イラストに背景を描きたいけど複雑なものは難しそう。シンプルで簡単で、でもなんとなくカッコいい背景ってないかな……?
イラストの背景にリアルっぽい街並みや空を描いてみたい。でも描き方が分からない……
という人向け【イラストの背景をシンプルなものから本格的なリアルっぽいものまで描けるようになる書籍や講座】を集めてみた記事。
- 人物やキャラを描いたときに背景が真っ白だと、作品としてSNSにアップするにはなんだかちょっと締まらない気がする。何かシンプルで簡単で格好つく背景処理ってないかな?
- 背景をがっつり描きたいなと思っても空とか街並みとか自然の風景とか描いたことないし、全然描き方の見当もつかない……。ちょっとリアルな背景の描き方講座ってないかな?
みたいな感じでつねづね背景に悩んでいたので、自分用に背景が描けるようになる書籍や講座を集めてみた。
シンプルで簡単で格好つく背景を描きたい
絵を描いていると、練習と作品のあいだらへんのイラストってある。
「ラクガキのつもりで描いたけど、思いのほかよく描けたからSNSに投稿したい。でも背景真っ白だし、なんだかイマイチ締まらないな……かと言って背景をガッツリ描くほどの手間もかけられないし。ちょいちょいっと背景を上手いこと処理して格好つく感じにしたいんだけど……あーあ、私にもっとセンスがあればなあ……」
という感じで自分はいつも背景処理にモタモタしてしまう。
これって単純に「どれだけパターンを知っているかどうか」だと思うので、センスがどうだこうだではなく、引き出しを増やせばいいということになる。
自分が使っているのはイラストの描き方の書籍ではないけど『あるあるデザイン』。
ちょっとした図形を配置するだけで格好つく背景処理のアイデアが何パターンも載っている。
イラスト講座だと『パルミー』にシンプル背景の講座があった。
リアルっぽい背景を描きたい
いわゆる神絵師のイラストでよく見るようなリアルっぽい背景はカッコいいけど、自分にはどう描いていいか見当もつかない。一から自分で試行錯誤するより、そのコツを押さえたほうが早いし描きやすいのではないか、まずはなんとなくつかみたい、と思って参考になる本を買ってみている。
背景の描き方本は需要も多いみたいでたくさんあるのだけど、自分は「リアルのようでリアルすぎない背景」が好みで、コンセプトアーティストの よー清水先生の書籍を使っている。
よー清水先生はパルミーでもいくつか講座を持っています。
写真から背景を描きたい
描く時間はないけどリアルな背景にしたいという場合、写真をイラストの背景にするという方法もある。これはデジタルで絵を描くメリットの一つかもしれない。
CLIP STUDIO PAINTの講座『イラスト・マンガ描き方ナビ』というサイトがあって、そこでクリスタの【イラスト調フィルター】で写真を背景っぽく加工する手順が紹介されていた。
※もちろん、自分で撮った写真、または加工OKの著作権フリー写真などを使うことが前提です。
マンガの背景を描きたい
自分は主にイラストではなくマンガを描くので、一枚絵とは背景の描き方が少し違ってくる。基本一色で表現しなければならず、コマの流れやバランスもあるし。
マンガの背景というのは、「単純に絵が上手く描ければ描ける」というものでもなく、これはもう「マンガの背景」という特殊技術の一つだと自分は考えている。別途で習得するというか。となると、背景のプロのコツを教わるのが早い。
そこで、現役アシスタントであるMAEDAXさんによる『背景萌え』シリーズ。
『背景萌え』は書籍にもなっている。
おまけ:背景の資料写真を撮影するコツをつかみたい
自分は写真が苦手で、資料のために写真をいっぱい撮って帰っても結局ボツになることが多かった。
資料集めの上手い(=絵も上手い)友人知人たちのやり方を見て、自分なりにコツをつかもうとしている最中です。
推しをその風景の中に立たせて撮る
絵の上手い友人から聞いたのが"推しをその風景の中に立たせるといろいろ捗る"という技。(推し=描きたい人物。何次元とか何次創作とか関係なく)
駅のホーム、会社の給湯室、旅行先の温泉宿など、「ここに推しがいたらどう描くか……」と推しを存在させてみるのだそうだ。
これ、まわりに聞いてみるとみんなけっこう普通に、あるいは無意識でやっている。
※もしかしたらこれはごく普通すぎて「そんなの当たり前だよ!」みたいなことなのかもしれない。けど私には衝撃的だったし参考になったので記事に書いています。
旅行先の温泉宿はともかく、普段使っている駅のホームやら会社やらはただの日常の風景なので「これを資料に背景を描こう」とかいう意識は起こりにくい。
でも"推しとその背景"だと思うと、描くことを意識して目が行くようになる。
どこにいても普段から背景込みで推しをそこに見ているので、キャンバスに向かったときに自然と自然な背景が思い浮かぶようになるシステムなのだそうです。
※駅の構内など、人がいる場所で写真を撮るときはトラブルに気をつける。もちろん、人が写り込んでいる写真をネットにはアップしない。
描くつもりで撮る・どう描くかを想定して撮る
思い返してみるに、資料にたくさん写真を撮って帰ったのに全然使えなかったというのは、「実際これをどう描くか」をリアルに想定して撮っていないから、なことが多かった。
絵うまな友人たちに聞いてみたところ、「この本棚、複雑すぎて実際描くとしたらめんどくさいな、この横板はこういうふうに省略しよう」とか「この店のこの席は奥まっているから影が重なって濃くなるな、描くときは椅子の隙間はベタでつぶすとそれっぽく見えそう」とか、描くときのことをなるべくリアルに想定しながら撮る、のだそうだ。
まだ外で資料の写真を撮っている段階で、頭の中ではもうクリスタを開いて描き始めている感じなのだと思う。
そうすると「このアングルじゃ描けないから使えないわ」「絵にしたときのっぺりしちゃってパンチがない、もっといいアングルを探そう」などと撮りながら選別できる。
"実際描いたときそれっぽく見える"画角を探して撮る
"それっぽく見える角度"を探して撮らないと、写真ヘタクソ選手権みたいになってしまう。
ビルを真正面から撮っても、ただのキラキラした豆腐になってしまう、みたいな。
しかしちょっと斜めからアオリで見ると"ビルっぽさ"が出たりする。むしろ"それっぽく見える角度"をあちこちぐるぐる探して撮る必要がある(と複数の写真のコツの本に書いてあった。)
細部が分かる、明るいはっきりとした写真を撮る
これは自分が似顔絵の資料としていただくときもお願いするんだけど、とにかく十分な明度があること。ピントが合っていること。
これまた当たり前だけど、薄暗いと細部が見えなくて資料にならないので。
でも意外と、十分な明るさのある写真って実際描くつもりで意識しないと撮れていないことが多い。
細かい部分を描き込みたいなら別途に細部の写真を撮る、明度を上げて撮るなど、自分はちょっとしつこいくらい念押しで撮ることにしている。
写真自体を撮り慣れることも必要かも
あとは、写真自体を撮り慣れることも必要かもと思っている。
自分のまわりの話なんだけど、絵が上手い人って一枚で絵になる写真を撮るのも上手い(気がする)。たぶん頭の中で絵になる構図がすぐにできるんだと思う。
私はあんまり写真が上手くなく、技術的にもブレたりするほか、何を撮りたいか分からない、ドラマも見どころもない、ただカメラを向けて対象物を撮りましたみたいな、ボサーッとした写真になりがち。何を撮っても下手。しかも何を撮っても右が下がってる。すごい。
こういう写真では資料にならないどころか、絵になっていなさすぎてSNSに投稿するのさえためらわれる。苦手意識からほとんど写真も撮らない→上達しないの悪循環。
そこで簡単にスマホで絵になる写真を撮る練習・コツの勉強をこれからしてみようと今考えている。
テキストに選んだのはこの二冊。
練習の成果が上がれば、追々それも記事にしたいと思っています。