
「絵を描く前のウォーミングアップって何をすれば効果的なの?」
「手慣らしでマルや直線を描くやつやってるけど、あんまり意味ない気がする……」
という人向け、【絵を描く前のウォーミングアップで大切なのは、手と脳をつなげること。】そのコツについて。
絵を描く前に手慣らしで、マルや直線を描くといいよ、という記事を書いたことがある。
「マルとか直線をいくら描いたって絵が上手くなるわけないじゃん」「マルを描く練習するなんてムダ!」と言う人もいるんだけど、マルを描くといいよというのは"思い通りに線を描けているかチェックする"ため。
この記事では、"指先と脳を一瞬でつなげるコツ"と"思い通りに線を描くウォーミングアップ"について書く。
絵を描く前のウォーミングアップで、指先と脳をうまくつなげるには?
「うずまきを何回か描くとひらがなが上手くなる」説
全ての文字、全ての絵は、曲線と直線でできている。
なので思い通りのマルを描けなければ思い通りの文字や絵は描けない。
私は「あーなんか今日思うように手が動きにくいな」というときには、マルと直線をキャンバスのすみにちょちょっと描いたりしている。
他にも「うずまきを何回か描くと字が描きやすくなるよ」というツイートもバズっていたけど、その通りだと思う。
ひらがなはもちろん、行書や草書の漢字もそうだけど、全ての文字は右回りか左回りの曲線でできているからだ。
資料を上下反転させて、ボールペンで描いてみる
絵の場合はもう少しだけ話が複雑になる。
文字よりも複雑なものを描くので、
- 脳が見たものを正しくとらえて、
- 指先がそれを正しく出力する必要がある。
どうにも上手く描けない、何度描き直してもとらえられてない、キモチワルイ……というときはたいてい左脳が出しゃばってきている。
※右脳や左脳というのは厳密に分けられるものではないので、ここで言う右脳や左脳というのはあくまでも便宜的なものです。
簡単に言うと、「これはこういう形なはず」というリクツで絵を描こうとしているときに、何度描いてもとらえきれないキモチワルさが巻き起こる。
絵を描く前のウォーミングアップで重要なのは、このリクツを言ってくる左脳を黙らせて、感覚・直感の右脳を目覚めさせてあげること。
それには、資料を上下反転させて、見た通りに描いてみる。

※例えばこれは、手元にあったてぬぐいの柄を上下反転させて描いてみている。
試しにやってみてほしいんだけど、上下反転させてしまうとそれまで見えていたはずの形も何がなんだか分からなくなり、手癖も使えなくなり、描いてて「イ〜〜〜〜ッ!!!」って脳がムズムズしてくる。
これが左脳が黙って右脳が叩き起こされている感覚(だと私はとらえている。)
人の顔なんて描く場合はそれが顕著だ。
今までため込んできた経験やリクツ、「これはこういう形なはず。オレシッテル」という思い込みがリセットされるので、見たものを見たまま描くしかなくなる。
「なんか今日上手く描けないんだけどなんで……これが噂のスランプか?」というときに、2、3分でいいのでこれをやってみるのがおすすめ。
うずまき練習と上下反転練習、一生懸命やってもせいぜい5分やそこらだけど、これでリセットされた脳と指先をつなげることができる。(記事の冒頭で一瞬って言ったけど5分くらいです。)
ばくぜんとマルと直線を描くだけでは意味がない
手慣らしでただ手癖のらくがきをしたり、「絵を描く前にマルと直線を描くと上手くなれるんでしょ」とただばくぜんとやっても効果がない。
絵を描く前のウォーミングアップは、
- 自分の思い通りに線が引けているか
- 脳がきちんとリセットされているか
ということをチェックするために行うもの。
特に"資料を上下反転させて、見た通り描く"というのは脳が一気に目覚める感覚が気持ちいいのでおすすめです。