デッサンやクロッキーをやってみたいけど、具体的に何をしたらいいの?
デッサン本やクロッキー本はたくさんありすぎて迷ってしまう。自分に合う本の選び方とは?
な人向け【私が今までに買ったデッサン本とクロッキー本について。どれも模写して使っています。選び方のコツは①作例が自分好みのもの②作例だけでなく写真が載っているもの】という記事。
「デッサンやクロッキーはできることならやりたくない、好きなキャラだけ描いていたいよ……でもデッサンとかやらなきゃ上手くなれないのかな? うーんそれは困る。イヤだけどやらなきゃ……」みたいな人って多いのではないだろうか。
自分の考えだけど、人体のデッサンって、キャラとかを自己流でさんざん描いてみて「首から肩にかけてどうも違和感あるな……いまいち肩と首の構造がつかめてない。この辺の骨格ってどうなってるんだろう?」みたいに疑問が湧いてきたときにやればいいんじゃないかと思っている。趣味なんだし。
「絵が上手くなるためにはやりたくないしつまらないけどデッサンやらなきゃ」と思ってしまうと苦痛だし、大して身にもならない気がする。
「デッサンやってみたいな」というときに参考になるかもしれない、私が模写して使っているデッサン本やクロッキー本をここに挙げてみます。
書籍は模写して使うことを念頭に置いて選んでいます
デッサンというのは三次元(現実)のモノを二次元(紙の上)に再現する訓練のこと。三次元を二次元に変換(デフォルメ)するのだから当然無理があって、難しく、上手い人の変換(デフォルメ)を参考にしながら訓練することになる。
その機会がデッサン会だったりするのだけど、もっと簡易的にデッサン本の模写をすることでも練習できる。写真と作例が両方載っているデッサン本なら、デッサン会に行かずとも上手い人の変換(三次元→二次元)を数千円で目の当たりにできるというわけです。
私が今までに買ったデッサン本はこちら
まずは有名どころのルーミス『やさしい人物画』。古くからある本だけど、古くから愛用されてきているということは間違いないんだという安心感がある。自分が初めて買った本で、いちばん多く模写している本です。
日本人女性を描いた作例が多い『人物を描く基本 使える美術解剖図』。タイトル通り骨格の図解も豊富で、美術解剖学を平行して学べる。
『人物を描く基本』の作例が好みだったので『人物を手早く描く基本 男性編』も使ってみています。
あと、正直ちょっと背伸びして買った『コンセプトアーティストのための人体ドローイング』。この本の最大の特徴であり買う決め手になったところは、質のいいモデル写真と作例が両方載っている点。
- 写真を見ながら自分で描いてみる
- 作例を模写して描いてみる
- とらえきれないところは作例の表現を参考にとらえ直す
みたいな使い方ができる。
手だけに特化した『加々美高浩が全力で教える「手」の描き方 圧倒的に心を揺さぶる作画流儀』。写真の資料がたくさん付いていることと、作例が好みであるという理由で買いました。(『加々美高浩がもっと全力で教える「スゴい手」の描き方 一瞬で心に刻まれる作画流儀』という続編も出ていました。)
私が今までに買ったクロッキー本はこちら
『人物クロッキーの基本 早描き10分・5分・2分・1分』。これも買った理由は「作例が好みだから」。特に、伸びやかで色気のある線を真似したくて模写してみている。
クロッキーとは少し違う【クイックスケッチ】というカテゴライズだけど、たてなか流の書籍も自分に合っていた。
『たてなか流クイックスケッチ』と『スーパースポーツデッサン 増補改訂版』。
クロッキーよりも激しい動き(アクション、スポーツなど)をとらえて描くためのコツを体感できたように思う。
模写することでアニメーターによる「魅せる動き」の描き方を追体験できたと思う。三次元を二次元に変換する訓練であるデッサンとは違って、動きをとらえて描く、描きたい動きをイメージ通りに描く、という感じ。現実に則って正確に描くことよりも表現することに重きを置いており、絵を描く楽しさを思い出せるというか。
私が今までに買った美術解剖学の本はこちら
上の本でも美術解剖学が説明されているものも多いけど、やる気に満ちあふれていたときに買ったのがこの二冊。
『スカルプターのための美術解剖学: Anatomy For Sculptors日本語版』は図鑑みたいな感覚で使っている。あと「今日は何にもしたくない、写経したい」みたいなときに無心で模写する用。まだ全然できてなくて新品状態です。(顔に特化した『スカルプターのための美術解剖学 2 表情編』もあり。)
『スケッチで学ぶ美術解剖学』は、美術解剖学を意識しながらスケッチするというコンセプトの本。「こういう動きをするとき、どこの筋肉がどうなって……」みたいなことが模写していてとにかく面白かったです。筋肉って束で収縮しながら動くんだよなってことを実感できた。(人外を描く人には『スケッチで学ぶ 動物+人比較解剖学』もあり。)
※おまけ:今気になっているのはもうじき発売(2021/11/2)の『アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンス』。
写真(三次元)をイラスト(二次元)にするという手法で解説されていて、240枚以上の写真が掲載されているのも自分好みな気がします。
私が考える、デッサン本やクロッキー本を選ぶコツ
こうしてみると今までけっこういろいろ買ってきたけど、良かったなと思う本はどれも「作例が好みだから」というのを決め手にして買っている。世に出ているデッサン本ならクオリティはどれも高いのであとは好き嫌いになると思うし、模写して使うのだから好みじゃないものは苦痛になってしまう。
また、自分はデッサンを「現実(三次元)をイラスト(二次元)に変換する訓練」だと考えているので、写真と作例が両方載っているとありがたい。
その点で、いいなと思うのはこの三冊。
デッサン本を買うときってどうしても損したくなくてネットでおすすめ本を調べまくったりしてしまうけど、好みのものじゃないと模写もやる気がせず積んじゃって結局は損になると思う。(自分も積んでしまって結局使わなかった本もたくさんあります……)
この本さえ買えば間違いない! みたいな奇跡の一冊があるわけでもないので、誰かの評価に左右されるよりも「表紙とサンプルページをガン見してピンときたら買う」くらいでいいのかなと思う。