趣味で絵を描いているけど、行き詰まったり嫉妬したり悩んだりして楽しさよりもしんどさのほうが多い……
という人向け【仕事としてイラストを描いてお金をもらう経験をしてみることで、絵を描くことに対する気持ちがガラッと変わりました。最近では『ココナラ』などでもイラストの仕事を経験することができます。】という話。
自分はずっと絵を描いてきて、たびたび「あの人みたいに描けない、私はセンスや才能がないんだ」とか「この人よりはうまいと思うのにいいねが少ない! なぜだ!」とか「私が絵を描く意味とは……」とか、絵を描く人がぶち当たる定番の各種お悩みをもれなく通ってきた。
しかし、知人の紹介でデザインの仕事をさせてもらったことをきっかけに、その各種お悩みがすべて解消または軽減した。
「仕事として絵を描く」って、いいかもしれない。と思ったので記事にしています。
仕事で絵を描くことで得たもの
「仕事として絵を描いたら"自信がついて"各種お悩みが解決した」とかいう簡単な話ではない。
むしろ「私は実績も経験も自信もない、何も持たないちっぽけな制作者なんだ」ということを心底思い知ることができて、それがよかった。
今までの自分は平たくいうと、甘ったれた世界で、ありもしない自分の才能を信じようとして、自分のプライドを死守しようとしがみついていたために、苦しんでいたのだ。
仕事としてデザインやイラストの業務をすることでそこらへんが吹き飛んで、開き直れて、スタート地点が決まった。腹をくくって自分なりにいちから努力できたことで、ラクになったということだと思う。
ダイエットも、「あー太ったかも、いやでも大丈夫かも、うーんうーん」と思いつつ体重計に乗らずにグチグチ言っているうちがいちばん苦しくて、ジムに通って体重もサイズも白日のもとに晒し、トレーナーさんに全部筒抜けにさせて運動を始めてしまえば苦しいけど苦しくない。あの感じに似ている。
だからそこそこ荒療治ではあったし、自信もプライドも失うわけだから、デザインやイラストの仕事をしていて苦しく辛いことも多かった。
それでもプライドにしがみついてイジイジしていた頃のほうがよっぽど陰湿でドロドロしたつらさだったから、仕事をしているときのつらさは何倍も晴れやかで、何倍もマシだった。
デザインの仕事を斡旋してもらえたことは本当にありがたく、誇張ではなく命を救ってもらった。
「未経験だしイラストの仕事なんてできないよ……」
「そんなこと言っても私は初心者だし、コネもない。イラストの仕事なんてどこでどうやって見つければいいの?」という場合、今は『ランサーズ』『クラウドワークス』などのクラウドソーシングや『ココナラ』などの仲介サービスもたくさんある。
クラウドソーシングを利用して仕事を探す
クラウドソーシングというのは「仕事が欲しい人」と「仕事をお願いしたい人」をマッチングさせるサービスで、求人から支払いの管理までしてもらえる。たいていどこも登録は無料で、請けた仕事を納品して報酬が確定したときにそこから手数料が引かれるシステム。
自分も知人の斡旋の他に『ランサーズ』を利用していて、毎月ちょこちょこ副業的に収入を得ている。(登録は無料ですぐ始められます)
求人に対してラフを提案していくコンペスタイルでガンガン仕事を取りに行ってもいいし、依頼主から直接オファーをもらうこともある。おすすめ案件を自動で提案してくれるシステムもあるので「まず何したらいいのか分からない」という初心者にもやさしい。
ただ、自分が使っている感覚としては、イラレやフォトショなどが使えないと請けられる業務は少ない。イラレで会社のロゴ作成とか広告動画用マンガ作成とかが多く、「アイコンにしたいので一枚絵を描いてください」みたいな依頼は無いので、初心者には少しハードルが高いかもしれない。
そのぶん、イラレやフォトショなどAdobeソフトが使える人の場合はかなり有利になる。
『ココナラ』や『SKIMA』、『Skeb』で仕事を探す
『ココナラ』、『SKIMA』、『Skeb』などのサービスを使うと、もっと気軽に「お金をもらって絵を描く」を経験してみることができる。
雑多なフリーマーケット『ココナラ』
まず『ココナラ』はスキルの売り買いができるサービスで、イラストはもちろんナレーションやプログラミング、占い、悩み相談までいろいろなスキルが出品されている。
「スキルのフリーマーケット」というキャッチコピーなのだそうだけど、何でもかんでも置いておけば誰かしらが興味を持ってくれるような感じ。
イラストカテゴリも雑多で、絵柄もいろいろ。「私の絵柄ちょっとクセがあるから一般受けしないんだよな……」みたいに思っていても、『ココナラ』になら出品してみるのはアリのように思う。
コミッションサービスの【SKIMA】
海外では、個人に有料でイラストを依頼する文化(【コミッション】というらしい)がある。
日本では「はぁ〜? たかが絵でお金取るの? 横暴だ! 描ける人がただで描いてくれればいいじゃん!」とか言われがちでなかなか定着しない文化なのだけど、それをサービス化したものが【SKIMA(スキマ)】。
SNSのアイコンや同人誌の表紙ロゴなど、身近な依頼や出品がほとんど。pixivっぽいテイストの創作が得意な人や、同人活動などの経験がある人にはとっつきやすそう。
リクエストを受けたら自分の好きに描いていい【Skeb】
上に挙げた二つは、「こういう絵を描いてほしい」という依頼に対して絵描きが応えていくタイプのサービスだった。
【Skeb】は、ざっくり言うとリクエストを受けたら自分の好きに描いていいというシステムで、絵描きの負担が少ない。またリクエストを受けるか受けないかも絵描きの自由で、受けて納品したときだけ報酬が発生する。
「仕事として絵を描いてみたいけど、自分の本業も忙しいしそんなに絵にも自信がないし、お金をもらうとなると責任が重すぎて……」という人の最初の一歩としてはいいかもしれない。
※ただ「ある程度の責任を負って絵を描くことでことで自分のセコいプライドをぶっ壊す」という、当初の目的は達成しにくいかもしれない。
各種仲介サービスを利用することで利点もあり
『ココナラ』などの仲介サービスを使うことで他にもいいなと感じたことがある。
まず一つは「絵を描けるんでしょ? 私にも(タダで)ささっと描いてよ、簡単でいいから」みたいな断りにくい依頼をスマートにいなすことができるということ。
「もちろんいいよ! 依頼ありがとう! 絵の仕事は全部『ココナラ』で請けてるから、『ココナラ』から依頼してね!」と言えば、お金の話をしなくても済む。
それから、ネットで仕事を受けたときに本名や口座情報など個人情報をやりとりしなくて済むし、不払いも起きにくい。仲介サービスを通すので手数料は引かれるけど、わずらわしいお金関係がクリアになるのはかなり良かったです。