イラストの無断転載をされたくない!
無断転載の被害に遭った人の話を聞いて、自分も怖くなったから対策したい……
と悩んでいる人向け【無断転載を防ぐためにできること①注意書きをする②サインを入れておく(目立たせなくないなら透かしサインという方法も)③転載しにくいSNSを使う】という記事。
絵をTwitterに投稿したら無断転載されるというのは、今や前提として考えなければならない。
Twitterで勝手に転載・自作発言をされるだけでなく、切り取りや加工をされて使われたり、上からポエムを書き込まれて自分の作品のように投稿されたり、YouTubeの「○○二次創作イラスト集」みたいな無断転載まとめ動画に入れられたり、中には勝手に印刷されて、商品化して売られたりすることもある。
完全に防ぐことはできないけど、できる対策はこれくらい。
- 転載禁止の注意書きをしておく
- イラストに自分のサイン(連絡先がわかるようなID)を入れておく
- 転載しにくいSNSを使う
まずは【無断転載禁止】の注意書きをしておく
個人サイト時代から「海外では【転載禁止】を明文化していない作品は転載OKとされることもある」というのは聞いたことがあった。今は日本でも「転載の何が悪いの?」というスタンスの人も増えた気がする。
なので自分は、twitterやpixivのプロフィールに【転載禁止】のひとことを入れるのは意思表示なのだと考えている。
ただし【転載禁止】と書いておきさえすれば転載されないかというとそんなわけもなく。
「Googleで拾った絵を使っているだけ」という人もいる
転載する人って「Googleで拾った拾い物を使っているだけ。無断転載になるなんて知らなかった」という人も多い。
Googleでキャラ名を検索して表示された画像をそのまま保存して使うので、当然画像の元ページを見て確認することもしない。「Googleで出てきた画像ってどれがフリーなの?」などと言ってる人もいるし、確認のしかたが分からない人も多いみたい。
つまり転載する人はだいたい作者のプロフィールの注意書きなんて読んでいない。
「この絵のどこに無断転載禁止って書いてあるの? 書いてないじゃん。ってことはこの絵はフリー画像」と判断する人もいる(かもしれない)ということ。
だから最近では絵の一枚一枚に注意書きとサインを入れている人もよく見ますよね。
クラスタの理解度に合わせて注意書きの表現を変える
あと【無断転載禁止】と言われても、意味がよく分からない人もいる。
「"無断"転載禁止ならコメントで一言送れば無断じゃないってことだよね」
「私のTwitterに載せるのは転載じゃないよね?」(←意味不明)
「応援のために宣伝してあげてるのであって、転載じゃない」
「人の絵でお金儲けているわけじゃないから、転載じゃない」
みたいな人も増えてきているので、クラスタの理解度に合わせて警告文をかみくだく・練ることも必要なのだと思う。「私の絵をダウンロードして自分のTwitterに投稿しないでください。拡散してくれる場合はRTでお願いします」とか「私の絵を自分のアイコンに使わないでください」とか。
英語でも注意書きをしておく
またSNSではいろいろな国の人がいる。とは言えあらゆる言語で注意書きをするのは無理なので、自分はせめて英語くらいはと思って英語の注意書きをしている。
注意書きを書くほうは「さすがにこう書いておけば通じるだろう」と思うようなことも、一部の人には全く通じていないことがある。思いもよらない解釈をする人もいる。
だから注意書きで無断転載を完全に防ぐことはできないのだけど、自分は「最低限の意思表示」程度にと考えています。
イラストにサイン(SNSのIDやURL)を入れておく
イラストにはサイン(SNSのIDやURL)を入れてある。
「名前入れただけで盗まれなくなるわけないじゃん」。
確かに、入れないよりはマシですよね程度の話です。
名前だけではなく連絡先になるIDやURLを入れるほうが便利なこともあったので、そうしている。
理由その1 使い勝手を悪くするため
邪魔な文字が入っていることで、使い勝手が悪くなる。
- そのまま転載すれば周りにバレてしまうので、サインが邪魔
- ポエムを書き込んで使いたくても、サインが邪魔
- 印刷して商品化する場合、サインが邪魔
なるべく消しにくいところに入れることでより使い勝手が悪くなるので、グラデーション背景や髪の上、顔のそばに入れたりしている人もよく見かける。
ただ絵の雰囲気も少なからず損なってしまうため、そこは兼ね合いで。
理由その2 見かけた心ある人が連絡してくれることがあるから
個人的な考えだけど、IDを入れることはむしろこの役割が大きいと思う。
pixivやTwitterでも、このパターンで転載を報告されている人をけっこう見かけるので。
転載らしきイラストを見かけても「これ誰々さんの絵に似てる気がするけど確証がないな」とか「これって無断転載なんだろうけど連絡先が分からないから連絡しようがない」となってしまうのだけど、IDやURLがあれば連絡できる。「あなたのイラストがYouTubeのまとめ動画(http://○○○○/○○○〜)に入っていたんですけど、これって無断転載なのでは? と思ったので連絡しました」みたいな感じで。
※「私は転載されてても戦いたくないし知りたくない」「IDやURLを広める方がよっぽど恥ずかしいしいやだよ……」という人もいると思うので、そこは自分の意向に合わせればいいと思います。
理由その3 警戒していることをアピールするため
IDやサインが入っていることで、「こいつ転載を警戒してるな」「盗んだらめんどくさそう」と思わせる。
泥棒は防犯カメラやセンサー式ライトがついている家は避けるし、自転車の前カゴに盗難防止ネットが一枚かかっているだけでもターゲットにされにくい、らしい。
「私は転載を警戒していますよアピール」「盗んだらそれなりの対応をしますよアピール」になると思う。もちろん、通じない相手もいるだろうけど。
サインの入れ方に迷ってしまう……
せっかくサインを入れても、今は誰でも簡単に消したりトリミングできたりしてしまう。
そこで、人物にかぶせたり、顔の近くに入れたり、髪の上や背景ならグラデーションになっているところに入れたりと、消しにくいところ、トリミングしにくいところを工夫している人もよく見かける。
また、あまり小さくても通報してくれる人にも判読できなくなってしまうので、ある程度の大きさで入れる。
人物にかぶせてサインをしていてもTwitterのステッカー機能で消す手法も見るので、消しにくいように横長とか縦長にサインを入れるとか。
他にも瞳の中にサインを入れたり、【透かし】のような隠しサインを入れる方法もある(※これについては後述)
どうしてもサインを目立たせたくない場合は【透かし】にする
「でも絵にサインなんか入れて、自意識過剰だと思われたくないよ……」とか「でももし万が一転載されたときに証拠は入れておきたい」という場合、【透かし】みたいに入れておく方法もある。
やり方は、イラストの白い部分に、ごく薄いグレーでサインや文言を入れておくだけ。(R249 G249 B249、カラーコードなら#f9f9f9程度の、要するに薄いグレー)
例えばこのイラスト、一見サインは無いように見えるけど……
スマホの画像編集機能でコントラストを-100にすると……
※環境によって見え方に違いがあります。
「私の絵なんて99%転載なんかされないからどうしてもサインを入れるのが恥ずかしい。自意識過剰だと思われたくない。でも不安だから一応の一応でサインを入れておきたい」という人にはいいかもしれない。ただ「そもそも転載される面倒に巻き込まれたくない」という人には不向きかもしれない。
転載しにくいSNSを使う
Twitterは転載対策がしにくく、またユーザーも多いのでどうしても転載されやすい。
なので転載されにくいSNSを使うというのも選択肢の一つかなあと自分は考えている。
たとえばTwitterと連携させて使える【かべうち】はGoogleなどのサーチエンジンにインデックスされない(=検索避けされている)ので、「Googleで拾った絵を勝手に使う」はされにくいと言える。
また検索避け、著作日時内容証明、パスワード付き公開などの機能がある【GALLERIA(ギャレリア)】や、BL特化型で検索避けの完全クローズドSNS【PictBland(ピクブラ)】などもある。
どんな絵でも無断転載されるリスクはある
「自分の絵なんか無断転載する人はいないだろう」
「私なんかが無断転載禁止とか言うのは身の程知らずで恥ずかしい」
と思ってしまう人もいるかもしれない。
自分もそう思っていたけど、そんな私でも何度か転載されて面倒に巻き込まれたことはある。「どんな絵でも無断転載されることはある。100万円でも100円でも無防備に置いておけば盗まれる」という言葉を聞いたことがあるけど、自分の絵が転載されたとき「本当だ……」と思った。
無断転載って、対応するのにかなり気力を消費する。ネットに絵を投稿する限りどんな対策をしていても万全ではないんだけど、なるべく巻き込まれないようにできることをしておくしかないよなと思います。
「もしかして私の絵も無断転載されてるかも……?」と思ったときの調べ方についてはこちら。