
「一つのジャンルで二次創作を続けてきたけど、どうやら沼を抜けてしまったみたいで何も創作する気が起こらない。さみしいし、このまま描けなくなるのではと焦ってしまう…」
という人向け【二次創作の沼を抜けてしまったときの焦らない過ごし方】について。
「沼を抜けちゃったな……」というさみしい気持ちってオタクだったら一度は経験したことがあるんじゃないだろうか。(もしかしたら「別のジャンルに夢中になってしまって前の沼なんて忘れてたわ」という感じの人もいるかもしれないけど、それでもいいしどっちでもいいと思う。)
さみしさだけじゃなく「もう私は二度と絵を描かなくなるのかも」とか「ジャンルのともだちに見限られてしまうかも」など、いろんな不安や焦りを感じてしまうという人もいる。
この記事ではそういう人向けに、【沼を抜けちゃったときの、焦らない過ごし方】について書いている。
【二次創作】沼を抜けてしまって寂しい・焦る…そんなときの過ごし方
同じジャンルをそれだけ一生描き続けるっていうオタクの方が少ないと思う。
昔(30年くらい前)はコンテンツの数自体が少なかった。アニメやゲーム、漫画、あとナマモノくらい。
今はそこにスマホゲームやVtuber、TRPG探索者などコンテンツの数が昔の比ではない。しかも怒涛のメディアミックス。ユーザーを手放すまいとどこのコンテンツも供給が早い。オタクの人口も増えて、二次創作自体もガンガン多様化している。
だからいろんな沼があり、普通に生きてるだけで落ちる。そういう世の中になっている。
気軽に落ちて気軽に出て、また別のとこに落ちる。
スーパー銭湯みたいにあれこれいろんなお湯に浸かったっていいじゃない。こんなにたくさんあるんだもの。
というのが自分の考え方です。
「罪悪感を感じてしまう……」
でも「別ジャンルの話をするの、節操ない感じで恥ずかしいな」「もうこのジャンル描けないとなるとフォロワーさんをがっかりさせちゃうかも、申し訳ないな」と生真面目に思ってしまう人もいるでしょう。すごくよく見かけるし、そういうお悩みを直接聞くこともある。
そういうときはフォロワーさんのプロフィールをざっと眺めてみてほしい。
意外とね、とっくにジャンル移ってる人とかけっこういるし、推しジャンルが増えてる人もいる。
コンテンツの増えた時代、ジャンルの沼を抜けるのはあなただけではないのです。
「自分は供給する側だからこのジャンルを描き続けなきゃ」なんて一人でがんばらなくてよい。なんなのその責任感。そもそも絵を描くのってフォロワーのためじゃないはずなので。
「沼を抜けてしまって寂しい……」
とは言え割り切れないのが「寂しい」という気持ち。
今まであんなに夢中だったのに、あんなに描いたのに。
サビを繰り返していても、曲はいつか終わる
「この作品の、最後の戦いの前日にみんなで気持ちを確かめ合うところがサビ」とか「このCPの二人がもだもだしてくっつくまでがサビ」とか、二次創作をしていて「私はここが好きで何度も妄想したい、何度も描きたい」というシークエンスってあると思う。よく【サビ】なんて言われるそれ。
サビだから何度でも繰り返していいし、そこがいちばん気持ちいい。
「でもサビをいくら繰り返しても、曲はいつか終わる。」と言っていた友人がいた。
曲は無限には続かないし、サビを繰り返すってことはクライマックスなんだから終わりの直前なわけだし、いつか飽きたり疲れたり、別の曲を歌いたくなったりする。
大好きなジャンルの沼を抜けてしまってさみしくても、そのさみしさをもののあはれとしてしみじみ受け止めればいいんだ。と私も思うようになった。
別のジャンルにも手を出してみる
別のジャンルで興味があるものがあればどんどんハマってみるのもいいと思う。
こういうこと言うと「節操がないのでは?」みたいにネガティブな反発を抱く人もいると思う。
私のジャンルにも「みんな飽きててひどい! 節操がないよ。そんな軽い気持ちだったの? 私は現ジャンルだけを一生描くし!」と言ってた人がいた。
誰かが別ジャンルのことを呟くたびに「あーそのジャンル興味ない」「またその話かー」とかエアリプしてたその彼女は3ヶ月後に別ジャンルにまんまと落ちて「別アカ作りました!と言ってて、オタクなんてそんなもんです。(さすがに「ちょっとアンタさぁ!」と思ったけど。)
「飽きてきたけど別ジャンルを描くのは節操なくて嫌だから、現ジャンルを嫌々続ける」というほうがジャンルにもフォロワーにも失礼なんじゃないか。
※もし別ジャンルに力を入れたいなら、新しくアカウントを作ってジャンルをしぼったほうががたくさん見てもらいやすいかも、という記事はこちら。
「もう絵が描けないんじゃないかと焦ってしまう……」
「あんなに描いてたのにぱたっと描けなくなった」となると、不安も湧いてくるかもしれない。
「もう私は二度と、あんなに絵を熱心に描くことはないのでは?」
「このまま一生絵が描けなくなっちゃうのでは?」
よい機会かもしれないので、「絵が描けなくなったら何か困ることはあるのだろうか?」と考えてみてほしい。
自分の取り柄がなくなっちゃう?
フォロワーさんにとって価値のない人間になっちゃう?
そこらへんにモヤモヤしているなら、ちょっと精神衛生上問題かもしれない。
だって今絵を描いているのって「絵しか取り柄がないから(がんばって描いてる)」「描かないと自分の価値がないから(無理して描いてる)」ということになる。
そういう考え方は危ういし楽しくない、いつか必ず無理がたたる。
自分の存在価値のために今まで必死になってきたのだとしたら、沼を抜けるのは自分の考え方を変えるよい機会なんじゃないかと思う。
一つのことを続けなくていい
小学校のときに言われた「一度決めたら一つのことをやり続けなさい」みたいなことを真に受けて縛られちゃってる人がけっこう多い気がするんです。
「今までこのジャンルを描いていたんですが、別ジャンルって描いてもいいんですかね? それって許されるんですかね?」と聞いてくる真面目な子もいた。
そんなこと言ったら二次創作自体が著作権に触れてるんだからあんたはとっくに許されないワルだよ大丈夫。いまさらなんのモラルに縛られちゃってんのよ好きにやんなさいよ!
一つのことを続けなくていいし、あれこれやったっていい。趣味なんだから適当に好きなことだけすればいい。人にどう思われてもいい。やめたっていい。休んだっていい。その分仕事や学校でやりたくないことしこたまやってんだからさ。
ただ「沼を抜けてさみしい」という気持ちはしばらくは持て余すかもしれない。
けれど、ハマったんだから出るときは必ずくるさ。「それだけ愛してたんだな、愛せてたんだな」と思えばいいと自分は思います。中島みゆきでも聴いて浸ってお別れしましょう。
それだけ一つのジャンルを愛せたんだという自信を胸に、これからも好きなものを探して愛していけばいいじゃないですか。そうしよう。