絵が上手くなりたいけど、どういうスケジュールで練習すればいいだろう?
と迷っている人向け【pixivのオンライン講座『sensei』と、なぞるだけで絵が上手くなる練習ドリルで絵の練習スケジュールを立ててみた】という記事。『sensei』は基礎を一からコツコツ順番にやりたい初心者に良さそう&なぞる練習ドリルは使いどころを考えれば役立ちそうだと思います。
絵の練習方法についての情報を集めていると「とにかく描こう!」「好きなものを好きに描けばいいんだよ!」というものが多い。
それは確かにそうなんだろうけども、絵の練習方法について調べている人ってたぶん、
「そういうんじゃなくて! こちとら初心者なんで自由に描けとか言われても困るんで……。もっと具体的に一通りきちんと学びたい、だから自己流じゃないなにがしかの手段を調べているんだよ!」
と思ったりするんじゃないだろうか。(自分がそうだった)
「ぼやっと自己流で続けて、何も得られないことが怖い」
「同じ時間をかけるなら、少しでも効率よくモノにしたい」
「高いお金は出せないから、なるべく安いとありがたい」
みたいな人向けに、初心者から6ヶ月を目安に絵を上達させる練習スケジュールを立ててみた記事。
※6ヶ月で神絵師レベルに絵が上手くなるとかそんなうまい話はないので、脱・初心者を目指して絵の練習ってどんなものかをまずつかみたい人向け。
pixivの『sensei』とは
pixivの運営する『sensei』は、動画で学べるやさしいお絵描き講座。
※基礎編は無料だけど、実践編はプレミアム会員登録(月額550円)が必要。
かなり易しくて、絵に苦手意識がある人でも「これならできるぞ!」と思える反面、人によっては「簡単すぎてぬるい! そんなのやってられない!」と感じるかもしれない。
ざっくり一通り学べるので、苦手なこともできる
でも、顔の描き方の基本、人体の構造、ポーズの取り方など、必要なことが体系化されていて「これを全部修了すればざっくり一通り学べる」というのが最大の良さ。
どうしても独学って自分が得意なことしかやらず、いつまでも苦手は放置になりがちなので。バストアップだけ描いて手を描かないとか。
動画で見たあと実際に自分で描くという工程が、練習ドリル的にむりやり描かされたい真面目なタイプの人(私もそう)に向いていると思う。「勉強してます」って感じが安心する。
初心者20年目の自分がsenseiをやってみた感想
自分も初心者20年目にしてsenseiをやってみたところ、最初らへんは「あー簡単簡単。簡単すぎてまどろっこしいな……」だったのが中盤らへんから「あれ? これ私苦手かも。くそ、上手く描けない。なんか悔しい」みたいなことがちょいちょいあった。
自分のような中途半端な中級者のプライドをいい感じに逆撫でしてくるというか。ここでキレずに素直に謙虚に学び直す姿勢が問われる気がする。
なぞって学ぶ練習ドリル、いろいろある
使いどころがいまいち難しいものの、なぞって学ぶ絵の練習ドリルもある。
絵柄などいろいろあるけど、自分がやってみたのはこちら。
文字をなぞる練習ドリルはよくあるけど、それと同じで「上手い人(プロ)の感覚を実際に体験できるというのが良かったように思う。
また、構図や表情や全て一から創造して描くのって思った以上に負荷がかかるので、「なぞるだけ」という練習はありがたい。絵を毎日練習しているけど疲れてやる気が出ないな、みたいな日に、なぞるだけの練習ドリルという選択肢を作っておくのは精神的に良かった。
『sensei』と練習ドリルで練習スケジュールを組んでみる
『sensei』の講座はこんな感じに分かれている。
- 人体 9コース(62講座)
- 背景 11コース(58講座)
- キャラクター 9コース(48講座)
もしスケジュールを立てるとしたら、一週間に1コース(7講座程度)やっていけば6ヶ月ちょいで修了できる計算になる。この場合プレミアム登録(月額550円)をしても全過程3300円で履修できる。
「まるっきり初心者の段階から、半年で一通りを学んでいく」というカリキュラムにかかる金額を考えると、これはいちばん安上がりなんじゃないかと思う。
3000円って本だと一冊か二冊買って終わりになってしまうし、半年も有料の講座を受講しようと思えば何万もかかってしまう。あげく途中でイヤになってしまいがち。そんなリスクがないです。(おまけにpixivのプレミアム会員になるとROMる機能だけでもかなり便利になる。)
スケジュールに余裕がない場合
毎週時間が取れるか分からない、6ヶ月続けられるか自信がない、という場合、いいとこ取りの『おすすめ学習ガイド』というのもある。これは全部で7コース(37講座)なのでより受講しやすい。
- 顔の基礎コース
- 体の基礎コース
- 体のパーツコース
- はじめてのキャラクターコース
- 顔の基本コース
- 体の基本コース
- ポーズの基本コース
『おすすめ学習ガイド』を修了した上で、まだやりたいなと思えば他の講座を受講することもできるわけで。
スケジュールに余裕がある場合
「『sensei』だけじゃ簡単すぎる、もっとバリバリ進めたい」というなら講座外の練習をすることもできる。というか、覚えて練習したことを実戦で試してみたくなると思う。
よく言われるのが「デッサン本やスケッチ本の模写をするといいよ」みたいな練習方法だけど、自分は体の構造を覚えた後、模写することが格段に面白くなった。「これ進研ゼミでやったところだ!」的な、答え合わせの感覚というか。
自分がたびたび模写しているスケッチ本は『たてなか流』。どのスケッチ本が優れているかとかよりも、好きなアニメーターや尊敬できるアニメーターがいたらその人の本がいちばんいいと思う。(質はどれも高いので。)
もし「昔デッサン本買ったけど難しくて……今は本棚で眠ってるよ」という書籍があれば、改めて出してきて模写してみると新しい感覚が目覚めるかもしれないです。
疲れてやる気が出ないときは、無心で練習ドリルをやる日にする
半年もコツコツやっていくと、必ず「どうしても疲れてやる気が出ない、けど何かはやりたい……」みたいなときがある。そんなふうに焦るのはしんどいので、練習ドリルをやるとちょうど良かった。
正直「なぞるだけで上手くなる」のかというと、そういうことではないと思うけど、プロの線の感覚を体験するという意味で自分には有用でした。
とにかく"一通りやり抜く"をやってみる
以前の自分は「スケッチ本買ったけどめんどくさいな、講座もめんどくさいな」「はあ、飽きてきた。こんなのよりもっと効率のいい方法があるのでは……?」とあっちこっち中途半端に手を出してやりかけが溜まっていた。お金だけかかって何も身に付かず、焦るし、罪悪感がつのるばかりだった。
「こんなにあれこれ手を出してお金を出してがんばってる(金を無駄に使うだけでがんばってないけど)のに上手くならない。私は欠陥品なのでは」という感じで、精神的にもネガティブになる。
だからあれこれつまみ食いせず、とにかく一つの方法でとりあえず一通りやり抜いてみるのってすごく大事なんじゃないかと思っている。
世に出ている書籍や講座は間違いなく自分より上手い人が教えてくれているものだから、正直、教材なんかどれでもいい。
自分は絵が上手くなってどうしたいのか、を思い描く
自分なりに教材を決めたらあとはモチベーションの問題になるけど、「自分は絵が上手くなってどうしたいのか」というのがないと続かないように思う。
「絵が上手くなりたい」って言葉はばくぜんとしすぎて、「あー痩せたい」みたいなもんで、自分は全然そこから進まず、思考停止に陥っていた気がする。
どうしたいのか、と言っても「プロになりたい」だとか「神絵師になりたい」だとか大したことじゃなくて。
「もう少し練習したらタグをつけてSNSに投稿してみたい」とか「同人誌を作ってみたい」とか「好きなキャラをもっと思い通りに描きたい」とか、そういう目先の欲望に直結したささやかなことが、いちばん支えになってくれる気がします。