
「イラストの練習って何を描けばいいんだろう?」
「どんなものを描いたら絵が上手くなるの?」
という人向け、【好きなものを描くのがいちばん。ただし上達するためのポイントは押さえるべし。】という記事。
「好きなものを描くのは楽しい! けど、好きなものばっかり描いていてもイラストって上達しないんじゃないかな……?」とみんなうすうす分かっていると思う。
けどそれって、"好きなものを"描いてるからじゃなく、"好きなように"描いてしまっているからだと思う。
好きなもの、例えば"推し"。キャラクターでも好きな実在の誰かでも。
推しの顔だけ描く、
推しのポーズを手癖で描く、
推しの描きやすい衣装だけ描く、
しまいには「描きやすいキャラしか好きにならない」みたいな。
そりゃーこれでは絵は上達しない。
この記事では、「好きなもの描いていいんだよ! 推しばっかり描いていいんだよ! ただ、絵の上達のためには押さえるべきポイントがいくつかあるので、それを知っておくのがおすすめ。」ということについて書いていく。
好きなものを描いてイラスト上達。ただしポイントは押さえるべし。
敢えて描きづらそうな構図やポーズを描いてみる
「推しの絵を描こう!」と思ってカメラロールを見ていて、無意識のうちに描きやすい顔面のアップや描きやすいポーズの写真を選んでしまっていないだろうか。
顔ってどうしても描きたくなる部分なのだけど、顔だけ描いても絵って上手くならない。
描きやすいポーズも然り。
敢えて描きづらそうな写真を選んで描いてみる、というのを意識してみるといいと思う。
手を前に出してこちらを指差しているポーズとか(描きづらい!)、顔はほとんど見えないのにヨガのポーズしてるとか(描きづらいし描くのめんどくさそう!)。
多少描きづらそうでも描くのめんどくさそうでも、推しを描くならちょっとがんばれるし、「こんな難しそうなポーズ、わたし意外とうまく描けてるな!?」と自信がついたりもする。
同じイラストを何度か描いてみる
例えば「まぐれでなんとか描けた」「よくわからないけどなんとか形にできちゃった」みたいなことってあると思う。
でも意識して描かないと画力ってつかないので。
そういうときにおすすめなのが、同じポーズを何度か描いてみること。
「全く同じイラストを何度も描くってつまらない!」「何度も描いたらうまく描けないかもしれないからやだよ」と思うかもしれないけど、まぐれでなんとか描けた1回目よりもいろいろ発見がある。
敢えてやってみてほしい。できれば並べて隣に描く。
ボールペンで描いてみる
鉛筆やシャープペンシルって線の強弱が出るので、それだけでもなんとなく雰囲気が出て自分の絵が上手く見えてしまいやすい。
補正がかかるというか。雰囲気イケメンならぬ"雰囲気上手い絵"になってしまうというか。
特に推しの絵だと、推しへの愛で目が曇り自分の絵に酔っちゃうというか。
また、線をたくさん重ねたり薄く描いたりして、描けない部分をごまかしやすい。
これをやっていると、自分ではなんとなく上手く描けてる気がしてしまう。のに、まわりからは評価されずにモヤモヤ……になりがち。
なので線の強弱が出ない画材、例えばボールペンで描いてみるのもおすすめ。
一本一本の線に責任感が出てくるし、自分の描けてない部分も分かる。
今まで鉛筆でごまかしごまかし描いていた人はボールペンでは描きにくさを感じると思うけど、だんだん慣れてくる。
描けなかったら後日必ずリベンジする
「このポーズ、ちょっと描いてみたけどうまく描けなそうだからやめちゃった」「やっぱ右向きの顔難しいからやめた。左向きで描こう」みたいなことを繰り返していると、当たり前だけどそこで画力は止まる。
「あーこれ上手く描けないな、ここが自分の画力の壁だ」というのをはっきりと自覚したら、後日必ずリベンジすること。
描けなかったものをそのままにしておくと画力が上がらないのはもちろんなんだけど、無意識のうちに自信も揺らいでいってしまう。
描けなかったら数日のうちにリベンジする。
それでも描けなかったら数ヶ月後には書けるようにする。
こんな過酷な練習、どうでもいいモチーフだと絶対やらないよね。
でも他でもない推しのポーズや表情ならできる。はず。
デッサンやクロッキーをやってみる
さて、どうしてもリベンジできなければ解剖学やデッサンをやってみる。
「好きなものだけ描いていいって言ったじゃん!」
そうだね……でも好きなものを描くためにやるのです。
何度か描いて描けなくて、どこがどう描けないか分かっているこのタイミングで解剖学やデッサンをやる。
これが効率的に身につける最大のコツ。
「絵が上手くなりたい」なんて漠然としたものではなく、「推しを描きたい」という強くて熱い気持ちの方がよほどモチベーションになるので。
描きたい! と思うものを見つけること
「なんとなく描いてみたいな」では、上のような練習はちと過酷で厳しいと思う。
絵が上手くなるためにもっとも大事なことは、
ちょっとくらい過酷でも「なんとか描いてみたい! この推しを描きたい!」と思えるような対象物を見つけること。
二次創作のキャラクターでもいいし、描いてみたいテーマでもいい。
そこが見つかるとあっという間に上達したりする。
「別に描きたいものは無いよ……」「好きなものなんて別に無いんだけど」というときは、インプットが足りていないかもしれない。
まずは新しいもの、定番のものなどにやたらめったら触れて、とにかくインプットしていこう。
そうすると自分の中で好きなものの方向性が見えてくるはずなので。
「出会いがないんだよね〜」って言ってる人に限って出会いを探してないじゃん? あれと同じかも。
好きなものを見つけてポイントを押さえて描くことで、びっくりするほど画力って上がっていくので、まずは"どうしても描きたい大好きなもの"を見つけてみてほしい!