【初心者向け】デッサンとクロッキーの違いと、デッサン本の選び方

「デッサン本を買いたいけど、いっぱいありすぎてどれを選んでいいのか分からない」

「デッサンとクロッキーの本ってどっちを買えばいいの?」

という初心者の人向け【デッサンとクロッキーの違いと、参考書籍を選ぶコツ】について。

ある程度絵を描いてきた人にとっては「デッサンとクロッキーの違いなんて説明されるまでもないわ」という感じだと思うけど、初心者の中には「鉛筆でシャシャッと描いたら全部デッサン」みたいに捉えている人も少なくなさそうなので一応こんな記事を書くことにした。

デッサンとクロッキーの違いについて。それぞれ何のために行う練習なのかということ。

また「デッサン本を選ぶとき私はこんなポイントに気をつけています」という、私なりのデッサン本の選び方のコツについても書いている。

参考になるところだけ受け取ってもらえればと思います。

【初心者向け】デッサンとクロッキーの違いと、デッサン本の選び方

※あくまでもこれは自分の考え方なので、絶対にこれが正しいとかこうすべきみたいなものではありません。「いや絶対そこ間違ってるよ!」と看過できぬ間違いがあればぜひお気軽にご教授ください。

※このブログを書いている高橋がTwitterを始めました。 → @tkhs_bsdz

Twitterでブログ更新のお知らせをしていくので、気軽にフォロー&声をかけてもらえればと思います。

デッサンって何のためにやるの?

デッサンというのは以前からあやふやな言葉ではあるんだけど、最近ではメジャーな言葉になりすぎて意味が一層あやふやになってきている。

そもそもは"下絵"とか"素描"という意味なので、作品として仕上げる作品以外は全部デッサンと言ったところで間違いではない。

私が美大受験のためにやっていた頃の【デッサン】の意味合いは、「三次元のモノの形を、二次元(紙の上)に描き取る」みたいな感じ。

例えば人間の鼻なんか複雑な立体で、「こんなの紙の上に描くの無理じゃない?」となるんだけど、三次元に存在する物体をうまいこと線なり陰なりで整理して、二次元で表現する過程がデッサン。(なので、正確には写真を見て描くのはデッサンではない。写真はもう二次元だから。)

絵画だろうがマンガだろうがアニメだろうが全ての絵は三次元を二次元に表現したものなので、デッサンというのは絵を描く上で基本の中の基本、根源的なものだと言える。

この技術のコツを学べるのが、デッサン会だったりデッサン本だというわけです。

昨今デッサン会もなかなか難しいので、いっそうデッサン本で練習する機会が増えていると思う。

デッサン本を選ぶコツは"写真の有無"

デッサン本を選ぶときの私なりのコツは、"モデルの写真があるかどうか"ということ。もっと言うと、写真が鮮明で、情報が読み取りやすいもの。(例えば暗い部分が全部黒く潰れちゃっていると、そこは黒く描くしかなくなってしまう。)

なぜなら上で述べた通り、デッサンとは三次元を二次元に写しとる練習だから。元のモデルをどう紙に写しとったのかということを、写真と見比べてつかむことができなければならない。(正確には写真も二次元なんだけど、生身のモデルが付属してくるデッサン本は2020年現在まだ無いと思う。)

あとは利便性を重視して、モデル写真がダウンロードできるともっとありがたい。

デッサン本は買って読むだけでは意味がなくて、自分でも模写してみるのが重要だとされている。

毎日紙の本や電子書籍を開いて模写するのはちょっとめんどくさいけど、画像としてダウンロードしてカメラロールに入れてあればすぐに取りかかることができる。

自分も、毎日なるべく手軽に絵が描けるようにモデル写真をカメラロールに溜めている。

いくら練習しても足りないのが"手"。

何も毎日全身練習しなくていいので、時間がない日は手だけでももちろんOK。

おすすめは『加々美高浩が全力で教える「手」の描き方』。書籍全体の熱量はもちろん、モデルの手の写真がダウンロードできて練習しやすい。

全身のもので写真がいいと思ったのは『コンセプトアーティストのための人体ドローイング』。もちろんモデル写真も載っていて、「それをどうとらえ、どう描いているか」という過程が見えるのがいい。

クロッキーとはどう違うのか

クロッキーというのはデッサンと違い、すばやく形を取る練習(10分とか)。

けっこうデッサンとクロッキーを混同している人も多い気がするけど、実際やってみると違うことがわかると思う。

三次元を二次元に整理するデッサンと、外殻や骨組みをすばやくとらえて形を取るクロッキーでは目的も手法も違ってくる。

クロッキー本でクロッキーの目的や技術を含め分かりやすいのは『人物クロッキーの基本 早描き10分・5分・2分・1分』だと思う。

よく「5分以下で描くのなんか無理だしクロッキーはなんの練習にもならない」という批判を目にするのだけど、クロッキーは上手く描くのが目的ではなく、すばやくぱっと見て形をとらえるのが目的。

何かを見てその一瞬の動きをとらえることができれば、当たり前だけど絵を描く能力が向上する。

写真を撮ってそれを見て何十分もかけてチンタラチンタラ描いても、最初にとらえたはずの形はどんどん崩れるだけ……みたいな経験はないだろうか。

ぱっと見て形をとらえることだけを心がけるために敢えて短い時間で行うのがクロッキーなのだ。

もちろんクロッキー本も模写して使うので、写真があるに越したことはない。(『人物クロッキーの基本』には写真が無い点が残念です)

動きをとらえるクイックスケッチ

デッサンやクロッキーの他に、クイックスケッチというものも聞いたことがあるんじゃないだろうか。

すばやく形を取るという意味ではクロッキー的ではあるけど、より"動き"をとらえる練習のことをクイックスケッチと呼ぶことが多い。

アニメーターのたてなかさんによる『たてなか流クイックスケッチ』がおすすめ。

たてなかさんはスポーツアニメにも多く関わるアニメーターなので、いきいきとした動きをとらえることを重視されている。また、「上手く描こうとせず、自分の意見を表明することが絵の楽しさだよ」というふうにおっしゃっている。

絵を描くハードルを下げる!? ベテランアニメーター立中順平氏が語るクイックスケッチの極意とは? | インタビュー | CGWORLD.jp
ボーンデジタルで開催中のワークショップも話題の『たてなか流クイックスケッチ』。立中氏によ...

デッサンもクロッキーもつまらない、と感じる人には、まずクイックスケッチをおすすめしたい。

リアルな人間を描くの飽きちゃった……という人は

デッサンもクロッキーもクイックスケッチも実際の人間をモデルに描くので、「リアルな人間描くの飽きた! 私はアニメやマンガみたいな絵を描きたいんだよー!」という人もいるかもしれない。

そういう人には、デッサンやクロッキーの要素を内包しつつアニメ絵で練習できる『アニメ私塾流 最速でなんでも描けるようになるキャラ作画の技術』がおすすめ。

アニメーターによる参考書籍は、その職業柄、「三次元を二次元に切り取ってそれっぽく見せてそれっぽく動かすこと」をとても重視しているので、模写して描いてみると細かいtipsが無意識のうちに身についていく。

画家やイラストレーターの作風だと悪いというわけではなく、「それっぽく見せる」という技術はアニメーターに学ぶのがいちばん分かりやすいのではないかと思うわけです。

浅く広くをカバーしている本なので、たぶんこの書籍を模写し終わる頃には「ここが描けないな、もっとデッサンやクロッキーやってみよう」という気になってくると思う。弱い部分は他の練習でカバーすればよい。

参考書籍を選ぶポイント

デッサン本などを選ぶ上でのポイントは、まず上で述べたようにこの2点。

  • 写真があるもの(できれば鮮明なもの)
  • 写真をダウンロードできて、模写をして使いやすいもの

デッサン本以外では、

  • 好きな絵柄であること(模写していて楽しいように)
  • アニメーターによるものがおすすめ

あと、Amazonなどでは口コミや星で評価がなされていて、悪い評価を見ると「やっぱ買うのやめようかな」となって結局一冊も買わなかった……みたいなことも起こりがち。

評価も、具体的に「モデル写真が不鮮明で見比べるには不十分」「この本の筆者はこういったアニメ作品に関わっているので、アニメを合わせて視聴するとより分かりやすい」などの口コミは参考になるけど、「役に立たない」とか「参考にならない」とか「高い」とか漠然とした悪い評価はスルーでいい。

漠然とした悪い評価をつけている人は、たぶん本を買っても眺めてるだけなので。

丸ごと一冊模写すれば、どんな本でも参考になる。

だってどの本の作例も自分より上手いんだから。

またデッサン本って、買って眺めるだけの価格ではなく、一冊みっちり模写して使うための価格になっている。消費するのに何ヶ月もかかるからね。

ただ買ってただパパッと眺めて「参考にならない」と言っている人の口コミはそれこそ「参考にならない」ので、あまり口コミに左右されずに「この表紙の作例の雰囲気好き。半年かけて一冊みっちり模写するぞ」くらいの感じで選ぶといいと思います。

タイトルとURLをコピーしました