
「"絵の練習は上手く描こうとするな、下手でいいから形を取ることに集中しろ"とよく言われるけど、でも上手く描けないとモチベが下がっちゃう」
「上手く描こうとするな、って言われても無理だよ…」
という人向け【上手く描こうとしないコツ】について。
絵の練習、特にデッサンやクロッキーは「上手く描こうとするな、形を取ることに集中しろ」とよく言われる。
デッサンやクロッキーは筋トレみたいなものなので、それ自体にカッコつける必要は全くない。
毎日スクワット300回やるのに、1回1回完璧なフォームで完璧な笑顔で気取り散らかしてやりますかって話ですよ。筋肉にそこそこ効いてればそれでいいわけで。
「上手く描こうとするな」というのはそんな感じの意味だと思う。
日々プライドをへし折られながら本格的に絵の特訓をしているような人は、そういうメンタルができあがっている。
けど、趣味で二次創作してSNSにアップしていいねされたいな、くらいの人だとそれはなかなか難しい。むしろ趣味で絵を描いている人にとってはそこがいちばん難しい部分かもしれない。
「そうは言っても上手く描きたいし、下手だとあー私下手だーってなってモチベが下がるんだよー!」
「上手く描こうとするなって言われても無理!」
という人向けに、【上手く描こうとしないコツ】について書いていこうと思う。
上手く描こうとするなって言われても無理?上手く描こうとしないコツ
失敗しても消さずに隣に描く
上手く描けないと、さっさとページをめくって無かったことにして新しい絵を描き始めちゃっていないだろうか。
それって上手く描くことにとらわれてしまっているし、自分の描けない部分に目をつぶってしまっているしで良いことが一個もない。
なのでページをめくらず、失敗した絵の隣に次を描く、というのをやってみてほしい。
「上手く描けなかった」と感じたその絵は、どこが描けてなくてどこを直せばいいかを意識しながら描いてみる。
三段階くらいやっているうちに「おっ、感覚つかんだかも!」となるし、自分の失敗絵と向き合うのにも慣れてくる。
そうすると最初の絵は"失敗絵"ではなく、ただの"第一段階"になる。
私は似顔絵を描くときも「全然似ないよ〜! 似てなさすぎてサムい! 全然ダメ! もうイヤ!」となるけど、敢えてそれを残しておくことにしている。
深田恭子さんを描いたときの紆余曲折、試行錯誤の記録がこちら。似なさすぎて鳥肌立たせながらも10回描いてやっとなんとなくつかめてきた。

最初は「やだやだ失敗! 全然描けない! 恥ずかしい! 消したい!」ってなるけど、だんだん「何度描いてもつかめなくて下手すぎウケるwwwもうちょっとなんとかがんばれ私www」くらいになってくる。
でも実は、絵の練習においては「何度描いてもつかめなくて下手すぎウケるwwwもうちょっとなんとかがんばれ私www」というメンタルが何より大事だと思うのです。
これがないと絶対に途中で折れる。
ぜひそれを体得するためにも"失敗しても消さずに隣に描く"を習慣にしてみるのをおすすめしたい。どんだけプライド高い人でも、やってれば必ず慣れるので。
単純に描く数を増やす
そのためには単純に描く数を増やすのもいい。
スクワットたった1回だと気取り散らかしてカッコつけて完璧にやりたくなるけど、300回やるならいちいち気取り散らかしていられない。とにかくノルマをこなすことに気が行くので。
今まで「毎日キャラ絵を一つ描こう」みたいな練習をしていたなら、「一枚に3回描くのを3枚やろう」とかにしてみる。
思うように描けなくても「ハイ次〜!」と切り替える練習にもなるので。
「そんな数ばっかりこなしてもダメなのでは? 練習は量より質でしょ?」と思うかもしれないけど、最初の頃は数のほうが重要だと私は考えている。
初心者の絵の練習において大切なのは、
- 自分の描けなさを知ること(くだらんプライドをぶちこわす)
- 自分の下手さを笑い飛ばす練習をすること
- 思うように描けなくても「ハイ次〜!」と切り替えの早さを身につけること
だと思うので。
まずは"自分の描けなさ"を思い知らないことには、何も始まらない。ど〜でもいいプライドを早々にへし折る。それにはやみくもに数を打つことが手っ取り早い。
プライドがへし折れて自分の描けない部分がわかってきたらそこで初めて"質"を上げていけばいいんだと思う。
「描けなさすぎて笑っちゃう」と笑い飛ばす練習
初心者ほど「上手く描きたい」「上手く描けないと恥ずかしい」という雑念にとらわれて心が折れやすい。
なのでまずは「自分は全然描けてないなー描けなさすぎて笑っちゃう!」と笑い飛ばす練習を意識してやってみるといいと思うのだ。
それがみんなできないから「下手でつらい、どうせダメだ、恥ずかしい、もう無理」になっちゃう。
でも冷静に考えれば「絵を描き始めてたかだか数年で何を言っているんだ私は……」という話でしょう。
絵を描いて50年の巨匠でもなければ、専門学校でみっちり学んでプロ10年目のアニメーターでもない。「上手く描けない!」と思ったらすぐに「いやいや自分がなんぼのもんじゃい!」とツッコミを入れてあげてほしい。
自分の下手さや上手く描けない恥ずかしさを飲み込む練習って、本当に大事。
きっとこれは絵に限らない。自分のできなさを笑える人が強いんですよね。
「でも私はそんなメンタルもないし、はあ……」ではないですよ。これはどんだけプライドの高い人でも慣れでできるようになる。
- そのためにもまずは数を描く
- 一枚に全力投球しすぎない
- 描いたら割り切って次へいく
- 上手く描けなくても残して、下手さを飲み込む練習をする
こんな感じのことを意識すると、もっと気楽に自分の絵の練習と向き合えるようになるかもしれません。
※このブログを書いている高橋がTwitterを始めました。 → @tkhs_bsdz
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