
「イラストって独学でもできるの?」
「独学でも絵を仕事にできるのかな?」という人向け、
【イラストは独学でも十分できる。仕事にもできる。けど独学と自己流は違うよ】という記事。
自分はあらゆる適職判断で(あと占いでも)、「向いている職業はデザイナーやイラストレーター」と言われ続けてきた。
「無い無い。自分は美大から逃げた人間だし、根性もセンスも無いし、一生イラストやデザインの仕事をすることは絶ッッッ対に無い」と思っていたのだけど、結局デザインとイラストの仕事をしている。
絵はほとんど独学(小4のとき付けペンセットで15,000円、というマンガの通信講座をやったことがあるのみ。しかも途中で投げ出した)でも、デザインやイラストの仕事はできる。
この記事では自分の経験をもとに、独学でもイラストを仕事にするために必要と思われることを書いている。
独学でも絵は上手くなるし仕事にできる。そのためのポイントについて
そもそも絵って人に習いさえすれば上手くなるわけではない
「絵って独学じゃダメなの?」という人は、独学以外にどんなことを想定しているのだろうか。
美大やデザイン系の専門学校に通うこと? デッサン会に行きまくること?
どれも"絵を描くために良い環境"ではあるけど、手取り足取り教えてくれるわけじゃない。
結局その環境で自分で見て学ぶしかないわけで、行きさえすればどうにかなるというものではない。
書籍や、今ならネットの無料動画でさえも十分な教材がある。
独学は自己流ではない
ただし、独学を履き違えている人も多いのでその点は注意すべきかもしれない。
デッサンやクロッキーなどなにも基礎を学ばず、ただひたすら自分の好きに描くというのは独学ではなくただの自己流。
自己流でも全然かまわないけど(絵なんて自由なんだから)、世の中で認められたり人目を惹いたり仕事をもらったりするには時間がかかるかもしれない。(そう、私の経験です)
書籍を買う、オンライン講座に課金をして課題を仕上げてみるなど、ある程度の投資をすることは必要だと思う。
独学のおすすめ練習方法
全くの初心者やそれに近いような人には、一通り系統立てて学べるオンラインの講座をやってみることをおすすめしている。
そう、一通り、系統立てて学ぶこと。
これが最重要なんだけど、独学だとここを怠りがちなのだ。
好きなとこだけやって苦手なとこは見ないフリをしちゃうと、時間をかけたわりになにも上手くなっていない、ということになる。だから独学だとうまくなりにくく、挫折もしやすい。
歯を磨くのでもあっちこっちチンタラ磨くと磨き残しが多くて結局虫歯になるけど、あれと同じ。
まずは順番に全部やる。
これが独学をする上で、最重要ポイントだと考えている。
無料のオンライン講座をやってみよう
pixivの提供する無料の動画講座『sensei』は、それこそ簡単な顔の描き方からポーズの付け方、背景まで順序立てて一通り教えてくれる。

基礎編は無料。pixivのプレミアム会員登録で、実践編の動画も全て視聴できるようになる。
月額550円なので、半年プレミアム会員になっても3000円ちょっと。下手な書籍を買うより断然リーズナブルに学ぶことができる。
デッサン本やクロッキー本の模写
あとはデッサンやクロッキー。
これは美大だと実際のモデルを入れて描いたりもするけど、写真でも十分に練習はできるし、デッサン本を模写するのもおすすめ。
独学で絵を勉強するぞー! とデッサン本いっぱい買いがち(自分もそうだった)けど、買って眺めるだけでは全く意味がない。
載っている作例も写真も全て教材なので、最初から最後まで模写していく。
おすすめの書籍はこちら。
「私は漫画家希望だからデッサンとかいらないし」「デフォルメキャラしか描かないからデッサン必要ないし」と思ってしまうけど、絵柄を問わず人体を正しく描く力は必要。
正しい人体が描ける人がデフォルメした絵と、デフォルメしか描けない人のデフォルメ絵は説得力や魅力が全く違う。後者はただの自己流だ。
並行してインプットをしていく
また流行っている作品を視聴して"今"をとらえるためのセンスを磨いていくことも大切だと思う。
これも専門学校や美大、スクールなどなら自然と触れる機会があり身につくだろうが、独学なら自分で意識してインプットしていかねばならない。
必要なソフトの使い方を学ぶ
デザインの専門学校だと有利になるのが、Adobe製品など必要なソフトを学べるという点だと思う。
Adobe製品自体は独学でも学べるけど(私も完全に独学)、Adobe CC(Adobe Creative Cloud)も学生割引で安く使えるのが、学生の最大のメリット。
学生割引はかなり安くなるので、そこらへんだけはスクールをうまく利用するのがおすすめ。
例えば、大手スクールのデジタルハリウッド。
Adobeマスター講座を受講すると、学生・教職員個人向け割引価格でAdobe製品が使える。
Adobe CCが1年分ついてきて39,980円。むしろAdobe CCを安く購入するために受講すればいいんじゃないかっていうくらいの価格だ。
Adobe製品は絵を描くこと自体には関係がないけど、仕事を請ける際にはどうしても必要になってくる。
「イラストを仕事をしたい」という人はぜひ学んでおきたい。
独学でやっていくことまとめ
独学でできることをまとめると、
講座で基本を学びつつ
↓
デッサン本の模写
↓
流行りの作品を観て「自分ならどう描く?」とインスピレーションを得たり
↓
さらに自分の好きなアニメやマンガ絵を模写したり
↓
ソフト(特にAdobe製品)の使い方を少しずつマスターし
↓
美術解剖学を学んで
↓
また講座やデッサンに戻る。
甘いものとしょっぱいものを交互に無限に食べちゃう感じでやっていく。
「ええ〜、いっぱいありすぎて何からやっていいか分からないよ」「そんなの全部なんてできないよ……」と感じてしまう人のために、イラストやデザインの学校があるんですね……。
「よっしゃ毎日コツコツやってこ!」と思える人は独学で十分というか十分すぎるし完全に大丈夫。
唯一、独学のデメリットはコネがないこと
ただ、独学だとコネがない(作りにくい)ので、就職をするなり副業でイラストの仕事をもらうなりするには自力しかない。
自分で顧客を広げることが必要になるけど、今はクラウドソーシングもあって良い時代なのでそこまで困難なことではない。
また、コネがない独学の人にとっては実績だけがモノを言う。
これもクラウドソーシングサービスを利用すればコツコツと積み重ねられるし、何の問題もない。
独学でも、在宅でも、コネがなくても、イラストの仕事をするにはこの上なくいい時代になっている。
「デザイン系の学校出てないし……」みたいな時代錯誤なことは考える必要なしです!