を褒められても「嘘だ嘘だ、お世辞なんか言うな!」と思ってしまってきた。

今の自分が分かるのは、自信なんてしょせん自分の中の幻想だということ。

自信なんて、人から与えられるものじゃない。(いいねの数とか褒め言葉とかじゃない)

自信なんて自分の内側からしか湧いてこない。(自分で行動を起こすこと、スキルを身につけること)

これを知っていれば、私はもっと早く楽になれたと思う。

私はただ悶々と悩みながらも、積極的な行動も起こさず長年ダラダラ描いてきてしまった。20年以上ずっとつらかった。なのでここに書いておきます。自分専用の処方箋だから誰にでも合うわけじゃないけど。

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