久々にどハマりした作品があって、何年かぶりに二次創作を再開したい。でも二次創作事情っていろいろ変わってしまってるな……
昔の感覚のままSNSで二次創作したら、知らないうちに何かやらかしそうで不安だな……
と戸惑っている人向け【いにしえのオタクである自分の場合はこんなことに気を付けています。(が、結局は鍵アカに落ち着きました)】という記事。
Twitterやpixivを見ていると、日々、新しい価値観に驚くことがある。
自分も個人サイトの時代から二次創作をしてきている古い時代の人間なので「私の価値観は古いかもしれないから十分に気をつけたい」と思ってはいるのだけど、ジャンルによってもローカルルールみたいなものは全然違うし移り変わりも早い……。暗黙のルールみたいなものに気づかず自分が恥ずかしい思いをするだけならまだいいけど、著作権者の方々やジャンル迷惑をかけてしまうのは怖い。
SNSで二次創作をしていく上でいろいろなトラブルを目にし、自分もいろいろと気をつけてきたものの、最終的には非公開アカウントに落ち着いている。
この記事では、
- SNSで二次創作する上で、自分はどんなことに気をつけていたか
- それでも非公開アカウントにした理由
について書き残しておくことにした。
「二次創作に興味を持ったばかりで、自分も二次創作したいけど何に気をつけたらいいか全くわからなくて不安……」みたいな人は参考になる部分もあるかも(ないかも)。
※全て自分個人の感じ方によるもので、ルールの押し付けではありません。
SNSで二次創作する上で、自分が気をつけていたこと
※と言っても、二次創作をしている人ならごく当たり前にしていることばかりだと思います。
ガイドラインをしっかりと確認した
最近では二次創作のガイドラインを出してくれる著作権者も増えてきている。
なので、まずは何を置いても自分のジャンルのガイドラインを確認するようにしていた。
「○○(作品名) ガイドライン」でググると、あれば出てくる。
たとえば……
にじさんじ(ANYCOLOR株式会社)
ウマ娘プリティーダービー(Cygames)
エヴァンゲリオンシリーズ(株式会社カラー)
ニトロプラス
ゴールデンボンバー
また、場合によってはガイドラインが変更されたり追記されたりすることもあるので、公式からのお知らせはこまめに目を配るようにしていた。
新しいジャンルに行ったらしばらくROMるようにしていた
ガイドラインを読んだだけでは不安で、自分の場合はいつも新しいジャンルではしばらくはROMっていることが多かった。
ジャンルによってローカルルールや空気が違ったりして、たとえば「Aというジャンルはキャラに猫耳が生えることに寛容でみんな気軽に描いていたけど、Bというジャンルでは猫耳を生やすには厳重に注意書きをしないとひともんちゃく起こる」みたいなことがあったりしたので。(猫耳云々は例え話です)
Aジャンルの感覚のままBジャンルで同じようにやると、下手するとちょっと揉めることになる。こういうのって、長く一つのジャンルだけにいると気づきにくいよな……と自分は感じた。
作品名やキャラ名など固有名詞を伏せ、検索避けをしていた
SNSで情報を求めて検索する人もいるので、作品名やキャラ名は使わないようにしていた(検索避けをしていた)。
検索避けのために文字を使わず絵文字のみでキャラを表すジャンルもあるけど、絵文字もTwitter検索できてしまうのであまり意味がない。
二次創作にキャラ名やキャラ絵文字を使ってしまうと、たとえばソシャゲの新シナリオの攻略や情報を知りたくてTwitterで検索した人が、事故的にセンシティブな二次創作を見てしまうこともあり得る。
二次創作物を投稿するのに公式のタグは使わないようにした
これも上と同じ理由。公式ハッシュタグで公式の情報を追っている人もいるし、公式ハッシュタグで感想ツイートを追っている人もいる。
二次創作に公式ハッシュタグをつけてしまうと、公式情報を求めている人や原作の感想を読みたい人に対して二次創作をうりうりと見せつけていくことになりかねない。
もしそれが二次創作が許諾されていないジャンルだったり、作者が二次創作を嫌がるジャンルだった場合、「二次創作全面禁止」のようなおおごとになることもあるかもしれない。ひっそりこっそり慎重に二次創作をしていた他の人にまで迷惑をかけることになってしまう。
仲間うちで二次創作をしていると「二次創作を不快に感じる人もたくさんいる」ということをつい忘れがちだけど、なるべく、常に意識するようにしていた。
ポイピクやぷらいべったーでワンクッション置いていた
対外的に気を使うのはもちろんのこと、仲間うちに向けても気を使う必要はある。
「同じジャンルで二次創作をする人であっても、好き嫌いが分かれそうだな」と感じることはワンクッション置くようにしていた。
「好き嫌いが分かれそうだな」と感じるかどうかも自分のさじ加減なので難しいけど、自分のいたジャンルで自分が決めたワンクッションのさじ加減はこんな感じだった。
- キャラの年齢操作(いわゆる子ども化や数年後の話など)
- いわゆるメリバのようなもの
- 中の人(声優さんや2.5次元の俳優さんなど)に関連するネタ
※自分はセンシティブな二次創作はしないのでこれくらいだけど、センシティブなものを扱う人はより気を使っていると思う。
「これは人から見てどうなんだろう」と考えているとキリがなくなってきて、だんだんと非公開アカウントを視野に入れ始めた。
最終的に、非公開アカウントに落ち着いた理由
ジャンルの中でも考え方がさまざま。考えすぎてしまいキリがなくなった
上でも書いた通り同じジャンルの中でも考え方は人によって違うし、SNSで二次創作をすることに迷いを感じていた。
そんなとき他のジャンルで「そんなことで批判されるのか……」というようなことで叩かれた人の例をいくつか見たのがきっかけで、自分も非公開アカウントにした。そこから3年以上、一度も鍵を開けていない。
どんなに気をつけていても、考え方の違う人から見れば「叩くべき悪」になってしまうこともある。というのは、Twitterをやっていれば誰もが何度も目にしていることだと思う。
それがジャンル外まで拡散されて、個人情報を晒されたり人格攻撃をされたり……自分だったらおそろしくて「私はガイドラインを守っているから非難されるいわれはありません」と毅然とした態度ではいられないと思った。
SNSがあることで、仲間うち以外にも広がってしまう
SNS以前までは何かやらかしても仲間うちだけで済んでいたことが、そうはいかなくなっている。
Twitterで拡散され、ジャンル外どころか二次創作に興味がない人たちにまで広まって、「だから二次創作はキモいんだよ」「二次創作はそもそも法に触れているんだから全面禁止すべき」みたいな騒動になったりするのもよく見かける。
自分がもし万が一その火種にでもなったらと思うと、怖くなった。
オープンに考える人も出てきているけど、自分はオープンになれなかった
SNSの普及に加えてガイドラインを出す公式も増えてきており、二次創作をオープンに考える人も多くなった気がする。(個人的な感覚です。)
ときどき二次創作に好意的な作者や著作権者もいらっしゃって「自分の作品の同人誌見つけて喜び勇んで買った」とか「同人誌を作ったらぜひ一冊送ってください!」みたいにTwitterで発信していることもある。
ついうっかり「二次創作が市民権を得た!」みたいな気持ちになってしまうけど、好意的な著作権者も中にはいる、というだけの話で、好意的ではない著作権者もいるのだし。
ひっそりが身についてしまっているいにしえのオタク(私)の場合、そんなにオープンになるのはそれはそれでちょっとドキドキするというか「いやいや……たとえ許諾されていても隠れてそっとやりたいです……」みたいな気持ちがある。誰にでも見られる場所で二次創作をするということはやっぱり居心地が悪いというか落ち着かなくて、自分はオープンにはなれなかった。
二次創作を取り巻く状況はだいぶ変わってきており、たぶんこれからもっと変わっていくのだろう。
自分がアップデートできているか自信がない
いくら気を付けていても、10年前と今とでは知らないうちに価値観が変わってしまっていることも多い。いにしえのオタクである自分が全て漏れなくアップデートできているかというと、それは自信がない。
最近でも『腐女子』という言葉の意味が世代(とかそれぞれの環境)によって微妙に違うためにひともんちゃく起こったり、『左右固定』という言葉がジャンルによって意味が違うことで喧々囂々になったりということがあった。
「自分の中ではこれが当たり前」と思って何気なく発した一言で、知らない人にまで引用RTで罵られるのは、自分は怖い。
非公開アカウントは落ち着く、けど気をつけることに変わりはない
もろもろの理由から非公開アカウントにして長いのだけど、落ち着いて絵を描くことができている。
「たくさんの人に見てもらえなくなってしまう……」
「自分の身は守りたいけど、非公開アカウントにしてしまうとたくさんの人に見てもらえなくなってしまう。それでは創作する意味がない……」と感じる人もいるかと思う。
非公開アカウントにしたいけど……うーん……という人は、これが最大の迷いポイントかもしれない。
たしかに自分の場合は大人気絵師とかでもないので閲覧数がたいして惜しくなかった、というのもあるけど、他の創作系SNS(pixivなど)に投稿することで自分的にはじゅうぶん見てもらっている。
pixivでいつも作品を見てくれて興味を持ってくれた人がTwitterにフォロー申請してくれることも多いし、そうやってフォローしてくれた方はTwitterでもいつもじっくり大切に作品を見てくれるなあと感じる。とても嬉しくて、「描き手の心を満たしてくれるのは、数ではないのかもしれない……」と思ったりもする。(このへんは自分の感じ方なので、「そんなのきれいごとだ」と思う人もいるかもしれません)
自分が考えるpixivのいいところは、他にこんな点。
- Twitterと違い、公式情報を求めて見に来る人はたぶんいない(興味のない人の目に入りにくい)
- タグが細分化されていてすみわけしやすい(興味のない人の目に入りにくい)
- Twitterよりは流れがゆるやかで、焦りにくい
「パッと気軽におおぜいの人に見てもらえることより、自分の安心を優先させたい、手間をかけてじっくりと探してくれる人だけに見てもらいたい」というふうに、自分で自分の優先順位を決めた。
非公開アカウントだからこそ、より気をつけるようになった
とは言え非公開アカウントだから好き勝手やっていいわけではないし、見ている人に気を使うことには変わりない。むしろ狭い場所だからこそ、より気をつけるようになった。
非公開アカウントだからと言って、目に余るような、倫理に悖る創作や言動はしないのはもちろん、他人の価値観のズレに対して批判をしないことは心がけている。
SNSに順応してもいいし、古のやり方に原点回帰してもいい
イベントに向けてゆっくりコツコツ同人誌を作っていたようないにしえのオタク(私)は、SNSの流れについていけないことも多く、それで長らく悩んできた。
「絵を描くのが遅いんです」というお悩みをときどき聞くのだけど、それって自分が遅いんじゃなくてまわりの流れが早いんだよね……とも思う。
Twitterでたくさんの人に見てもらうことを大切にするのか、それとも限られた仲間の中で自分の安心やペースを大切にするのか、というのは、自分で優先順位を決めることができる。