絵が上手くなりたいけど何もしない…そんなぬるま湯から出る方法とは

「絵が上手くなりたい……けどあれはやりたくない、これもお金がかかるからイヤ、それもめんどくさいからやらない。自分の才能とセンスだけでなんとかしたいんだけど……」→当然なんとかならない。「ああどうせ私は才能がないんだ、つらい……」な人へ。

いや〜そりゃ無茶ってもんですよ〜! という記事です。

※ここに書くのは全部昔の自分の話なので、「私はそんなケチで傲慢で思い上がった人間じゃないし!」と思う人は読まなくて大丈夫です。

上手くなりたいけど何もしない、自分の才能だけでなんとかしたい人へ

最近はイラストをオンラインで学ぶことが簡単にできる。

例えばこのブログでもおすすめしたことがある『なんでも最速で描けるようになるキャラ作画の技術』は、【アニメ私塾】のノウハウを書籍化したものだ。

参加費が年11,000円。年11,000円!? 月じゃなくて!?!?

室井さんは「画力は技術を"知る"こと、つまり記号(現実をアニメ絵にデフォルメする簡略化の方法)という情報をたくさん得ること」という考えのもとに、YouTubeでもTwitterでも惜しみなくノウハウを公開している。それは当然無料なわけで、びっくりしてしまう。

「デッサンは上手く描こうとしなくていい」とか「初心者は描きたいものから見よう見まねで描き始めればいい」とか、つまづきやすい部分の心構えみたいなものも教えてくれている。

でも、これだけノウハウがあふれていても、「絵が上手くならない……」と悩む人は一向に減らないのだ。

私も考えるだけ&言うだけの人生をさんざん歩んできたので敢えて言うんだけど、「ダイエット本を買うだけじゃ痩せないんだよ〜! 絵のノウハウもいいねするだけじゃ上達しないんだよ〜!」なのだ。

なぜ教わったことを行動に移さないのか?

こんなにていねいに(しかも半分くらいは無料で!)教えてくれる人がいて、私たちはなぜ行動に移せないんだろう?

※行動に移せる人はこんな記事読まなくて大丈夫ですからね!

「お金をびた一文払いたくないから」

「書籍を買いたいけど2,640円(Amazonで)、ちょっと高いな……口コミを見て相当良ければ考えてもいいけど……」と口コミを読んでいたら低評価の口コミがあって、「えー、"普通のことばかりで役に立たなかった"かあ……じゃあ買っても無駄かも。買うのやめよう」とやめてしまう。

こういうときって"高いから買いたくない→買わない理由を探しちゃってる"ってことないかしら。

もちろんそれぞれの経済状況ってあるので、趣味の絵のために1ヶ月に千円でも払えないという人だっていると思う。

「YouTubeやTwitterは見るけど、年11,000円は払えない」という人もいるかもしれない。

でも不思議なことに人間って「会費を払ってまでは学べないから、無料のYouTubeやTwitterからだけでも貪欲に吸収しよう」とはならない。

「全部無料で見られないなら見る気無くした、見なくていいや」となってしまう。

とにかくびた一文払いたくない。ネットが発達してきてこの考え方がより顕著になってきた気がする。

「学んでもどうせ私は上手くなれないから」

あと"私なんてどうせ練習しても上手くなれないから"やらない、という人もいる。

やってもいないのに、もしくは"ちょっとやっただけでうまくいかなかったから"もうやらない。

自分がやった行動に対して見合った報酬が得られないとやらなくなる【オペラント条件付け】というやつだ。

でもこれマウスが餌を出すレバーを引くレベルの原始的な話なのです。

行動(絵の練習)に対して今は見合った報酬(「うまく描けた!」という満足感だったり、いいねだったり)が得られないからって、すぐやめちゃったらマウスと同レベルになってしまう。

マウスの方が造形が可愛らしい分、私の存在はマウス以下になってしまう。

「私はプロになりたいわけじゃないし、そこまでしたくない」

アニメーターの人の書籍を紹介すると「私はアニメーターになりたいわけじゃないし」、美術解剖学の書籍を紹介すると「私はプロになりたいわけじゃないから、そこまで本格的にやりたくない」、そんな感じのことを言う人も多い。

でもさ、上手い人の絵を真似しないと上手くならないじゃん?

教えられるほど上手い人ってたいていプロじゃん?

じゃあさ、160センチで80キロの人がダイエットしたいとする。

65キロの人のダイエット法と、49キロの人のダイエット法、どっちを真似したいか?

きっと「65キロってまだデブじゃん、そんな人のダイエット法を真似しても意味ない!」と言って行動に移さないと思う。

かと言って「49キロかあ……それが理想だけど、私にはきっと無理だよね、49キロなんて夢のまた夢だよ、ああ、努力できる人が羨ましい、痩せてる人が羨ましい、どうせ私は……」と言って行動に移さないと思うのだけど、どうでしょう。

「それが本当かどうかわからない」

Twitterで、100日絵の練習をした記録をまとめた記事が話題になったけど、あれを見て「私もがんばろう!」ではなく「100日でこんなに上手くなるわけない、もともと上手かったんでしょ?」と思った人も一定数いた。

「こういう練習をしたら100日でこれだけ上達した」という情報を頭から疑って、自分ではやろうとしない。あまつさえ「嘘を言いやがって」と非難する。

「自分の才能とセンスだけでなんとかしたい」

あれもできない、これもイヤだ、それもしたくない、じゃあどうしたいのかというと、

「自分の持って生まれた才能とセンスでなんとかしたい」。

「人に習ったら私のオリジナリティが失われてしまうから……」

いつか自分の中の才能が花開くのを、何もせずじっと座って眺めている。

水もやりたくない、肥料もあげたくない、手入れはしたくない。

そしてたまに「もー、私の才能いつ咲くの!? あの人のはもう咲いてる、いいなー、きっと日当たりがウチよりいいんだ。ズルい!」とイライラしたり。

「全然咲かない……どうせ私は才能ないんだ、このタネがきっと虫食いだったんだ、芽が出るはずないよね……」と嘆いたり。

「どうせ私は才能がないんだ」と何もしないでいるのは「努力はしないで才能だけで上手くなりたい」と紙一重で、自信がないように見えて傲慢の極みなのかもしれない。

私も高校生のときに、美術教師に「お前は傲慢だ! 何様のつもりなんだ!」と言われた。今となればおっしゃるとおりでございます、と頭を下げたい気持ちだけど、当時は睨みつけて美術準備室のドアをバターンと開けて出て行った。

ここらへんでぐるぐるし始めると、死ぬまで続く無限ループだ。

人間は"やらない理由を探してしまう"生き物

ここまで読んでいい加減イライラしてきたんじゃないかと思う。

「どれもこれもやらない理由をこじつけてるだけだろ!」って。

そうです、昔の私です……。ほんとぶんなぐりたい。昔の私。

もしくは思い当たるところがある人の場合は「う〜」と喉のあたりが苦しくなっているかもしれない。

でも人は、やらない理由を探してしまう生き物なのだ。

なぜなら何かをがんばるにはよけいなエネルギーを使わなきゃいけないし、何かをがんばれば自分の状況が変化してしまい、新たな予測不能の事態が降りかかるリスクがある。

人間の脳はとにかく「生命の安全のために現状維持が第一」という器官なので、とにかく新しいことをするのが苦手。

新しい練習方法を見かけて「おっ、これいいかも」と思っても実際に行動に移したらよけいなカロリーを使ってしまうし、そうしたら今の体を維持できなくなってしまうかもしれないし、もし絵が上手くなって交流が増えたら今のぬるま湯から出なきゃいけないし、そしたら新しいリスクが降りかかるかもしれないし……。

とにかくやらない理由をこじつけて現状維持をしようとしてしまう

脳が警戒しないよう、軽い気持ちでやってみる

「はあ、やればいいのはわかっているけどどうせ私は……」というぬるま湯は、浸かっていて気持ちがいい。出たくない。出たら寒いし。私も首まで浸かっていたからよーくわかる。今もたまに戻っちゃうもの。

ではぬるま湯から出るきっかけってどうすればいいか。

ザバーッと急に出るのは勇気がいる(上で述べたように脳が警戒する)ので、しれっとお湯を足してみるのだ。

脳が警戒しない程度の新しいことをやってみる。なんでもいい。

例えば、参考書籍を一冊だけ買ってみる。

「外食する機会も減ったし、3ヶ月かけてのんびり模写をしよう。2,640円だから月に700円弱。マック一回分くらい。できなきゃやめればいいし。どうせ私はダメ人間だから続きっこないけど笑」

くらいの気持ちで買ってみる。

せっかくなので話に出したアニメ私塾さんの書籍を紹介してみたい。

私は今までアニメ絵をあんまり描いてこなかったので、アニメ絵の【記号】(こう描いたら動きが見えるとか、それっぽく見えるとか)を身につけるためにこちらの書籍が参考になった。

あとTwitterで話題になっているこちら。

なぞっていいんですよおくさん!

小難しい美術解剖学なんかやらずとも、初心者でも素体をなぞってオリキャラが描けてしまう……今どきの"絵を描きたい"人のニーズに合致した本だと思う。

なぞって意味あるの? とお得意の"脳チャンの現状維持グセ"が出てくるかもしれないけど、軽い気持ちで買ってみて、軽い気持ちでやってみる。

あとこちら。私はまだこちらを読んでいないので、具体的な紹介はできないのだけど。

口コミには例のごとくイチャモンのような低評価もついているんだけど、それを"買わない理由・やらない理由"にしない練習、にしてみてほしい。

軽い気持ちで一冊買う練習、だと思って買ってみる。

軽い気持ちで模写する練習ごっこ、だと思ってやってみる。

くらいの感じでいかがでしょう。

ぬるま湯にお湯を足すと出たくなる

「上手くなりたい」といいつつなんもしない、そんなぬるま湯に浸かっていると出るタイミングを逃してずるずるいっちゃう。

ぬるま湯から急に出たら寒いよね、寒いのは怖いし、風邪ひいちゃうかもしれない。脳が警戒するのも仕方ない。

何もザバーッと飛び出す必要はなくて、チョロチョロでもお湯を足すのです。

そうするとぬるま湯の温度が上がってきて、今度は熱くて勝手に出たくなる。

出ても体はホカホカしてるし寒くない。ホカホカしたままうろついているうちに次の新しい世界にたどり着いたりするかもしれない。

きっかけはバーンと大きなものじゃなくていい、手を伸ばしてチョロチョロお湯を足すことからでいいと思うんです。何か一つ。

ただ出たくなるくらいお湯が熱くなるまではちょっと時間がかかるので、焦らずに……。

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