悪意のあるマシュマロにショックを受けたとき、どう考えると楽になるか

Twitterでイラストを描いていたら、悪意のあるマシュマロが届いてショック……

と、SNSで絵を描くのが怖くなってしまっている人向け【SNSで絵を公開していれば、通りすがりの誰かから無責任に何か言われることはある。自分はそういうとき「なんかやなことあったのかよ!」と思うようにしています。】という記事。

自分は今は絵を全部鍵アカウントで描いており、マシュマロも開けていないので平和な日々を過ごしている。「それいいな! 私も鍵にしてマシュマロもやめよう。自分のために描いているのだし、少数の同士に見てもらえばそれで満足して楽しく描けそうだ」という人はそれで解決すると思う。

しかし、「そうは言ってもなるべくたくさんの人に見てもらいたい、鍵はかけたくない」という人も多いと思う。自分の場合はこのブログ。Twitterでたまに悪く言われたことがあって、何度も「やめてしまいたいな」とは思ったこともあるのだけど、心の整理をしつつ続けている。

そのときの心の整理の仕方について、自分用に書き残しておく。

それは「反論」や「批判」なのか、「悪口」や「中傷」なのか

まずよく言われるのが、「批判」や「反論」と「悪口」や「中傷」は分けて考えるということ。

とは言え、批判されると怖くなってしまって、私は最初は分けて考えられなかった。ネガティブな言葉は全て自分への攻撃に見えてしまった。実際「反対意見」と、「悪口」「暴言」「イライラしてたから八つ当たり」などが混じっていることも多々あるようにも思う。

一般的な「批判」であれば、

  • 書いたものに対しての批判や反対意見であって、自分の人格を否定・攻撃されているわけではない
  • そのままだと毒もあるけど有効成分だけを取り出してみると薬にもなる
  • その薬が自分に必要ならば取り入れ、必要でなければ取り入れない

というふうに考えるようになってから、少しずつ「批判」や「反論」を参考にできるようになった。

突かれて痛い部分は自分でも気にしているところ

自分の場合だと例えば、「フォロワー数も少ないくせに偉そうなこと書きやがって、こいつは絶対会社でも出世しないし女にもモテないからネットでイキってるんだ」みたいなことをTwitterで書かれたことがある。

私は公務員からの今は家業を継いでいる自営業の女性(恋愛対象は男性)であって、出世できないとか女にモテないうんぬんのくだりはまったく的外れなので、この暴言は暴言主の中の不満やウップンをこちらに投影しているだけなんだなと気づくことができた。

しかし「偉そうなこと書きやがって」の部分は自分でも多少気にしているので、ちょっと痛いと感じた。自分でも「私ごときが偉そうなこと言えないんだけどな……」と常々思いながら記事を書いているからだ。

そこで、自分でもずっと気になっていた書き口をちょっと変えることにした。ブログでは「自分が以前悩んできたことをどう考えてどう解決してきたか」ということを主に書いているのだけど、「こういう時はこうするといいよ!」ではなくて「私はこういうふうに考えてこう取り組んで解決したよ」という感じに。

書いている内容は同じでも、書き口によってスムーズに受け止められたり受け止められなかったりするなら、より気持ちよく受け止められるほうがいいと思ったからだ。

「偉そうなこと書きやがって」というのはぱっと見悪口というか暴言というかイライラした人が当たり散らしているように感じるけど、「その書き方だと上から言われている感じがして、読者のこちらとしては反発が起こってしまい、受け止めづらいです」という指摘だと考えると、かなりありがたい改善点だった。自分でも気にしていたことだったから、思い切って変えてみるきっかけになった。

絵の場合なら、「いつも同じ角度しか描けない……」とか「私の絵古くさいんだよな……」とか気にしている部分をピンポイントで「いつも同じ向きですね^^それしか描けないんですか?」「絵柄古っ笑」とか言われたらかなりグサッとくる。図星を突かれると痛いのだ。あまりにも痛いので、言ってきた相手に敵意を抱いたり、ブロックしたり、反撃したくなるかもしれない。しかし、「そうなんだよこれ気にしてるんだよ……直してみるか。で、でもあんたに言われたからじゃないからね! 前から自分でも気にしてたからだし!」と考えると次の指針を立てるきっかけにもなり得る。

「やなことあったのかよ」と思うようにしている

とは言え「偉そうなこと書きやがって!」とか「絵柄古っ笑」とか、言われたほうにしてみれば、そんなに悪意に満ちた攻撃的な書き方しなくてもいいのに……とこわくなったり落ち込んだりしてしまう。

でも、相手にとって自分は気を使う必要のない知らない人間だし、通りすがりに暴言を吐いても"今すぐ"社会的に困るわけではない。(後々もしかしたら社会的に困ることになるけど。)同僚や家族やクラスメイトに暴言を吐けない分、知らない通りすがりの相手に対して爆発してしまう。それはネットがない頃からそういうものだ。

私に「フォロワー数も少ないくせに偉そうなこと書きやがって、こいつは絶対会社でも出世しないし女にもモテないからネットでイキってるんだ」というような文言を書いた相手も、たぶんウップンが溜まっていたのだろうと思う。(推測です)

だって、会社で出世してて、モテたい相手にモテモテで、SNSのフォロワーもたくさんいるような人が、こんなことTwitterに書くだろうか。たぶんリアルでもネットでもいろいろうまくいってないんじゃないか。(推測です)

他人の絵に「絵柄古っ笑」とか「全部同じ向きじゃん」とか「キモ」とか言う人も同じことだろう。だって自分が学校(職場)でも楽しくて家庭でも楽しくて自分にも不満がなくて、思い通りに最高な絵を描けて毎回いいねが5000とか付いていつも楽しく気持ちよく絵を描いているような絵描きが、人の絵に毒付こうと思うだろうか。

たぶんいろいろうまくいかなくて、満足できるような絵も描けていなくて、焦ったりイライラしている人なのではないかと感じる。(推測です)

そりゃあていねいな言葉で言ってくれとお願いしても無理だろう。そもそも他人はコントロールできない。

だったら、受け取るほうが工夫するほうが早い。

さまぁ〜ずのコントで、トラブルがあってイライラしている三村さんにボケ役の大竹さんが「なんかやなことあったのかよ〜!」と能天気に空気を読まない茶々を入れるっていうお約束のパターンがある。

イライラしてるのは相手の問題で、こっちには関係ないのだ。

自分もなるべく能天気に「どしたどした、なんかやなことあったのかよ〜!(ニッコニコでペチーンと相手の肩のあたりをどつきながら)」と頭の中で茶々を入れるようにしている。

スルーすると心の傷も最小限で済む

自分も経験があるけど、悪意のあるメッセージを受け取るとやっぱりショックを受けたり混乱して、誰かに助けを求めたり味方になってもらいたかったりする。

TLで「こんなマシュマロ受け取ってショック……絵を描くのやめようかな……」とやりたくもなるのだけど、それをやるとよけいしんどいことが増えてしまう。

  • 助けてくれる人や味方してくれる人は意外と少ないので、スルーした人に対して疑心暗鬼になってしまう
  • 関係ない人たちのRTで広まり、関係ないところから叩かれる(これだからこのジャンルはとか、二次創作してるくせにとか、お気持ちうざいとか言われる)
  • 大ごとにすると自分の中でも「悪意のメッセージを受け取って嫌な思いをした」という思い出が強化されてしまう

難しいけど、なるべくスルーする事で、自分の中でも思い出に残りにくくなる。

なんかやなことあった知らない人が通りすがりに吐いてきた暴言を、バカ正直に受け止める必要はないんじゃないか。

でも、もしずっと痛みが続くならそれは自分でも気にしていることだから、直したり変えたりすることはできる。

もちろん度を超えた誹謗中傷の場合はきちんと対応する必要がある。

令和3年に「プロバイダ責任制限法」というのが改正されて、法的な手続きも簡単かつ迅速に行えるようになったらしい……というのは自分もなんとなく聞いたことがあったけれど、なにしろ裁判の話は素人にとってはなかなか難しい。けど、少し勉強してそういう手段もあるんだと知っておくと心強い。

サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル 第4版』という書籍には、開示請求の仕方はもちろん削除依頼メールの出し方などから書いてあって分かりやすかったです。(第4版が出ています)

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